伊藤美樹絵「初夏秋冬を楽しむ くらし歳時記」成美堂出版より
《露・白露・朝露・初露・露の秋》の俳句
・白露や茨の刺に一つづつ 蕪村
・草刈や火を打ちこぼす露の原 一茶
・芋の露連山影を正うす 蛇笏
《芒・尾花・薄》の俳句
・君が手もまじるなるべし花薄 去来
・山は暮れて野に黄昏の芒かな 蕪村
・この道の富士になりゆく芒かな 碧梧桐
《秋の雨・秋霖・秋黴雨あきついり》の俳句
・果もなく瀬の鳴る音や秋黴雨 史邦
・秋雨や水底の草を踏渡る 蕪村
・秋雨や夕餉の箸の手くらがり 荷風
横田正知編「写真 俳句歳時記 秋」現代教養文庫より
谷口 幸璽さんのコメントです。
《すすき‥‥の (谷口幸璽)
「すすきの」と云えば、今や日本三大歓楽街の一つ。父が若い頃、薄野の土地を買わないかと誘われたそうで「買っときゃよかった」と、悔しがっていました。本願寺の札幌別院があり、「薄野別院」と呼ばれていました。現在「東京新聞」に「札幌誕生」という小説が連載されています。我が故郷のことですから、興味深く読んでいます。尚、我が祖父の故郷は、石川県です。明治の末期、連絡船に揺られ揺られて、津軽海峡を渡ったのでしょう‥‥。》