9年近い、北海道での馬との暮らしは、道内居住されているサポーターさんや支援者さんなくしてはなりたちませんでした。
スピ&プーだけの事ではありません。私が急遽ひきとることになったポーちゃんについても、不運に次ぐ不運の歴史があり、道内居住のサポーターさん達の協力無しには乗り越えることができませんでした。
右前靭帯を繰り返し傷めたことが原因か、左前蹄に異常がみられました。ただ、レントゲンをとっても、装蹄師さんが削っても、異常はみつかりません。おそらく、右前をかばい、左前に過剰に荷重した結果、蹄が大きく広がってしまい、不同蹄になったものと思われました。
しかし、それも半年~一年休ませればなんとかなるだろうとの判断と、荒木牧場さんが、「4月までなら引き受けられる」ということでしたので2018年7月末にひきとりました。4月にはすっきりするだろうと軽く考えていました。
その間に、去勢手術、歯ヤスリ、レントゲン、エコー検査などを行い、2019年4月末に移動しました。騎乗という重力負荷をかけずに、ヒトとの関わりを学ぶための判断でした。
しかしそこで不幸が続きました。ハコウをし、検査しても原因がつかめず、「こんな馬にいつまで金つかうんですか?」とまで言われ、おまけに大けがを負わされました。
その施設の放牧地までの道がゴロゴロ石だらけで、冬季凍結は危険とのことで、もはやリハビリが進まないと判断して、冬を前に移動。
移動後、新しい施設からは「乗馬にするのに問題ない」との判断で協会に譲渡した時には、ひきとってから19か月を経過していました。時間も予算も大幅にオーバーしてしまいました。
日中、馬の世話で長時間家を空けられない自分に代わり、ポーちゃんの様子を見に通って下さったのも道内居住のサポーターさん達でした!
そこでも不幸が起こりました。検査のために呼べる獣医が「いない」とのこと。ポーちゃんは、足元のチェックをしながらリハビリすることが必須でしたので、やきもきしましたが、協会が再度移動して下さり、完全休養となりました。
休養中の牧場では、新人スタッフさんに裏堀を教えるモデルホースだったそうです。みんなにかわいがられたのですよ。
休養明け、十分元気になったとの判断で早来に移動し、そこで新しいオーナーさんとの出会いがあり、それはポーちゃんにとって、理想的な出会いだったと思います。
何度も怒り、悲しみ、茫然自失を経験しましたが、すべてはこの出会いのためだったのですね。
ケアが難しいポーちゃんを、その問題を知りながら迎えて下さったオーナーさんには心から感謝を申し上げたいと思います。
プーちゃんがメラノーマで生死をさまよった後、見事に復活した時にも感じたことですが、 諦めちゃいけない!ということ。
ポーちゃんは、うちの愛犬と誕生日が同じ。4才のお子ちゃまでひきとったわけですが、8才の青年になりました。そんなポーちゃんに北海道在住のサポーターさんが会って来て写真と動画を送ってくださいました♡
元気そうな顔を見て、もうこの手で撫でてあげられないことはとても寂しいことだし、私のことなどすっかり忘れているでしょう。それも寂しいな。でも、何よりもポーちゃんがAgainst All Oddsで、素晴らしい出会いをつかんだのだから、涙はうれし涙に変わります。
いつか会える時が来たら、また、ポーちゃん!と呼ぶから、覚えていてほしい。いつまでも、君は私達のかわいい、かわいいポーちゃんなのですから!
※1歳の時から育成施設に通い、母馬の名前から、ポーちゃんと呼んでいました。その後競走馬名がつきましたが、私や私とポーちゃんを助けてくれた仲間たちは、ポーちゃんと呼んでいました。その名前を忘れないでいて欲しい。。。