先週の月曜日(2月27日)に、広島大学の図書館から
4名お客様が来られました
別プロジェクトゆえあまり詳しくないのですが、
武力紛争、武器産業、武器輸出、核不拡散の
国際的枠組みに関する情報などを全てデータベース化して、
外部からも簡単に関連情報の検索&アクセスができる
システムを作っているプロジェクトがうちの研究所にあるんです。
世界銀行や欧州連合など様々な機関からの
出資を受けて活動しているプロジェクトなのですが、
その出資者の中に広島大学も含まれていて、
今回はそのデータベースの日本語の翻訳に取りかかるための
「打ち合わせ」的目的で4人が来られました。
これまでも日本人のお客さんが
ストックホルム国際平和研究所に来る事は何度かあって、
その度に接待で(別プロジェクトであっても)駆り出されていたんですが、
実はそういう機会を狙ってある“企み”を
各訪問者に持ちかけていたんです。。。
それは・・・
うちの研究所の年鑑を
日本語に翻訳するという計画!!!
(以下、うちの研究所をSIPRI(シプリ)と呼びます。
Stockholm International Peace Research Instituteの略です)
私が去年の10月にSIPRIに来た時、地下階の廊下で見つけたのが
SIPRIが創設されて以来毎年発行しているSIPRI年鑑(Yearbook)が
大量におさめられた本棚。。。

2006年の今年はSIPRI創設40周年なので、
過去40年分の年鑑がずら~~~っと
地下のアーカイブに眠っているんです。
「40年の蓄積か~、すごいな~」
と思って見ていたら、
棚の端っこに意外なものを発見!!!







なんと!!!日本語じゃないですか!!!!!!
SIPRIの年鑑って、広辞苑のようにものすご~く分厚いんです。
それを一冊全て日本語訳にするのは
本当に途方もない作業・・・(だと思う
)
調べてみたところ、1980年代後半と1990年代半ばに
日本語訳がちゃんと出ていたようでビックリ!!!
で、それ以来私が胸に秘めてきた企みというのが。。。
SIPRI年鑑の日本語バージョンを
復活させたい!!!


実際の翻訳作業が一体どれだけ大変なものなのか、
一言語の翻訳バージョンを出すのに一体どれだけのお金がかかるのか、
そんな事を知るはずもなく、ただただ突拍子もない思いつきで、
「自分がSIPRIにいる間に日本語バージョンの
復活に向けて何かできないか」
とSIPRI内の色んな人に話をして可能性を探ってきたんですが、
返ってくる返事はいつも「お金を持ってきたらね(If you bring money)」。
ペーペーのインターンの私なんぞに
そんなお金をかき集めることもできないので、
SIPRIに興味を持って来訪される日本からの訪問者に
さりげなく日本語バージョン作成プランの話を持ちかけていたんです
反応はいつもよかったものの、最後には
「いいね~!日本語訳、是非頑張ってね!」
との言葉を言い残して皆去るばかり。。。
「あ~、やっぱり言い出すだけじゃダメよね。
インターンじゃなくて、もっと経験を積んである程度の
肩書きを自分が手に入れてから自ら資金を集めてやるしかないか。。。」
と半ば・・・いや、90%あきらめていたんです・・・が!!!!!!!
そこに救世主現る!!!


それが今回SIPRIに来られた広島大学図書館の方々
4人のうちの一人が図書館の館長さんだったのですが、
なんとこの4月から副学長になられるとのこと!!!
「学長に直接かけあって、予算組むようにしてみるよ」
鶴の一声は偉大なり(笑)
その後話はトントン拍子に進んで、
今日は私がSIPRIの編集長と話をして、
翻訳に関わる大まかな条件等について軽く交渉、
近々広島大学とSIPRI間で具体的な交渉が始まりそうなんです!


