歌手中村美律子といえば「河内おとこ節」しか知らないし、歌えない。
今の世の歌のようですね。
多様性の時代に多様な恋を歌う 中村美律子、79枚目シングル「人それぞれに」 故・石本美由起さん作詞
演歌歌手の中村美律子が、79枚目のシングル「人それぞれに」を発売した。自身のヒット曲「河内おとこ節」と同じ石本美由起さん=2009年死去=が作詞、岡千秋が作曲し、22年前のアルバムに収めたものをセルフカバーした。女たちにも男たちにも、それぞれ悲しい恋があるとの内容で、中村は「多様性が大事といわれる今の時代にぴったりかな」と受け止める。
再録音したのは、岡が時折「あの歌はいい歌だった」「聴くと涙が出るんだよ」と話していたのがきっかけ。あらためて聴き直し「いい歌だと思った。最近(の自分の曲)は夫婦(めおと)歌が多く、ちょっと、のほほんとした歌ばかりで、刺激を受けた」と振り返る。
演歌は一つの曲で一人のことを描くことが多い。ただ、この曲は「こういう人もいるけれど、それもこう、あれもそう、と諭されているみたい」。石本さんは生涯で3500以上もの歌詞を手がけた。「以前書いた曲を思い返し、書いたのかも」と思いをはせる。「石本先生はシングルになるとは思っていなかったはず。生きていたら、喜ぶでしょう」とも考える。
作詞に関しては、ゴルフを通じて交流した上岡龍太郎さん=昨年5月死去=がペンネームで中村の曲の詞を書いたことも明かした。15年に知人を介して託された歌詞に、中村が曲をつけた「美律子の河内音頭~酒飲め音頭」だ。
「名前を出さないで」と熱望した上岡さんの作詞名は「三池嵐次郎」。芸術家・ミケランジェロをもじった。「才能にあふれた人だった」と惜しんだ。
先月死去した作曲家キダ・タローさんの曲「人情縄のれん」も歌った。中村は盲導犬育成支援のゴルフコンペを開いており、「キダ先生はご夫婦で参加していた」と振り返った。
「人それぞれに」のシングルCDには、岡が作曲の「女の情話」も収録。発売元はキングレコード。1500円。
でした。
西 逈さんのコメントです。
《当て字の名前 (西 逈)
上岡龍太郎さんの作詞家の名前が「三池嵐次郎」、ミケランジェロとは。私の親しかった作家の別名が「片里鑑」、ヘンリー・ミラーだった。作家の「半村良」、これは半村さんがイイデス・ハンソンさんのファンであったことから。じゃ「紅良男」は? ベニー・グッドマン。?消は‥‥、アランドロン。挿絵画家でも、他誌に代筆を頼まれた時には、ペンネームを使うことがある。しかし、これは筆のタッチから、見る人が見れば、すぐに見破ることができた。ついでながら、英語で「モンキータクシー」という歌は? 「お猿のかごや」。「ハーレム・キャッスル・ムーン」は、「荒城の月」。》