goo blog サービス終了のお知らせ 

つれづれっと

40を目前に控えた男の、日常徒然雑感です。経済、趣味、特捜最前線の感想をアップしていきます。

そろそろ梅雨ですね。。

2005-06-10 | 金融
銀行時代には梅雨の営業活動はうっとおしかったです。。
スーツは濡れるし、いいことないです。でも、新規活動なんか、
やってると、情にほだされるという事態が結構生じます。

何回も通ってきてくれてるから、、とか、
いつも、一生懸命きてくれるから、とか。

私は雨の日の場合、必ず、濃系ではなく、グレーとかのスーツを
着てました。なぜか、そう、雨に濡れると色が変わって、濡れた
ことが明らかだからです。

新規でいつも、門前払いするおばさんも、梅雨の時期には同情的
になりやすく、大体新規活動のネタはこの時期作られましたね。。

再投資の重要性

2005-05-02 | 金融
銀行にいるときに、賃貸マンションの融資を数多く行いました。
そこでの融資判断は様々な要因があるのですが、私は再投資部分を
いかに織り込んでいるかによって、その賃貸マンションの経営者の
経営判断や考え方を見るようにしていました。

再投資とは、マンションが劣化していくのに備え、補修やリニューアル
を行う投資のことです。その投資を手堅く行う経営者はそのマンション
を継続的に手をかけて、中古マンションの劣化度合いを軽減させていく
努力と見ることができます。逆に、その再投資部分をうすくしている
経営者はある意味、場当たり的に、入居者が集まらなくなったから、
リニューアルでもやるかとか、苦情が出てきたからとかそういった動機
で動くことが多いように思えます。大体、数年後延滞して泣きついてくる
のはもちろん、後者の経営者ですね。。

再投資の重要性は、東京ディズニーランドを見れば明らかです。それだけの
収益力があるからこそ成立しているといえますが、北海道の旭山動物園の例
もあるように、ソフト面主導での復活は可能です。要は、利用者の視点に
たって常に革新し続けること、それを当初計画段階から織り込んでいること、
それが重要だと思います。

この間、某ホテルに食事をする機会がありました。駐車場へ続く階段などは
おそらく建てたときから特にリニューアルも行っていないようでした。あいた
穴などは無造作にそのままとか、明らかに素人が補修したようなところとか。
ビジネスホテルであれば、それでいいのですが、ホテルにはハレの機会で訪れ
る人も多いはず。フローを扱うホテルほど、賃貸マンションよりも再投資の考え
は重要だと考えられます。この某ホテルのオーナーの新聞記事などを見てみると、
やはり、新規投資ばかりに夢中で、リニューアルについては熱心じゃなかったと
報じられています。バブル時代に大学生だった私は、このホテルチェーンには、
ブランド力を感じています。もう1度、これを機会に復活して欲しいものです。


トランザクションバンキング考察~後編

2005-03-02 | 金融
以上のような動きを踏まえて、企業は金融機関とどのように付き合っていくかですが、トランザクションバンキングにしても、リレーションシップバンキングにしても、企業の決算書などの客観的根拠をもって与信判断をされていく方向は同じです。ただ、その数字の意味について、リレーションシップバンキングでは深堀して判断してくれるということです。業績の一時的な悪化などはトランザクションバンキングは考慮してくれません。ただ、業績の悪化で融資を行う判断ができるのは、あくまでメインバンクです。メインバンクが支援の方向性を出せば、他の銀行もなびきます。従って、メインバンク、準メインバンクについては企業にとってもリレーションシップバンキングを構築していく必要があるのです。

具体的に整理すると、
①確固たるメインバンクを作っておくこと。これは企業と金融機関双方がメインバンクと認識する必要があります。とりあえず、借入残高が多い企業に対して最優遇の対応をしましょう。最優遇の対応で一番重要なのは決算書の全部開示、経営計画の策定(1年以内の目標でもいいです、赤字が直近決算で生じた場合にはその解消計画)、そしてその進捗状況の報告です。これがトランザクションバンキングと決定的に違うところです。
②トランザクションバンキングは金利面や手続、コスト面で有利ですが、業績悪化時におけるリスケなどが機動的に行われない可能性があることから、資金繰りの中で回転している運転資金の安定化や平準化に使うのがいいと思います。また、お付き合いでやってる下位行の金融機関からの借入についてはこういったトランザクションバンキングの調達で整理していくのもいいと思います。
③設備投資など企業の命運を左右するような案件は、仮にトランザクションバンキングの利用の範囲内としても、リレーションシップバンキングの中でメインバンクや準メインバンクなどで協調体制を組んでもらって行う方がいいと思います。設備投資の計画が予定通り行かない場合における追加運転資金の調達などについては設備投資で面倒を見た銀行がまず相談を受け付けて対応を考えてくれますから。トランザクションバンキングではもちろん無理な対応です。

