無理をすれば徒歩でも行けるが、今日は風が冷たいのとまだところどころ雪も残っていて足元が悪いことからバスで吉祥寺へ。天候のせいか、普段の休日よりも人出が少ない感じだった。これは長引く日本の景気停滞のせいなのか、そうだとすれば、このところの株高や、さらには土地価格の復調によっては先々人通りも増えてくるのか。
最近、東京ではそこかしこに新しい大規模なショッピングセンターが続々開業しているのに対して、吉祥寺は大型の店や地下街も無く、せいぜい古いアーケード街があるのみ。にもかかわらず、住みたい町のランキングではいつもトップクラスにランクされている。思うに、人は必ずしも新しいもの、大きなものにのみ魅かれるわけではなさそうだ。むしろ、いくらか不便だったり、季節の厳しさを感じることも求めるのではないか。そういう場所では、快適なだけの場所よりも、おのずから人との関係が緊密になるのかもしれない。家族や若い二人連れが行きかうのを見ていると、あまり気を張らずに時間を過ごせる場所が、実は東京にはあまり無いのではないかと思う。
オーストラリアでは猛暑が続いているが、北半球では今年の冬は厳しそうだ。人為的な温室効果ガスの排出と、自然の気象変動と、どちらがどのように作用するのか、いまだにまったく不明である。大寒の日の冷たい風に吹かれながらの思考はまことに取り留めない。