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小学校学級経営論

2006-07-13 15:01:54 | Weblog
小学校学級経営論

目次

小学生の「自我」や、「生きる力」の形成には教師の存在が不可欠であり、今日の小学生が荒れているのは教師の学級経営が上手く昨日機能していないからだと私は考える。そこで私は自分なりに学級内で起きている様々な問題に対して教師がどうアプローチし、どう子どもと接していくべきなのかを考えてみたい。そして教師として理想の学級経営とは何なのかを考えてみたい。
本文の内容一部

現在私たちの国では中学生をめぐって、非行や校内暴力などの問題が大きな社会的話題となっている。それは教育に留まらず、社会そのものの在り方にも関わる危機的状況である。しかしこの状況というのは、ただ中学生の問題行動として終わらせていいものなのだろうか。
私は中学生に起こっている問題の萌芽が、多くは小学生の時代から起こっていると考えている。いじめなどの精神的・肉体的暴力や、登校拒否などの問題は小学校高学年の段階で、すでに顕在化している。小学校の低学年から中学年までは何とか指導出来ていたが、高学年になると今まで行ってきた指導に全く効果がない。そのため子どもの心がなかなかつかめずに、子どもに対し、どう働きかければよいのか分からなくなっている教師も少なくない。そのため、教師の対応が邪険になり、問題の発端になったり、増大の引き金になったりすることもある。
現代の子どもというのは、ひどく大人びた口を聞くかと思えば、すぐにべたべた甘えたり、衝動的になるといったような幼児性を極端に残していたり、ひどく明るくて素直だが、何かに熱中したり、集中したりすることが出来ず、忍耐力が身に付かないまま育ってきたりしている。また、非常におとなしくて一般的にはいい子に見えていた小学生が、突然登校拒否や家庭内暴力に訴えるということがしばしば起こっている。このような事態は、子どもの発達段階において外面と内面のズレが顕著に起こっているため、外見では判断出来ないような、するどい内面の矛盾を子どもが抱えており、爆発的に外に表面化しているということ意味している。
このように、子どもへの働きかけが上手くいかないといった事態の根底にあるのは、上記のような子どもの増加が引き金になっていると私は考える。そのために、教師が「いじめ」や「登校拒否」に走る子どもの暴走を止めるためには、もっと子どもの内面に立ち入って、彼らの発達の現実を見つめていかなければならないのではないだろうか。
また、私は小学生の持つ「子どもらしさ」というものを教師自身が、理解する必要性があると考える。小学生の「子どもらしさ」の特徴は、遊びや学習を通しての「能動性」・「活動性」にある。
子どもは、小学校に入学する頃から次第に幼年期から抜け出し、身体の面でも心の面でもしっかりしてくる。系統的な学習を通して知的に探究できるようになり、人々や物事を多角的に見る社会性を身に付けていく。さらに小学校の中学年にもなると、いわゆる「ギャング・エイジ」と呼ばれる時期に入り、同年齢の仲間たちと遊びなどを通して自発的交流を行い、一定の目的にしたがって、物事を集団でやり遂げようとするようになる。
このように、小学生が示す「能動性」・「活動性」は身体や知的好奇心の面だけでなく、感情の面や社会性の面でも、これまで独自の「子どもらしさ」の性格を、歴史的・社会的に作り出してきた。ところが現在では、かつての「子どもらしさ」を作り上げてきた歴史的・社会的条件が大きく変化してきているために、「子どもらしさ」の在り方が変化してきているのではないだろうか。少年期における「子どもらしさ」は勝手に作り上げられるものではなく、長い間の歴史的・社会的条件があり、その条件が変化するにつれて、その中身も変化していく。新しい生活条件が生み出されれば、「能動性」・「活動性」の新しい質が生まれてくるのも当然であり、それは少年期の「自我」の形成にも、「生きる力」の形成にも大きな影響を与えると考える。
参考文献

稲村 博・小川 棲之 『学校ぎらい』 井立出版 1981年
氏原 寛  『子どもの心―カウンセラーからの提言』 創元社 1996年
鎌田 慧  『いじめ社会の子どもたち』 講談社 1998年
黒岩 祐治 『恩師の条件―あなたは「恩師」と呼ばれる自信がありますか?』 リヨン社 2005年
小林 正幸 『不登校児の理解と援助―問題解決と予防のコツ』 金剛出版 2003年
坂本 忠芳 『小学生の心とからだ』 岩波書店 1984年
高垣 忠一郎 『生きることと自己肯定感』 新日本出版社 2004年
塚原 正彦 『教育で「いじめ」はなくなるか』 教育開発研究所 1995年
長田 久男 『小学校授業論』 和泉書院 1991年
西村 和雄 『もうやめろ!ゆとり教育』 日本評論社 2003年
増井 武士 『不登校児から見た世界―共に歩む人々のために』 有斐閣 2002年
森田 洋司・清永 賢二 『いじめ―教室の病い』 金子書房 1994年
吉岡 泰生 『小学生の不登校はこうしてなおす』 講談社出版サービスセンター 2003年
和田 秀樹 『学力崩壊―「ゆとり教育」が子どもをダメにする』 PHP研究所 1999年
和田 秀樹 『「ゆとり教育」から子どもをどう守るか』 講談社 2002年
資料に関する案内

大学の卒業論文として提出したものです。
キーワード

小学校, 学級経営論, いじめ, 教育方法論