航空自衛隊浜松基地 4 浜松市基地対策協議会代表委員会会議録(7月8日)より
7月8日(木)に開かれた浜松市基地対策協議会代表委員会の「会議録」が浜松市役所のホームページ( https://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/documents/120180/20210708kaigiroku.pdf )に掲載されています。そのうち代表委員の小黒けい子市議(浜松市平和委員会会員)の発言を紹介します。
浜松市基地対策協議会代表委員会会議録 令和3年7月8日(木)
1 開催日時 令和3年7月8日(木) 午後2時00分から午後2時50分
2 開催場所 浜松市役所本館8階 全員協議会室
( …中略… )
小黒委員
今のお話の中の2番目、生活環境に支障をきたさないように騒音対 策に最大限の配慮をする。この中で離着陸回数を、月 650 回から 100 回程度減らすことができるというお話がありました。昨年の代表委員 会で、シミュレーターを使って回数を減らすということについてはで きなくなりました、というお話がありました。ここにシミュレーター を活用した訓練とありますが、それとは別のことなのか、シミュレー ターを使って、回数を減らすということもできるようになったのか、 前回のところを踏まえて、お話をしていただきたいと思います。
2点目は、住宅の防音工事についてです。予算を大幅に増やしてい ただいて、8億 8000 万円を確保していただくということでしたが、申請をしたけれども、まだ実施していただけていない待機の世帯がある と思います。待機世帯がどのくらいで、その対象についてどういう検 討をされているのか。回答をお願いいたします。
会長(市長) それでは、南関東防衛局からお願いいたします。
南関東防衛局 昨年、シミュレーターを使って離着陸回数を減らすということは、 なかなか難しいというお話をさせていただいております。これは、移 動してくる T- 400 という航空機についてはその通りであります。決ま っている規定を削れないということがございましたので、そのような 説明をさせていただきました。現在、T-4 という航空機がございます が、そちらの一部分についてはシミュレーターの活用が検討されてい ます。
航空幕僚監部 シミュレーターにつきましては、先ほど説明があった通り、T- 400 ではなく T- 4 のシミュレーターを活用します。浜松の負担軽減のため、 離着陸回数を減らせないかということを、我々の方も考えまして、T- 4 の訓練をシミュレーターに代替して、実機での離着陸回数を減らすと いう方向で考えております。そういったところも考慮して、合計月 100 回程度、時期によって若干変動するとは思いますが、減らせるのでは ないかと見込んでおります。 南関東防衛局 住宅防音の待機世帯の関係ですが、今年の5月末の時点で、約 600 世帯の方々が工事の希望をされて、お待ちいただいているという状況 でございます。現在、年間百数十件程度を執行できる予算になってお りますので、約 600 世帯というところから考えれば、今後4年程度で 今希望されている方々には行き着くと思っております。
小黒委員
600 世帯になっていて、年間 100 件実施して4年程度とのことです が、4年もかかる、という認識を持っていただきたいです。予算をし っかり確保して下さい。
先月 28 日に宮崎県の新田原基地の訴訟について、宮崎地裁で判決が 出ました。夜間と早朝の訓練について離着陸回数軽減や、様々な人的 被害について判決が出ています。国へ総額で 1 億 2000 万円賠償しな さいという判決も下りています。
米軍等との共用ではなく、航空自衛隊単体の基地の中での訴訟とい うことで、浜松基地も同じような状況が言えます。この判決は、住民 の生活妨害や睡眠障害、健康被害といったことについては十分検討し てください、という内容になると思いますが、防音工事のことについ ても触れています。 基地が無くなることが一番ですが、現実的ではありません。
第一種 の地域についてはしっかりと手を打ってくださっていると思いますが、 防音工事をすることによって、多少の音は防げるけれども、十分では ありません。待機されている 600 世帯の対応を早急に実施すること、 防音工事の予算を大幅に確保することをお願いいたします。 6 また、市から要望が出ています、一番大事な安全管理に関しまして、 2019 年に三沢基地で T-4 のトラブルがあり、全国に配備されている全 ての T-4 について総点検が行われました。浜松基地での点検の状況に ついて教えてください。
会長(市長) 浜松基地、ご回答をお願いいたします。 浜松基地 現在、浜松基地で飛んでいる飛行機に関しましては全機点検を終え、 安全性を確保した上で飛行を実施しているという状況です。
小黒委員
全ての機は絶対大丈夫というところで、チェックをしていただいた ということでいいですね。
浜松基地 はい、チェックをしました。安全性を確保した上で、飛行訓練を行 っております。
小黒委員
浜松基地は市街地の中にあります。ボルト一本落ちても重大事故と なりますので、安全点検の確認と、操縦の訓練の強化をしていただい て、事故が起きないという状態をお願いします。
T-400 の移動に関して、非常に時期が曖昧でした。はっきり何時と いうお話がありませんでしたが、去年も予算が確保できず、駐機場や 格納庫の工事が実施できないといった内容で延期されています。美保 基地で T-400 の訓練が通常通り行われているのであれば、浜松基地に 移動する必要はないのではないかと思います。
航空幕僚監部 時期について、今お伝えできないのは非常に申し訳ないのですが、 秋以降のタイミングでの移動を考えております。 準備は、着々と行っておりますが、公表するための準備等がありますので、この場ではお伝えできません。皆様にお伝えできるように、準備を引き続き実施していきますので、ご理解いただければと思います。
