二頭のサラブレッドの幸福を願い奮闘する日々

スピ君とプーちゃんの様子について、またウマを取り巻く環境、時事問題などもつぶやいています。
#引退馬

【公開】年々危険が増す放牧地

2021-01-31 21:29:16 | 公開日記
今年の馬産地の冬ですが、最初はよかったんですよ。

例年のように、大雨の後にがっつり冷える、ではなく、
雨がなく、雪が降りましたので、土が凍結せず、積雪となりました。そのため外気温が低くても、土が凍結していないため暖かく感じていました。

雨が多いと、地中深くまで水分を多量に含んでいるため、その後の低温で、地中深くまで凍結します。こういう地面の上に立つと、足元からしんしんと冷えてしまいます。

この冬は雨がなく雪になったため、「過ごしやすいじゃん!」と喜んでいました。

しかしその後、強風、降雪、低温、晴天、高温、雨、降雪、降雪となりました。そのため、土の表面がひどく凍結し、例年以上に「つるつる」のスケートリンク状態となりました。

昨シーズンまで我が家の放牧地では、だいたい、11月になると、厩舎を出たすぐの所に、直径8メートルぐらいの寝藁土俵を作っていました。

雪が無い時はこんな感じ。

雪が積もるとこんな感じ。寝藁土俵の所は、雪が下に落ちやすく、草がクッションとなります。

寝藁の熱で雪も解けやすいですし、馬にとっては、安全地帯の役目を果たします。


溶けたり、凍ったりを繰り返すと、プーちゃんの蹄が悪くなるので、毎日、手作りブーツを履かせていました。これには、新生児用のおむつとヴェトラップにダクトテープを使います。とても丈夫で、まる一日、しっかり保護してくれます。



地面が凍結していても、ここだけはあったかいよぉー!

また、寝藁土俵から、馬が歩く道に寝藁をまき歩道を作ります。寝藁ロードと呼んでいました。




寝藁ロードの所は、馬が走ったりするため、土がどんどんえぐれてしまう所でもありますので、冬が来る前にしっかりと寝藁をすきこむことで、土に返った時に、地面が平になりますから「いい事づくめ」です。

この寝藁ロードは、比較的汚れていないけれど廃棄対象となる寝藁を、一輪車で運んでは並べるを延々と繰り返し、放牧地を一周します。馬場の前を横断することも大事。たくさんの汗と涙と笑いの想い出が蘇って来ます。


冬の馬達は、まずは厩舎から一歩出て、寝藁土俵の上でゴロゴロ。その後、寝藁ロードの上を歩く、走るなどして奥まで行き、草を探して歩き回ります。放牧地の奥の方は土にでこぼこがないので、比較的安全なので、馬達もよくわかっていますよ。

馬産地でそんなことをしている人は他にはいないでしょう。プロの方たちの放牧地は広大だし、馬の頭数は多い。重機で砂をまいたり、凍結がひどい所を柵で囲うなど、大変だろうなぁ、と思います。。


今日、マイネルダビテの訃報が届き、サポーターさんから「寝藁ロードと寝藁土俵の意味がよくわかりました」と言って頂きました。苦労が報われた思いです。

サポーターさんは、冬に来られると、せっせと寝藁を運んでくださいました。春と秋は堆肥を運んでくださいました。

何の得にもならないのに。

でも、馬の命を守り
馬達が食べる草を育てて下さっていたのですよ。

ご自分達が流した汗、作業の後の笑い話が、馬達を健康に、生かしていたということを、どうか誇りに思って下さい。

今日の山梨は快晴ですが、風が強いのでしょう。ウインドブレーカーを着ています。

プーちゃんの表情が、「新しい環境を受け入れた」ように見えますよ。高齢での長距離輸送に耐え、新しい住環境を受け入れ始めたプーちゃんは、ファイターですね!

引き続き応援頂ければ幸いです。

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