イギリス、フランスではこのところコロナウイルスの新規感染者が大幅に増大しており、再度行動規制の強化に踏み切らざるを得ない状況に追い込まれている。行動規制を実効あるものにするためには、違反者に対しての罰則が伴っていなければならない。マスクの不着用についてもそれぞれに罰則(罰金および場合によっては逮捕・勾留も)がある。
明日14日から、これまでの最大集合人数上限が30人から6人へと大幅に引き下げられるイギリスで、規則違反の十代の男に対し、コロナウイルス拡大防止法違反の罪で1万ポンド(約140万円)の罰金が科された、という記事がイギリス紙インデペンデントに載っていた。
イングランド中部のノッティンガムで、自宅に(30人の規則を大幅に上回る)50人の客を招いてホームパーティを開いた19歳の男に対して、ノッティンガム州警察が11日に科したもの。近所の住民がその日の午後10時20分、パーティが開かれていることを警察に通報、最初に対応した州の担当者に対して主催者の男は敵対的な言動を繰り返し、遂に警察が警官多数を派遣する事態に発展した。
警察の責任者は、このパーティが明らかに法を欺くものであり、他人のことを考慮しない集会に対しては警察のすべての力で対処する必要があった。そして現在の法律に基づく罰金の上限である1万ポンドを科すことにした。まさに集合人数の制限が6人に引き下げられる直前に、意図的に他人を危険を晒すような違反に対しては妥協することなく厳正に臨む、と言う声明を発表。
なお、今回のような1万ポンドの罰金の例としては、ロンドンでマスク着用反対のデモを指揮した、前労働党党首ジェレミー・コービンの兄、ピアーズ・コービンに対してなされたものがある。また、マスクの着用を拒否して一日に2度罰金が科された女の例もあるという。
日頃は人権や自由を最大限尊重するイギリスでもコロナに関しては厳しい罰則が受け入れられていることは、それだけこのパンデミックが深刻なことを物語っている。飛行機に搭乗する時にマスクの着用を拒み周囲の人々を感染の危険にさらす人間に対して同情的な論調の日本とは大いに異なる。
首相官邸前で、都市封鎖やマスク着用に抗議する女性とデモ隊。誰もマスクを着用していないし、ソーシャルデスタンシングも維持されていない。こういうことでは、コロナウイルスの感染拡大も当然か・・・(インデペンデント紙8月29日)