以上から、リレーションシップバンキングとトランザクションバンキングをうまく使い分けてという当たり前の結論に落ち着いてしまいました。。

トランザクションバンキング考察~中編

2005-03-01 | 金融
黒字決算を上げている企業にとってはトランザクションバンキングの利用はトータルの調達コストの引き下げになると思います。金融機関の付き合いには、表面上の金利以外に様々なコストがかかっています。例えば、一定の預金を拘束することは禁じられてますが、定期預金はある程度置くことを暗黙にもとめられたり、担保を差入したり、様々なキャンペーンの協力を求められたりと。それ以外に、社長が時間的に拘束されるコストとか、借入のための手続コスト、それが複数の金融機関に対して行うわけで、企業にとって借入は膨大なコストをかけているのです。

今後トランザクションバンキングについてはいまは一定の借入限度が数千万円単位ですが、今後拡大されていくでしょう。いまは、借入限度額が少ないので中規模以上の企業にとってはそう大きなシェアにはなっていませんが、その限度額が拡大されていくと、企業にとっては、コストが安く簡便なこちらの方からどんどん調達したくなります。

しかし、トランザクションバンキングは、業績悪化時や多額の設備投資などの資金需要が生じる場合、企業の実態に合わせた返済形式を採用したい場合、などには不向きです。また、業績の一時的な落ち込みにより赤字となっている企業、創業赤字企業などについても同様です。企業が金融機関とコストをかけて付き合っているのは、こういう不測の事態に備えるためにコストを負担しているとの認識が強いと思います。

一方、リレーションシップバンキングといっても、金融機関の審査判断も結局内部格付けによって取引先を区分しており、その判断も結局は過去の決算書の成績が大きなウエイトを占めます。ある程度はやはり、トランザクション的な考え方をとっているのです。
次回では以上を含めて、企業の金融機関の付き合い方を考察していこうと思っています。

って、相当引っ張ってますね。。最長の3回連載ですからね。。

トランザクションバンキング考察~前編

2005-02-28 | 金融
中小企業金融の分野では、メガバンク中心に中小企業向け無担保ローンが盛んに開発されています。

これはトランザクションバンキングの成果ともいうべき動きです。トランザクションバンキングとはリレーションシップバンキングの対極となすべき概念で、決算書等の公開情報のみにより機械的に融資の可否を判断するものです。一方で、リレーションシップバンキングは長期安定取引を志向し、質の高い情報を得、融資判断に活かしていくというものです。トランザクションバンキングではある意味、決算書が判断の全てです。だから、今の売り出し中の無担保ローンでは赤字企業とか債務企業はまず借入することはできません。過去に一定の成績をあげてないと、借り入れできないです。

トランザクションバンキングの融資判断はだれでもできます。高い給料の銀行マンが行う必要はなく、パートさんが基準を満たしている案件のみを事務的に続ければいいことになります。この無担保ローンは融資のファーストフードです。マクドナルドは、一人だけハンバーガーにトマトを特別に入れてくれとかいった注文は受け付けないし、価格は一律だし、人件費はパートで賄い、マニュアルを作成し、、、といった対応になります。トランザクションバンキングは、なるべく多くの融資を集め、それにかかるコストは極小化するというのがこのモデルです。このモデルはメガバンクのような大きなロットで、大きな装置産業(リスク算定など)で威力を発揮し、コストがかからない分、金利の競争力をもってきます。

このトランザクションバンキングの驚異は地方金融機関にとって驚異です。トランザクションバンキングでは、決算の内容のいい企業ほど安い金利で借り入れできますし、非常に簡単な手続ですので、過去の決算書を何期分などの資料を出せばいいだけです。また、地域も将来的には問わなくなると思います。地方金融機関の有力取引先や強みの部分が奪われていくことになります。。
一方、リレーションシップバンキングでは、借入を行おうとすると、決算書についてあれやこれや聞かれ、売り上げの明細とか提出し、、、などの諸手続が必要になります。場合によっては担保をくれとか言われたりするかもしれないし、企業にとっては煩雑です。また、金利決定も相対で非常に曖昧です。それが安いか高いかの判断はわからない。

この状況について、企業はどう対応すべきでしょうか。。

くさいものにはふた主義

2005-02-22 | 金融
金融機関で営業やってたり、窓口でお客さんを受けたときに思うことが、この主義です。

金融機関の人間って基本的に事なかれ主義ですから、お客さんが騒いだりするのが、最もいやがることなのです。例えば、貸出金利の設定は相対交渉で決定されますが、それは、すごくあいまいです。確かに、現在では借り入れる企業の財務状況からリスクを算定し、それを貸出金利に反映するようにつとめていますが、結局その企業との力関係とか過去の経緯から歪められることも多いです。だから、全く同じ内容の企業でも、金融機関担当者と社長とが気があってたら金利が安くなりといった事態も起こりえます。

逆に、金利にうるさい企業や、支店長などにづけづけものを言う企業なんかも、金利は安くなる傾向にあります。冒頭言いましたとおり、事なかれ主義ですから、声の大きい人には弱いのです。つい、借りてる弱みから、また資金回収されるんじゃないかと、金融機関のいいなりになってる人もいますが、それはやめたほうがいいです。あくまで台頭に、付き合った方がいいです。もし、気が弱い人であれば、第三者を応援団につけるのもいいかもしれません。第三者ってもちろん、行政的に力のあるひとです。。それ以上はいいませんが。。

