梅干しは本当に体にいい?
梅干し研究家が健康効果を解説
手軽に取り入れるなら「梅醤番茶」〈dot.〉
「梅干しは身体にいい」を疑う人はあまりいないが、実際、健康面でどんな効果があるのか、
はっきり言える人はそう多くないだろう。梅干し研究家・小川睦子さんは著書
『はじめてでもおいしくできる 梅干し・梅レシピの基本』(朝日新聞出版)で、
梅の健康効果や食生活への上手な取り入れ方を解説している。抜粋して紹介したい。
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■酸っぱいものを食べた時に出る唾液が消化吸収をアップ 酸っぱいものを食べた時は、
誰でも酸っぱさの感覚にしばし浸ってしまいます。そして、この体験をしたことがある人は、
身体の条件反射として、梅干しを見るだけで(本物でも写真や映像でも)、
梅干しという言葉を聞くだけでも、自然と唾液が湧いてきます。
唾液には、消化吸収をアップする働きがあります。
だから、梅干しのある食卓は健康につながるのです。
梅干しのおいしさは酸味と塩味のバランス。
酸っぱいだけでも塩辛いだけでも、あの旨味は生み出されません。
梅干しの酸味はクエン酸によるものです。クエン酸は身体の働きを高めてくれる成分。
疲労回復や食欲増進、消化の促進をはじめ、血液を浄化したり、
カルシウムの吸収を高める働きや、胃腸を守る効果も期待できます。
便秘や下痢などお腹の調子がよくない時にも効果的です。
さらに、生活習慣病を予防する効果があるという説も。
苦手であれば無理に食べるものではありませんが、
日々の食生活に取り入れてみてもよさそうです。
■梅を食生活に取り入れて身体の調子を整えよう
古くから体調管理に活躍してきた梅干し。気軽に試すことができるのは「梅醤番茶」です。
梅干しに醤油1滴、あればしょうがのすりおろしを加え、
熱い番茶を注ぎ、梅干しをくずしながら飲みます。
疲れた時、風邪気味の時、二日酔いやお腹の調子がいまいちな時などにおすすめ。
面倒な時は梅干しにお湯を注ぐだけでもOKです。さっぱりしておいしく飲むことができます。
梅干しは、食事ができるようになれば、小さな子どもも食べても大丈夫。
塩分が高いので、ごく少量から、ご飯やおかゆと一緒にお試しください。
■生の青梅は毒性があり。食べない方が無難
生の青梅には毒性がありますが、触る程度なら問題ありません。
多少食べてしまっても大丈夫ですが、種の中身(仁)は食べないほうが無難です。
塩漬けや砂糖漬け、熱を加えた調理などのいずれかを行ない、
果肉の色が変われば青梅の毒性は消えます。安心してお召し上がりください。
小川睦子・梅干し研究所(UMEBOSHI-LABO)主宰。
梅干し研究家であり、編集者&ライターでもある。幼少の頃より梅干しをこよなく愛し、
梅干しの研究に励む傍ら、梅干しの魅力と梅干し作りの楽しさを伝える活動を
関東と福岡を中心に行う。簡単にできる梅干し作りや梅干しを使った料理などの講座も好評。
自然食品店などでは手作りの梅干しも販売する。 (構成 生活・文化編集部 森 香織)