けっこう忘れていたので、諸悪の根源みたいな久住(菅田将暉)が何故か捕まらないで終わった印象があったんですけど。スリル満点な逃走劇の後、ちゃんと追い詰められて逮捕されてました。
捕まったイメージより、さいごの久住の言葉のほうが印象がつよく残ってたんですよね。
逮捕後、大怪我をした久住は病院で自分の本名や過去を聞かれても一切語らず、「何がいい?どんな不幸な生い立ちがいい?」などと煽ったあと、
「お前らの物語にはなってやらない」
と吐き捨てるあれです。
さいしょ観た時にうわっと思ったんですよね。
物語を消費する私たちが、凶悪犯の悲惨な背景を知ってまたえぐられる(涙する)…的な構造を、真っ向から拒絶している。と思いました。そういうセリフを組み込んだ脚本が凄いなと。
悪魔のような登場人物の背景を描くことについて、「ノー・カントリー・フォー・オールド・メン」の読書会のとき、話題がでました。こういう、理解できない「絶対悪」のような存在は、日本の作品ではほとんど出てこない、日本人は何か事情を知りたがってしまうといった話でした。
私はそのとき、この菅田将暉(久住)のことをチラッと思い出したんです。言わなかったんですけど。
彼の場合はどうでしょう。一切背景が明かされませんでしたが、これは絶対悪というほどじゃないでしょうか。
今回また見たら、そんなもの(感動ストーリー)に組み込まれまいとする頑なさみたいなものも感じました。言わずとも、色々大変な人生だったんだろうなと察せられます。
それはともかく、ドラマ自体は星野源と綾野剛の相棒感が高まっていくのが最高で、話も毎回面白かったので続編をやってほしい気持ちでいっぱいです。でもやらんだろうなあ〜。