私自身、どういう形でその翻訳プロジェクトに関われるのかわかりませんが、
自分が所属するプロジェクトのチャプターだったら翻訳はできるだろうし、
翻訳に関わらないでも、プロジェクトのコーディネーターとしてでも
できる仕事はきっとあるだろうし、とにかく本当に作業が始まったら
日本語バージョン作成のために自分にできる事は何でもしようと考えています!
ここまで日本語バージョン作成にこだわる理由。
それは、一日本人として学問における“言語”の壁の厚さを
これでもかというくらいよく理解しているから、です。
自分が勉強してきた分野に限って言えば、
平和研究や紛争予防問題に関する書物、論文、情報は全て英語。
もともとこの分野に長けた学者や専門家が日本には本当に少なくて、
役に立つ文献を書ける人が日本にいない=日本語での情報入手は困難な状況
(もちろんこの分野において意義ある本を出してる人はいるけど、
日本の学問全体に言える傾向としてどれも理論の話ばかり。
平和研究において今最も必要なのは理論より実践可能な“戦略”であり、
そういう戦略を提言できる学者や専門家は
残念ながら日本には少ない・・・というか皆無?
)
運良く英語が操れる人ならいいけど、
現実にそれができる人はやはり少ないのが現状で、
自分の学生時代を振り返ってみても、
日本語での文献が少ないゆえ英語の文献や資料に頼ろうとしても、
いざ英語で読むとなるとどうしてもその作業を
敬遠してしまって読まずじまい・・・ということばかりでした
学習や研究する場において、自分の知識の向上のために
意義ある読み物が目の前にあるのに、言語が障壁となって
それを使いこなす事ができないというのは悲しい事。
実際にSIPRIに来られた日本人の中にも、
英語で文献を読むことに自信のない人が
「SIPRI年鑑、日本語で読めたらすごく役に立つのにな~」
と言う人がいて、
「やっぱりSIPRI年鑑を日本の学生や日本人研究者に
広く読んでもらうためには日本語にしないと!」
との思いを強くしていたんです
軍備・軍縮問題、武力紛争解決、核不拡散問題等について
日本でこれから勉強したいと思っている人達、
そして(自分も含め)既にその分野の研究に携わっている人達に
最新の、そして役立つ情報と知識を広く提供するために
SIPRI年鑑日本語版の作成、頑張りたいと思います!!!
4名お客様が来られました

別プロジェクトゆえあまり詳しくないのですが、
武力紛争、武器産業、武器輸出、核不拡散の
国際的枠組みに関する情報などを全てデータベース化して、
外部からも簡単に関連情報の検索&アクセスができる
システムを作っているプロジェクトがうちの研究所にあるんです。
世界銀行や欧州連合など様々な機関からの
出資を受けて活動しているプロジェクトなのですが、
その出資者の中に広島大学も含まれていて、
今回はそのデータベースの日本語の翻訳に取りかかるための
「打ち合わせ」的目的で4人が来られました。
これまでも日本人のお客さんが
ストックホルム国際平和研究所に来る事は何度かあって、
その度に接待で(別プロジェクトであっても)駆り出されていたんですが、
実はそういう機会を狙ってある“企み”を
各訪問者に持ちかけていたんです。。。

それは・・・
うちの研究所の年鑑を
日本語に翻訳するという計画!!!
(以下、うちの研究所をSIPRI(シプリ)と呼びます。
Stockholm International Peace Research Instituteの略です)
私が去年の10月にSIPRIに来た時、地下階の廊下で見つけたのが
SIPRIが創設されて以来毎年発行しているSIPRI年鑑(Yearbook)が
大量におさめられた本棚。。。

2006年の今年はSIPRI創設40周年なので、
過去40年分の年鑑がずら~~~っと
地下のアーカイブに眠っているんです。
「40年の蓄積か~、すごいな~」
と思って見ていたら、
棚の端っこに意外なものを発見!!!








なんと!!!日本語じゃないですか!!!!!!

SIPRIの年鑑って、広辞苑のようにものすご~く分厚いんです。
それを一冊全て日本語訳にするのは
本当に途方もない作業・・・(だと思う


調べてみたところ、1980年代後半と1990年代半ばに
日本語訳がちゃんと出ていたようでビックリ!!!

で、それ以来私が胸に秘めてきた企みというのが。。。
SIPRI年鑑の日本語バージョンを
復活させたい!!!



