「うえまち」という地域情報誌からです。(少し間隔を縮めてご紹介します)
第15檻 上方落語『猿後家』 2016年1月号
発達した大脳を持つ ・ さる
商家の後家(ごけ・未亡人)の顔が猿にそっくりなため、周りの者は「さる」という言葉を禁句にしていた。この家に出入りしている調子のいい男は、後家にうまく取り入って金品をせしめていた。ある日、奈良見物から帰り、名所の説明をしているうちに、つい「猿沢の池が…」と口走ってしまい、後家の怒りを買う。しかし、「いや、『寒そうの池』と申したので」とごまかしてなんとか許されたのだが、さらに後家が絶世の美女にそっくりだとやって大失敗をやらかす。「ご寮人(ごりょん)はんは、唐の玄宗皇帝の想い者『楊貴妃(よう狒狒)』に似てはります」
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狒狒は、アフリカにすむ大型の尾長猿のことで、猿を指す言葉は他にも、えて・えて公・ましら・えんこう・やえん・しょうじょう・モンキーなど多い。
雨戸の桟に取り付ける鴨居などの穴に差す戸締り用の木片も「猿」という。サルエビと称するエビや、薬用に供されるサルオガセという地衣類がある。猿ヶ京温泉は群馬県三国峠の麓にある名物温泉だ。
京都大の研究グループによると、日本猿は人間同様に群れや地域ごとにあいさつの仕方が違うことが判明した。
名古屋の東山動物園にいるオスのゴリラは、イケ面だと女性客の人気を集めるが、性格も男前で、育児放棄された娘のゴリラを育てている。
インドで、仲間の猿の危機を救ったというニュースは記憶に新しい。アルゼンチンでは、裁判所が猿に人(?)格を認め、動物園から解放せよとの判決を下した。
江戸期以前に発行された『人国記』には、土佐(高知県)の猿は「別して仕付けよきなり」と記し、芸が仕込みやすい能猿だと評している。
今年は猿年。この一年どうなるか、「猿の小便」で気(木)にかかる。
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