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つれづれっと

40を目前に控えた男の、日常徒然雑感です。経済、趣味、特捜最前線の感想をアップしていきます。

トランザクションバンキング考察~前編

2005-02-28 | 金融
中小企業金融の分野では、メガバンク中心に中小企業向け無担保ローンが盛んに開発されています。

これはトランザクションバンキングの成果ともいうべき動きです。トランザクションバンキングとはリレーションシップバンキングの対極となすべき概念で、決算書等の公開情報のみにより機械的に融資の可否を判断するものです。一方で、リレーションシップバンキングは長期安定取引を志向し、質の高い情報を得、融資判断に活かしていくというものです。トランザクションバンキングではある意味、決算書が判断の全てです。だから、今の売り出し中の無担保ローンでは赤字企業とか債務企業はまず借入することはできません。過去に一定の成績をあげてないと、借り入れできないです。

トランザクションバンキングの融資判断はだれでもできます。高い給料の銀行マンが行う必要はなく、パートさんが基準を満たしている案件のみを事務的に続ければいいことになります。この無担保ローンは融資のファーストフードです。マクドナルドは、一人だけハンバーガーにトマトを特別に入れてくれとかいった注文は受け付けないし、価格は一律だし、人件費はパートで賄い、マニュアルを作成し、、、といった対応になります。トランザクションバンキングは、なるべく多くの融資を集め、それにかかるコストは極小化するというのがこのモデルです。このモデルはメガバンクのような大きなロットで、大きな装置産業(リスク算定など)で威力を発揮し、コストがかからない分、金利の競争力をもってきます。

このトランザクションバンキングの驚異は地方金融機関にとって驚異です。トランザクションバンキングでは、決算の内容のいい企業ほど安い金利で借り入れできますし、非常に簡単な手続ですので、過去の決算書を何期分などの資料を出せばいいだけです。また、地域も将来的には問わなくなると思います。地方金融機関の有力取引先や強みの部分が奪われていくことになります。。
一方、リレーションシップバンキングでは、借入を行おうとすると、決算書についてあれやこれや聞かれ、売り上げの明細とか提出し、、、などの諸手続が必要になります。場合によっては担保をくれとか言われたりするかもしれないし、企業にとっては煩雑です。また、金利決定も相対で非常に曖昧です。それが安いか高いかの判断はわからない。

この状況について、企業はどう対応すべきでしょうか。。

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