350以上のメディアから、最新ニュースを瞬時に検索

「情強」への最短経路 あのニュースアプリより、スマートです

最近見かけ…いや聞かなくなりましたが…。

2012-10-31 09:55:11 | 周辺地域情報
火の用心。

秋も深まり、寒風吹きすさぶ中、空気も乾いてきました。
未だに古い街では「火の用心」のかけ声と拍子木を鳴らす音が聞こえてきます。

しかし「火の用心」とは簡潔ですが何とも古い感じの言い回しです。
現代なら「火に気をつけましょう」とか「火気注意」とかになりそうです。
では、火の用心はいつ頃から言われ始めたのでしょうか?


記録のうえで「火の用心」という文句の一番古いものは、
天正3年乙亥(1575)5月、織田信長・徳川家康の連合軍が、
武田勝頼を攻略した長篠の合戦に臨み、家康の家来の本多作衛門重次が
国元の奥方に送った「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」
の陣中便りといわれており
(中略)
慶安元年(1648)に出されたお触れに、次のようなものがあります。
「町中の者は交代で夜番すべし。月行事はときどき夜番を見回るべし。
店子たちは各々火の用心を厳重にすべし」とあります。

綾歌消防博物館(高松市)より、適宜改行を加えて引用



江戸以前から、木造中心の日本では火が警戒されてきたことが良く分かります。
さて、それでは後半にある「マッチ1本 火事の元」の方ですが…。
当然「火の用心」発生の時期に、マッチは発明されておりません。

マッチは19世紀初頭に日本に入ってきて、普及し始めたのは19世紀後半。
そこからライターなどの代替品が市場で幅を利かせる
昭和50年前半までが「火の元=マッチ」だった時期です。
つまりは「火の用心」と「火の元=マッチ」を想起させる
「マッチ1本 火事の元」は別起源ということになります。

結論から申し上げると、このフレーズは昭和28年に東京消防庁が公募した標語だそうです。
つまり昔から言われていた「火の用心」に、当時火の元として主だった
「マッチ」を付け足して「火の用心 マッチ1本 火事の元」が出来上がったようです。

とは言え、現在ではマッチが火事の原因として占める割合はライターとあわせても1%強。
もっとも多い原因は放火が1位。2位にタバコ、3位はコンロとマッチは統計でも相当下。
拍子木が聞こえたらマッチ「以外」にもよくよく気をつけてください。


★Twitterでもつぶやいています。
こちらもフォローをお願いします!
http://twitter.com/HHNewsReports

(井上宇紀)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。