多くの建築家が、自邸でさまざまな実験をしていますが、1954年に竣工した50㎡のコンクリートの箱「私の家」には玄関も間仕切りもありません。使い方や家族の増減に合わせてフレキブルに空間を使うというのは、日本の伝統的な住まいの考え方でした。 清家清さんは、それをも近代的なデザインで再現しています。さらにフラットな床には床暖房を完備しています。
「掃除」の作業や疲労度から住まいの広さを決定したというのもユニークです。「最初にコンクリートの箱をつくり、だんだん良くしていく」、「家は永遠に完成しないだろう」という言葉も深いですね。建物ができて完成ではなく、使いながら良くしていく。住む人の行為からスペースを決める。 今では当たり前のように言われていることですが、それらが本当に実行されることは残念ながら、あまりないように思います。
清家清さんだったら、ユニバーサルデザインをどう考えて、どうデザインされたのでしょう。そんなことを思いながら、美の巨人たちをみていました。

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