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回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

ラデツキー行進曲

2015年03月03日 16時01分37秒 | 日記

ウィーンフィルによる恒例のニューイヤーコンサートの最後に演奏されるのが1848年、北部イタリアの反乱軍を鎮圧したハプスブルグ帝国の智将ラデツキーをたたえるヨハン・シュトラウス作曲の「ラデツキー行進曲」。この行進曲に着想を得て、ハプスブルグ家の終焉を描いたのがヨーゼフ・ロートの「ラデツキー行進曲」。

岩波文庫(平田達治訳)で2014年8月に刊行されたものだが、今でも初版本を売っていた。1932年、ナチスが台頭しつつあったベルリンで書かれたこの長編小説は、多民族、多文化のハプスブルグ家が歴史的な使命を終えて崩壊してゆくさまを描いているもので、歴史小説と言ってもよいものだが、一方では、ハプスブルグ帝国のような多様性が共産主義や民族主義のような単一かつ非寛容な潮流に翻弄されてゆくということでは、イスラムをめぐって揺れ動く現在の世界情勢と照らし合わせても興味深い作品だ。また、この小説からは対象としている期間(1866年ー1916年)のオーストリー・ハンガリー二重帝国の習俗もよくうかがうことができるのもこの本の魅力。

この小説はドイツ語で書かれたものであるが、平田氏の翻訳は論理的でわかりやすいのみならず、抒情的な描写がまるで三島由紀夫なみに巧みに表現されていて味わいがある。翻訳ではあるが、日本文学としても十分通用する、小説家としての実力が発揮されている名著だと思う。

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大動脈解離からの恢復

2015年03月03日 15時50分38秒 | 日記

先月中旬入院中の恩師のお見舞いにかつての学友とともに行ってきたのだが、その後も順調に推移して予定通り下旬に退院、自宅療養を始めたとの連絡があった。緊急入院から5か月、一時はかなり重篤な大動脈解離と言われ面会謝絶でもあったので心配したが手術が成功し退院となってほっとしている。いずれ快癒したら、学友と語らって恩師を囲む会でも企画しようと思っている。

再生医療華やかなこの頃で、将来はこういった毀損した血管も再生できるようになるのだろうか。あるいは、今回は患部に人工血管を挿入したようだが、こういった人工臓器の素材も進歩しているのだろう。

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