見つかった手はすぐに保冷剤で冷やされた。男性は、連絡を受けて駆けつけてきた母(52)と一緒に、救急車から県の防災ヘリに乗り換え、熊本市へ向かった。
途中、救急隊員に「きれいに切れているから、大丈夫」と励まされたが、「手術がうまくいかないこともある。動かなくても、せめてつながってくれればいい」と思った。
車なら2時間はかかる距離をヘリは20分弱で飛び、熊本市北部の公園に降りた。切断された指や四肢の治療を専門とする熊本機能病院がすぐそばだった。
復させるためには、切断から5時間以内に動脈をつなげて再び血を通わせ検査や全身麻酔などの処置を経て、事故からほぼ3時間後、手術が始まった。左腕は、手首から約5センチのところで切断されていた。感覚や運動機能を回なければならなかった。
タイムリミットまでまだ余裕があり、切断面の組織がつぶれずにそのまま残っていたので、つなぐのに有利だった。手首に近く損傷した神経が比較的短くてすんだことも、機能の回復には幸いだった。
整形外科医の中島英親(なかしま・ひでちか)副院長(65)は、「日常生活に支障ない程度には回復できるだろう」と思いながら、手術に臨んだ。
切断された手の血管内に血栓がないか確認した後、まずは細い鋼線4本で骨を固定。20倍まで拡大できる双眼顕微鏡をのぞきながら、髪の毛より細い針と糸を使って、内径約2・5ミリの動脈からつなぎ始めた。指を伸ばす伸筋(しんきん)腱(けん)、静脈、指を曲げる屈筋腱、神経の順に進み、最後に皮膚を縫い合わせた。
天草から車で父や祖父、きょうだい、当時付き合っていた今の妻らが次々と病院に到着し、手術の成功を祈った。
5時間近い手術を終え、男性は深夜、病室で目を覚ました。固定された左腕は、バスタオルで何重にも巻かれ、まるで赤ちゃんを腕に抱いているかのようだった。
「まだ手はむくんでいますが、きれいに切れていたので、うまくつながりました」と言う中島医師の説明に、家族は「つながっただけで十分」と喜んだ。 【asahi com】
ある日突然、予想もしない時、腕が片方完全になくなった時、本人はもとより関係者はどれほど驚き・途方にくれたかを想像するとゾットする。
医師の技術もさることながら、ほぼ完全に接続し機能も元の状態に回復したらしい。本人はもとより関係者はどれほど喜んでいるかをの姿を想像すると他人事ながら嬉しくなる・・・・・
しかし、こんな事故は起こしたくないものだ・・・・・
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