折角、
パレスチナ映画を見に来たのに、暗くて暖かくて、眠ってしまいました。私は馬鹿です。やっと覚醒して、今、先生方のお話を伺っています。
映画のタイトル『ウェイティング انتظار』の意味について。
1)家族の離別状態が終わるのを待つ。
1948年イスラエル建国時
アラブ諸国へ非難した者とイスラエル領内に残った者とが離散状態となる。
1967年イスラエルのヨルダン川西岸地区とガザ地区を軍事占領
アラブ諸国へ脱出した者、湾岸産油国への出稼ぎ者が、同地区に帰還できず。
1994年オスロ合意に基づき、パレスチナ自治区が実現
アラブ諸国の難民が滞在国から発給される一時渡航許可証(レセ・パセ)では、
イスラエルの入国ビザを得るのは絶望的 =パレスチナに戻れない。
2)国境検問所で待つ。
難民は無国籍であり、旅券を持たない。持っているのは難民証明書のみ。
1.被占領地出入国時、イスラエル軍検問では敵扱いの取調べを受ける。
2.ヨルダン、シリア、レバノンとの国境の検問は、
アラブ政府とPLOとの関係の良し悪しが影響する。
何時間何日間と待たされ、ときには入国を拒否される。
3.イスラエルが検問を封鎖すれば、行き来は完全に不可能となる。
3)オフィスの前で延々と待つ。
1.難民キャンプから出るときには、外出許可証、
滞在国での就労のためには労働許可証、
出稼ぎ等、外国へ出るためには一時渡航許可証と出入国ビザ
を、所轄官庁事務所に申請せねばならない。
2.UNRWA の食料配給などの際、長蛇の列を作ってを作って何日も並ぶ。
4)セキュリティ・チェックのため裸で取り調べを待つ。
イスラエルがパレスチナ難民を弾圧し、それをアラブが怒っている、という単純な話ではなく、アラブ各国の思惑なども絡んで、一筋縄ではいかない問題なんだということまではわかりました。
明日の『ガーダ ― パレスチナの詩』は、監督さん自ら来学され、お話をしてくださるそうですが、残念ながら、私は授業があって来られません。土曜日の『太陽の男たち』は、前の晩にしっかり睡眠を取って、良く見たいと思います。『太陽の男たち』は、昔、邦訳を読んで暗澹たる気分にさせられた作品ですが、それがどう映像化されているのか、関心があります。土曜日の前に、もう一度、本を読み直そうかな。
なお、この集中講義のコーディネーターをしている研究員さんによると、最近は、国際交流基金の映画祭など、パレスチナ映画を見られる機会は増えているとのことです。またパレスチナ映画ではありませんが、
イスラエル・フランス合作映画や
イラン映画も、是非見に行かなくては!