実際の翻訳作業が一体どれだけ大変なものなのか、
一言語の翻訳バージョンを出すのに一体どれだけのお金がかかるのか、
そんな事を知るはずもなく、ただただ突拍子もない思いつきで、
「自分がSIPRIにいる間に日本語バージョンの
復活に向けて何かできないか」
とSIPRI内の色んな人に話をして可能性を探ってきたんですが、
返ってくる返事はいつも「お金を持ってきたらね(If you bring money)」。

ペーペーのインターンの私なんぞに
そんなお金をかき集めることもできないので、
SIPRIに興味を持って来訪される日本からの訪問者に
さりげなく日本語バージョン作成プランの話を持ちかけていたんです

反応はいつもよかったものの、最後には
「いいね~!日本語訳、是非頑張ってね!」
との言葉を言い残して皆去るばかり。。。

「あ~、やっぱり言い出すだけじゃダメよね。
インターンじゃなくて、もっと経験を積んである程度の
肩書きを自分が手に入れてから自ら資金を集めてやるしかないか。。。」
と半ば・・・いや、90%あきらめていたんです・・・が!!!!!!!
そこに救世主現る!!!



それが今回SIPRIに来られた広島大学図書館の方々

4人のうちの一人が図書館の館長さんだったのですが、
なんとこの4月から副学長になられるとのこと!!!

「学長に直接かけあって、予算組むようにしてみるよ」
鶴の一声は偉大なり(笑)
その後話はトントン拍子に進んで、
今日は私がSIPRIの編集長と話をして、
翻訳に関わる大まかな条件等について軽く交渉、
近々広島大学とSIPRI間で具体的な交渉が始まりそうなんです!



私自身、どういう形でその翻訳プロジェクトに関われるのかわかりませんが、
自分が所属するプロジェクトのチャプターだったら翻訳はできるだろうし、
翻訳に関わらないでも、プロジェクトのコーディネーターとしてでも
できる仕事はきっとあるだろうし、とにかく本当に作業が始まったら
日本語バージョン作成のために自分にできる事は何でもしようと考えています!

ここまで日本語バージョン作成にこだわる理由。
それは、一日本人として学問における“言語”の壁の厚さを
これでもかというくらいよく理解しているから、です。
自分が勉強してきた分野に限って言えば、
平和研究や紛争予防問題に関する書物、論文、情報は全て英語。
もともとこの分野に長けた学者や専門家が日本には本当に少なくて、
役に立つ文献を書ける人が日本にいない=日本語での情報入手は困難な状況

(もちろんこの分野において意義ある本を出してる人はいるけど、
日本の学問全体に言える傾向としてどれも理論の話ばかり。
平和研究において今最も必要なのは理論より実践可能な“戦略”であり、
そういう戦略を提言できる学者や専門家は
残念ながら日本には少ない・・・というか皆無?

運良く英語が操れる人ならいいけど、
現実にそれができる人はやはり少ないのが現状で、
自分の学生時代を振り返ってみても、
日本語での文献が少ないゆえ英語の文献や資料に頼ろうとしても、
いざ英語で読むとなるとどうしてもその作業を
敬遠してしまって読まずじまい・・・ということばかりでした

学習や研究する場において、自分の知識の向上のために
意義ある読み物が目の前にあるのに、言語が障壁となって
それを使いこなす事ができないというのは悲しい事。
実際にSIPRIに来られた日本人の中にも、
英語で文献を読むことに自信のない人が
「SIPRI年鑑、日本語で読めたらすごく役に立つのにな~」
と言う人がいて、
「やっぱりSIPRI年鑑を日本の学生や日本人研究者に
広く読んでもらうためには日本語にしないと!」
との思いを強くしていたんです

軍備・軍縮問題、武力紛争解決、核不拡散問題等について
日本でこれから勉強したいと思っている人達、
そして(自分も含め)既にその分野の研究に携わっている人達に
最新の、そして役立つ情報と知識を広く提供するために
SIPRI年鑑日本語版の作成、頑張りたいと思います!!!
