ファルファーレのお部屋にようこそ!

「人間の声」パリ-マルセイユ

練習番号29番
Je ne sais pas encore... Oui ...peut-être... Oh ! non, sûrement pas tout de suite, et toi ?
... Demain ?... Je ne savais pas que c’était si rapide...
まだわからないわ
ええ、もしかしたら
ううん、そんなにすぐじゃないけど、あなたは?
明日?
そんなに早いって知らなかった



一体何のことを話しているのでしょう?
明日 彼が2人の共有している何かを必要としているようですが...
その後、明日お手紙を引き取りたいと言われ執事のジョゼフにとりにこさせる
お手紙の準備はもう出来ていると最初に話しているのでお手紙の件ではなさそう。

オペラではカットされているセリフ
Quels gants ?... Tes gants fourrés, les gants que tu avais pour conduire la voiture ? ... Je ne sais pas. Je n’ai rien vu. C’est possible. Je vais voir...
中略
Si par hasard on les retrouve demain matin, je les ferai mettre en bas avec le sac...
どの手袋?
あなたの革の、車 運転するときしてた手袋ね。
知らない
何も見てないけど。かもね。見てみる...
(中略)
もしも 明日朝見つかったら あのカバンと一緒に下に(管理人の所に)置いとくわ。



これは運転用の手袋を明日にでも必要な彼、
(実は彼女、見つからないフリをして彼の手袋を抱きしめながらお電話しています)
内容から推察すると冒頭は「車」について話していたのでしょう。



フランスはヨーロッパの中でもわりと女性の社会進出が比較的遅かった国ですが、
「人間の声」発表の1930年ごろは運転免許を持つ女性もかなり増えていた様で
「ある女性」も運転免許保持者である事が中盤以降に描かれています。



練習番号83番
Pense que j’ai déchiré tout le paquet de mes photographies et l’enveloppe du photographe d’un seul coup, sans m’en apercevoir.
Même pour un homme ce serait un tour de force... Celles pour le permis... Quoi ?... Non, puisque je n’ai plus besoin de permis... Ce n’est pas une perte. J’étais affreuse... Jamais ! J’ai eu la chance de te rencontrer en voyageant. Maintenant, si je voyageais, je pourrais avoir la malchance de te rencontrer...
私、無意識で自分の写真の束 とあのカメラマンの封筒 びりっびりに破いたのよ
男の人でも結構力いるんじゃない
免許証用の写真
何て?
だってもう免許なんか必要ないし
(以下 オペラではカットされているセリフ)
移動中にあなたに出会えるチャンスがあったけど
今はあなたに出会ってしまう不運があるかもしれないのよ


permis 直訳すると許可書、免許証
日本人も運転免許証の事を 「免許証」と言うのと同じ。
正式には permis de conduire ペrミ ド コンデュイーr


そして車に乗って彼はどこへ行くのでしょう?



練習番号103番
À Marseille ?...
Écoute, chéri, puisque vous serez à Marseille après-demain soir, je voudrais... enfin j’aimerais...j’aimerais que tu ne descendes pas à l’hôtel où nous descendons d’habitude...
マルセイユへ?
ねえ シェリ
明後日の夜 あなた達 マルセイユへ行くなら
お願いなんだけど
つまり お願い...
あのホテルには行かないで欲しいの
私達がいつも行く...




グリザイユ曇り空で陰気なパリとはまるで真逆
太陽の国🌞マルセイユ

皮肉なコントラストで更に彼女を闇のドン底へ落とし込んでいる印象...
😿





冒頭で「明日(車がいる)」と言っていたのに
マルセイユ着は明後日?

パリからマルセイユまで778キロ、Googleで調べたら車で7時間
ちなみに当時のフランスは既に各都市間が素晴らしい交通網で結ばれていて
ミシュランの道路地図とガイドブックも市販されていました。ドライバー必携。
とはいえ1930年ごろの車はそんなにスピードも出なかったはず。
パリをお昼に出てリヨンで1泊、リヨンは美味しいレストランもあるし。
次の日の夕方にマルセイユに着くぐらいだったんじゃないかな?
と勝手な旅行スケジュールを妄想。


また、パリから南へ下る国道は「太陽の道」と呼ばれて夏季のヴァカンスシーズンはたくさん荷物を積んだ車が往来していた様です。

「Elle」と「Lui」いつもヴァカンスはマルセイユのホテルで過ごしていた様ですが、
南フランスのホテルでヴァカンスを過ごすなんてパリジャンの憧れ。
ヴァカンス開けは南フランス訛りのお喋りで太陽の香りをプンプンさせていた事でしょう。



またマルセイユに行きたいなぁ🌞
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