くさいものにはふた主義は、金融機関の不良債権を遅らせた基本的な考え方だと思います。くさったものをそのままにしておいて、また、対処療法的に匂わないようにして、など、抜本的な対策をうつ風土がなかったからです。不良債権処理の進捗は行政がリーダーシップをとったからです。自分のところだけでは進まなかったでしょうね。。金利を下げろと大声で叫ぶ人には、つい、うるさいからだまらすために多少金利をまけてあげる、でも、ほんとはそうじゃなくて、だまらせるよう納得させていかないといけません。「社長のところの財務ではこれが限界です。もし、経営改善の暁には、金利は○%まで下げますから、経営改善がんばってください。それでみんながハッピーになります。経営改善の計画については一緒に作成しましょう、助言しますから。。」というのがほんとのバンカーでしょうね。。

担保主義について

2005-02-04 | 金融
金融機関は、保全ということで融資の際に担保を取ることがまず検討されます。融資するときに担保を取っておかないと、あとで追加担保というのはかなり難しくなるからなのです。融資した企業の業績が計画通り順調であればいいのですが、経営が傾いたときとかにいまの融資の返済が危うくなったとき、金融機関は保全確保を図ります。
企業にとっては、経営が傾いたときこそニューマネー、つまり、新規融資が必要になるのですが、その時ニューマネーがでる金融機関に担保を入れてしまうことが多く、既に融資してしまった金融機関の保全がなされないことになります。こういう経験があるからこそ、融資の際にはまず保全という頭になってしまうんです。。

でも、担当者ベースで言うと、担保を取るのはめんどくさいです。融資の案件がやっととれそうなのに、条件を詰めていく段階で社長とかに担保の話をしなくてはならないのは気が重いし、その話をした途端、「A銀行は無担保といっている。だったら、A銀行で借りる」なんて言われることも多々ありました。企業によっては全く担保を出さない主義のところもあるし、また、担保も包括的な根抵当ではなく、普通抵当に限定させる主義のところもあります。担保を出さない主義のところは、経営にそれなりの自信や裏付け(要は財務内容)がなければ金融機関の方か「じゃ無理ですね」っていわれますが、普通抵当に限定させるのはいい方法だとおもいます。お互いの責任が明確になるからです。担保を出さないといってる訳ではないので、銀行も断りづらいのです。。

少し解説しますが、根抵当だと当該融資以外の融資も担保のカバーの対象となり、その担保を外さない限り、ずっとその金融機関の既得権のようになってしまいます。普通抵当だと当該融資のみが担保カバーの対象となり、返済が進捗していくにつれて担保カバーの債権額も減少していきます。従って、後順位の担保設定余地が増えていくし、金融機関との関係もうやむやにならなくてすむと思うのです。そこが大きいです。いままでの金融機関と企業との関係は、やっぱり優越的地位の濫用まではいかないまでも、ぎりぎりそれに近いものがあったと思うのですが、企業の意識を変え、それなりの経営を行いながら、原則無担保を主張すべきなのですが、設備投資の際には担保を入れざるを得ないのですが、そこは普通抵当でがんばるべきだと思うのです。

間接金融について

2005-01-31 | 金融
銀行の業務って、間接金融で利ざやを稼ぐってのが、いままでの経営スタイルだったんですが、これって今の世の中的にはどうなんだろうって思います。。利ざやはたかだか1~2%程度ですよね。確かにいまの金利水準は低すぎて、それを是正しようと各銀行がんばったけど、結局いい先には貸出競争もあるから、利ざや自体はなかなか拡大しない。

その答えとしての底流としてあるのが、トランザクションバンクって言う考え方です。これは、顧客の財務データをもとに、個別取引毎に採算性をはじきながら融資をしていくという方法です。メガバンクはこの志向を強めると見てます。かつて、小売店の仕入れ担当者はベテランでした。それをセブンイレブンがシステムを構築し、売れ筋、死に筋商品をシステム的に把握、あまり経験していない人がデーターに基づき、仕入れを行えたのと同じような事態が、銀行の融資判断分野でも進んでいくと思います。もう、融資判断は、言うなれば、パートさんやバイトさんが判断し、コストを抑えて、利ざやを稼いでいく方法ですね。。これは規模が大きくなればなるほど、収益が上がります。

そうすると、メガで採算に乗らない分野やイレギュラーな案件などが最終的に残る形となり、ここをメガバンクや一部の地銀以外の金融機関が分け合うようになる。そうすると、この分野はオーダーメイド融資なので、コストはかかるし、将来性の判断(焦げ付き可能性含めて)も困難です。金融庁はリレーションシップといってますが、金融改革プログラムにはそのあたりがどうも、不明瞭です。結構、金融行政の焦点はやっぱり、信組から地銀まで含めたデザインなんですかね。これに今度、政府系の議論も入りますから、ぜひ注視したいです。