うきは拾遺集

    野鳥の声に目覚め、筑後川を眺めて暮らす。
   都鄙の風聞、日日の想念、楽興の喜び&九州ひと図鑑。

彼岸花

2016年09月18日 | 随想

 
 玄関前の小さな花壇。雨に濡れた彼岸花です。季節を知る赤花は秋分の日を前に咲きました。山間部の棚田の彼岸花が名物の当地は昨日から「棚田 in うきは彼岸花めぐり」のイベント開催中ですが、あいにくの雨、ささやかな花壇で秋の風情を楽しんでいます。

 決まって彼岸の時期に咲くのでこの名前だそうですが、別名の曼沙華は梵語の赤花の意味で、葉が出ないうちに花を咲かせる「先ず咲き(まんじゅしゃげ)」を仏教の経文と結びつけた、と歳時記の説明にありました。

 
 
 カメラを構えていたら蝶々がひらひらと舞い降りて、曼珠沙華としばらく戯れていました。そのスナップです。田んぼの畔が晴れ舞台なのは、球根の毒性がモグラの棲息を防いで水を貯える畔をしっかり守る役割を果たしているからだそうです。たとえば、菜の花が群生するとします。1年草は地中にたくさんの腐った根を残すのでミミズが増殖し、それを餌にするモグラが集まって穴を掘ると畔を台無しにしてしまいます。逆に彼岸花は球根の毒性がミミズを撃退しモグラを排除するという〝三段論法〟によって畔と菜の花の相性の悪さを、彼岸花との親和性が説明できるというわけです。ここでも先人の知恵を学びました。

 それにしてこの空模様。仲秋の名月は今夜も望めそうにありません。

 

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