会長(市長) 小黒委員、他に質問はよろしいですか。
小黒委員 教育飛行隊については、結構です。
( …中略… )
小黒委員
航空自衛隊浜松基地のホームページには、日にちごとに音の具合や、 騒音発生回数等が、Lden(エルデン)表記と WECPNL(ダブリュー イーシーピーエヌエル)表記で書かれています。
Lden というのは、環境基準値が 62 だと思うのですが、うるささ指 数で出していたときよりも、Lden で出しているときの方が低く抑えら れているような気がします。これは科学的に、W で出そうと Lden で 出そうと同じような内容になってくるという見方でいいのでしょうか。
会長(市長) ご回答をお願いします。
南関東防衛局 表記されている数字を見ると Lden の方が低いので、おっしゃられ るように、甘くなっている、といった感覚はあるかもしれません。Lden と WECPNL との違いということですが、例えば Lden の場合は滑走 路や誘導路などの地上音も考慮するとか、騒音の継続時間の取り方が 異なるというような細部の違いはありますが、基本的には変わりません。
小黒委員
先ほどから、音のことが話に出ていますが、私からも再三申し上げ ましたけれども、ぜひそこに住んでいる人の気持ちになって対応を考えて下さい。
会長(市長) 他にご質問・ご意見ございませんか。 この件につきましては、ご了承いただいたものとします。 その他何かございましたら、お願いいたします。
小黒委員
今国会の最終盤で、土地利用規制法が通りました。この土地利用規 制法のことですが、なかなか理解が難しく、国会審議でも細かいとこ ろまで明確になりませんでした。 航空自衛隊浜松基地周辺1キロ範囲を注視区域と定められた場合、 周辺の区域内の住民に対してはどのような影響が出るのか教えてくだ さい。
会長(市長) ご回答をお願いします。
南関東防衛局 いわゆる重要土地等調査法につきましては、内閣官房の所管となっ ておりますので、私どもが承知している範囲でお答えをしたいと思います。 9 本法では、概ね重要施設の敷地の周囲、約1キロを注視区域等に指定するということになっておりますので、施設の外側から1キロの範 囲と認識しておりますが、個別の指定に関しましては、審議会といっ たものを設置し、決定されると承知しています。いずれにしても、具 体的な区域の指定等に当たっては、現地の自治体のご理解とご協力も 当然重要だと思います。本法による規制の元々の背景としては、防衛施設に限らず、例えば 山間部の水源になるような場所の近くでも、外国資本による土地取得 が見られたためであると認識しています。
小黒委員
周囲1キロを調べてみました。航空自衛隊浜松基地からの周囲1キ ロを調べて赤線で囲むと、高丘は大半が、西山、伊左地、湖東、それから泉町等も大半が入ります。皆さんの土地の利用の状況等の調査を されるということですが、どういうことで調査をされるのかわかりま せん。これから政令で出てくるということですが、国会の中でもはっ きりしないので、地域住民の方に、この法律が通ってどうなるのか聞かれても答えられない状況です。 文書で結構ですので、答えをください。この内容については、機能 阻害行為のようなことが起きると罰則があります。その機能阻害行為 というのは何かもわかりません。一人一人を監視するような、個人の プライバシー権や、生きていく権利そのものが脅かされるようなこと では困りますので、回答をお願いします。
南関東防衛局 今現在の生活が、急に機能阻害にあたるとは思っておりませんが、 ご懸念のところもあると思いますので、勉強させていただきます。 会長(市長) 後日お願いいたします。
小黒委員
自治会に自衛隊員募集のチラシが回ってきます。自治体に対しては、 自衛隊法で自衛隊の募集について協力をしなさいと謳われていますが、 このチラシについては、各自治会に依頼し、自治会長の了承のうえで 回覧されているのか、自衛隊法に関連してやっているのか、どういう 形で自治会での回覧がされているのでしょうか。
会長(市長) ご回答お願いします。
浜松基地 浜松基地第一航空団監理部長の前田の方からお答えさせていただき ます。今のご質問ですが、募集の回覧などに関しましては、各自治会長の許可を得た上で行っております。 10
小黒委員
自治会長が会議にかけて、了承のうえでチラシを配っているかは、確認をしてみないとわかりませんが、あっという間に流れてきますの で、恐らく会議に関係なく、配付しているのではないかと思います。
自衛官の募集はがきを作るため、18 歳になる市民のデータを、昨年 から浜松市から自衛隊に電子媒体で渡しています。このはがきでは、 自衛官候補生、一般曹候補生、航空学生の3つの募集について記載が あるのですが、その前の年は、防衛大学の学生の募集も入っていまし た。
自衛隊法で協力してください、と言っている内容は自衛隊員の募集 であって、学生の募集ではないということから学生を募集するという 部分は今年から除かれたのですが、自治会の回覧の中には、まだ記載 されています。整合性を持たせる必要があると思いますので、正確な 内容で回覧していただくということと、自治会長にその後の手続きに ついてのお話もしていただいたうえで、回覧をすることを検討して下 さい。 会長(市長) 浜松基地からお願いします。
浜松基地 ご指摘いただいたことにつきましては、検討させていただきたいと 思っております。
会長(市長) その他ご質問・ご意見ございますか。よろしいですか。 それでは、議題については以上で終了となります。防衛省につきま しては、他に何かございますか。
南関東防衛局 特にありません。
会長(市長) それでは、以上をもちまして、本日の会議を、終了させていただきます。ご協力いただき、ありがとうございました