阪神電鉄株を38%以上買占め、筆頭株主となった「村上ファンド」が話題となっているが、昨日(10/14)の新聞には、インターネット商店街を運営する「楽天」がTBSの15.46%の株式を取得して筆頭株主となり、TBSに経営統合を提案したという記事が報道された。このTBS株に関しても「村上ファンド」は7%以上保有している。
どうやらこのTBSと「楽天」の動きにも「村上ファンド」が一役かっているようだ。
今春の「ライブドア」と「ニッポン放送」をめぐる一連の騒動も「村上ファンド」が仕掛け人と言われている。今回はその第二幕ということであろう。マスメディア・電鉄会社という規制業種とIT新興企業という取り合わせも同じだが、それぞれプロ野球球団の親会社という点も共通している。
こうした株買占めによる会社買収をM&A(mergers and acquisitions)という。マスメディアをめぐるM&Aはアメリカではめずらしくないから、日本でもいよいよアメリカ的な大買収の時代が到来したということだろう。
背景には、すべてを市場での自由な取り引きにゆだねるというアメリカ的な市場原理主義が世界規模で影響力をおよぼしているということがある。これを「グローバリズム」あるいは「グローバリゼーション」という。(教科書:p77,78)
たとえば、「村上ファンド」が運用する資金は、2000億円~4000億円といわれているが、その大半は外国からの資金(大学運営基金や年金基金など)だと言われる。さらに、最近の原油価格の高騰で、中東の産油国からのオイル・マネーがこうした私募ファンドに流入しているようだ。今年8月からの日本の株式市場での株価上昇もオイル・マネーが一役買っているというのが大方の見方である。日本市場は、すでにグローバル・マネーが支配する世界なのである。
「村上ファンド」のような投資ファンドはあくまでも運用益を上げることが目的だから、企業買収や会社の経営権の獲得が目的ではない。「ライブドア」や「楽天」といった新興企業と組んで、投資した会社の株価を上げ、売却益を得ることが狙いである。
しかし、こうした投資ファンドの動きは、既存の会社経営者に脅威を与えているのも事実である。来年4月から施行される「新会社法」では、株式交換による会社買収が可能となり、これまで以上にM&Aが容易になるのではないかと言われている。
たとえば、マイクロソフトの株式時価総額が約2600億ドル(約28兆円)であるのに対して、ソニーの株式時価総額は約4兆円でしかない。日本が誇るグローバル企業にしてもアメリカの巨大企業には足元にも及ばない。近い将来、外国資本が日本企業の買収を本格化するのではないかという外資脅威論が台頭している。
大手アパレルメーカーの「ワールド」が、今年7月、経営陣による企業買収(MBO マネジメントバイアウト)という形をとって株式を非公開とする、と発表した。その後、9月には株式公開買い付け(TOB)が成立して、11月には上場が廃止される予定である。上場を廃止して非公開会社になるという例はまだ多くはないが、企業買収の対策をとる会社は増えている。
設問1)「グローバリズム」あるいは「グローバリゼーション」とは何か?
設問2)次の用語の意味を調べなさい。
①M&A ②MBO ③TOB
設問3)株式会社で「上場会社(公開会社)」であるメリットは何か?
どうやらこのTBSと「楽天」の動きにも「村上ファンド」が一役かっているようだ。
今春の「ライブドア」と「ニッポン放送」をめぐる一連の騒動も「村上ファンド」が仕掛け人と言われている。今回はその第二幕ということであろう。マスメディア・電鉄会社という規制業種とIT新興企業という取り合わせも同じだが、それぞれプロ野球球団の親会社という点も共通している。
こうした株買占めによる会社買収をM&A(mergers and acquisitions)という。マスメディアをめぐるM&Aはアメリカではめずらしくないから、日本でもいよいよアメリカ的な大買収の時代が到来したということだろう。
背景には、すべてを市場での自由な取り引きにゆだねるというアメリカ的な市場原理主義が世界規模で影響力をおよぼしているということがある。これを「グローバリズム」あるいは「グローバリゼーション」という。(教科書:p77,78)
たとえば、「村上ファンド」が運用する資金は、2000億円~4000億円といわれているが、その大半は外国からの資金(大学運営基金や年金基金など)だと言われる。さらに、最近の原油価格の高騰で、中東の産油国からのオイル・マネーがこうした私募ファンドに流入しているようだ。今年8月からの日本の株式市場での株価上昇もオイル・マネーが一役買っているというのが大方の見方である。日本市場は、すでにグローバル・マネーが支配する世界なのである。
「村上ファンド」のような投資ファンドはあくまでも運用益を上げることが目的だから、企業買収や会社の経営権の獲得が目的ではない。「ライブドア」や「楽天」といった新興企業と組んで、投資した会社の株価を上げ、売却益を得ることが狙いである。
しかし、こうした投資ファンドの動きは、既存の会社経営者に脅威を与えているのも事実である。来年4月から施行される「新会社法」では、株式交換による会社買収が可能となり、これまで以上にM&Aが容易になるのではないかと言われている。
たとえば、マイクロソフトの株式時価総額が約2600億ドル(約28兆円)であるのに対して、ソニーの株式時価総額は約4兆円でしかない。日本が誇るグローバル企業にしてもアメリカの巨大企業には足元にも及ばない。近い将来、外国資本が日本企業の買収を本格化するのではないかという外資脅威論が台頭している。
大手アパレルメーカーの「ワールド」が、今年7月、経営陣による企業買収(MBO マネジメントバイアウト)という形をとって株式を非公開とする、と発表した。その後、9月には株式公開買い付け(TOB)が成立して、11月には上場が廃止される予定である。上場を廃止して非公開会社になるという例はまだ多くはないが、企業買収の対策をとる会社は増えている。
設問1)「グローバリズム」あるいは「グローバリゼーション」とは何か?
設問2)次の用語の意味を調べなさい。
①M&A ②MBO ③TOB
設問3)株式会社で「上場会社(公開会社)」であるメリットは何か?