ちょっと前ですが配信(アマプラ)で観ました。原作はヤマシタトモコの同名ホラーマンガ。比較すると映画は怖い描写をアートっぽく仕上げていて、切なさのほうが勝っていたような。漫画は切ない&怖い!でした。
幼い頃から霊が見えることに怯えてきた書店員の三角康介(志尊淳)は、除霊などを仕事にしている冷川理人(岡田将生)に「運命の人だ」と言われて助手になるよう誘われる。二人は刑事の半澤(滝藤賢一)に連続殺人の捜査への協力を依頼されるがーー。
***(若干ネタバレあり)
漫画を読んでしまっているのでストーリーは若干物足りない部分もありつつ、ポイントを絞ったわかりやすさもあり。共感力のない冷川役の岡田将生がすごく役柄にハマっていました。
連続殺人の背景には人を呪い殺せる女子高生がいて、やがてその子もある新興宗教に利用されていることがわかってきます。同時に、人格が欠落している冷川の過去も明らかに。
これをいまのタイミングで観るとすごく感じるものがあるなあと。新興宗教に利用され虐待されていた(されている)子どもたちを描いているのですから。だから、色々と怖い場面はあるけれど、すごく人を怖がらせようとしている恐怖映画って感じではなかったです。それよりも、子供の特別な力を悪用する大人たちの悪意のほうが恐ろしい。
刑事役の滝藤賢一も「(呪いなどへたなものを)信じない力」がある半澤さんとして説得力がありました。冷川が半澤さんの「信じない力」に助けられてきたことが救いです。「信じることで人が破滅していくのを散々見てきた」と言う冷川のセリフが、警句のようでいてこの人の苦しい過去を感じさせました。
それにしても北川景子が登場して数十秒で死んだのには驚き。意図は分かるがぜいたく使い。