蓮出汚泥

「衆生病めば則ち菩薩も病み、衆生の病い愈ゆれば菩薩もまた愈ゆ」

コロンブスと女神崇拝 その①

2020-10-12 21:54:00 | ビジネス

本日アメリカはコロンブスデーの祝日。

この日を前に、このところ矢鱈とコロンブスというキーワードを目にしその存在が気になっていた。

先週末、偶然立ち寄ったコネチカット州のニューヘブンという街で一際目を引くビルに遭遇し、その存在が気になり表札に目をやると”The Knights of Columbus”と記されていた。

耳慣れない名称であったので一体どういった企業・団体かと調べてみると、ローマカトリック系の団体・結社の本拠地でメンバーには政治家や裁判官、弁護士も居るようだ。

フリーメーソンとローマカトリックは相容れない関係性であると言われるが、フランスの某カトリック教会でメーソンのシンボル入りのレターを目にしたこともあり、実際のところはよくわからない。

人口の7割がカトリック教徒であるフランス、イギリス国教会やピューリタン派、プレビステリアン派、カトリックなどキリスト教といっても様々な宗派に分かれるイギリス、さらにイギリス国教会の一部であった米国聖公会の信者が歴代大統領の1/4を占めるアメリカ…といった具合に、国によってその位置づけや関係性、社会的・政治的影響力は異なるだろう。

日本に居ながらプロテスタントとカトリック両方の環境に身を置いた経験があり、アメリカ・イギリスの在住経験を経てどういう訳かここ数年は密教や神道を個人的に研究している筆者であっても理解しきれない部分がある。

だからこそ見出せる部分や気付きも大いにあるのだが。

何事も、その場所に身を置いてみなければわからないことがある。

だからこそ公の場で宗教や結社について不用意な言及は避けたいのだが、世界の宗教・歴史を理解せずして国際政治を理解することは出来ないと考えているため、現在わかっていることとこの地で起きている出来事をファクトとして記しておくことにする。

まず、このアメリカという国の建国に於いてフリーメーソンとの関係は切り離せない。

日本では陰謀論が目につくが、この国を歩いていればメーソンのシンボルは至る所で目にするし、独立戦争所縁の博物館などへ行けばそこかしこに出てくる。

さて、表題のコロンブスの話に戻るが、The Knights of Columbus(コロンブス騎士団)の名称の由来はイタリア生まれのクリストファー・コロンブスであり、コロンブスはアメリカ大陸を最初に発見した人物とされている。

しかし、実際にはそれより前にヘンリー・シンクレア率いるテンプル騎士団が上陸しており、クリストファー・コロンブスもその一員で乗っていた船の帆の十字もテンプル騎士団を表しているとの説がある。

いずれにせよコロンブスはアメリカに於いて象徴的な存在であり、サンフランシスコのコイトタワーの前やニューヨークのコロンバスサークルの中心、ワシントンDCのユニオン駅前など、全米各主要都市にコロンブス像が据えられている。

しかし2020年大統領選を目前に、その像が「奴隷支配の歴史の象徴」として各地で破壊されている。

そうかと思えば、数日前のペンス副大統領とハリス上院議員の討論会の中で、ペンス副大統領の口から“The Knights of Columbus”というワードが発せられた。

選挙戦の争点でもある最高裁判事の人事について意見が交わされる中でのことだ。

更にトランプ大統領も自身のSNSThe Knights of Columbusを執拗に攻撃するハリス氏を批判し始めた。(The Knights of Columbusのローマカトリックの戒律では中絶も婚前交渉も離婚も禁じられており、反対派の立場である)

その本拠地であるビルを見た直後のことであったのでこれには驚いた。

そのビルの何が特徴的かといえば、四隅に聳える極太の円柱である。

コロンブスのコロンは柱の意味であることから、柱を強調しているものと思われる。

柱といえば、日本の神道に於いても三柱鳥居や御柱祭など柱が重視され、出雲大社や宇佐神宮に至っては四柱の神に則り参拝の際は四拍手といわれる。

モーツァルトのオペラ『魔笛』はフリーメーソンのシンボルのオンパレードだが、去年鑑賞した舞台でも柱が登場した。

メーソンや古代ユダヤ、神社との関連性を書き始めるとキリがないのでここでは控えるが、古代史研究の世界でこれらに関連性があることは有名な話である。


(つづく)



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