大井川流域の索道・林用軌道 など中部圏の産業遺構史料調査&探索、趣味のボヤき

投稿頻度は多くありませんが、ゆっくり気長にお読み、お待ち頂けますと幸甚に存じます。

川根(志太)電力索道のこと ② 受電など

2020-06-20 18:21:00 | 探索記録

川根電力索道の受電(電気関係)について


索道運転当初の計画として、中平停車場に蒸気発電タービンを設置(20kw)した。

しかし大正15年、索道の延長計画に伴い笹間川に水力発電所建設計画の浮上。笹間村と伊久身村への電力供給権利の許諾を受けたが発電所建設計画は白紙となった。

というのも、笹間村日向から発電所位置測量及び、15年初頭には水路隧道工事を着工していたが、たったこれだけの発電量(計画では150kw)に対する設備が過剰(建設費の増加)であり、発電所を建設するよりも東海紙料の所有する地名発電所より受電を受けた方が安上がりと、川根電力索道株式會社取締役から提案され同年に中止とされた。

よって中平の蒸気タービンは廃止、笹間村と伊久身村へ配電設備を設置し、川根索道の電力供給拠点として送電を開始。(〜昭和2年頃まで)(発電モーターは伊久身、地名、前山の3箇所)


↗︎小僧淵より川根電力索道を眺望

   稼働全盛期の索道の鉄塔が伺える。


索道の動力については、起動時にはそれなりの負荷が掛かるが、一旦動いてしまえば荷重で下る力が働くのでスムーズに搬器が動けばそれほどの大きな力は必要無かった。

当初、索道自体民間の需要は少なく設備もそれなりに大掛かりであった。

①記事にも記載したが、その後沢間までの索道延長工事が開始され、発電所建設資材運搬や民間需要に大きく貢献したが、大井川鐵道の開通、発電所の開所に伴う荷扱の減少に伴い索道は廃止に追い込まれた。


実は川根電力索道は、物資運搬の貨物索道としては全国で最長を誇る整備であった。



電力関係についてはこの情報が全てでは無いので、資料が纏まり次第この件については追記記事にて公開いたします。

凡その概要に関しては此方ページをご高覧頂ければと思います。古い情報故に考察のご参考になれば幸いです。



川根(志太)電力索道 株主報告会のこと (閑話休題)

2020-06-13 23:46:00 | 探索記録
拝啓豫テ御通知申上置候通リ本日藤枝町役場會議場ニ於テ當社第〇〇回定時株主總會相開キ左記ノ通リ承認及決議相成候間此段御通知申上候也

川根電力索道株式會社
取締役    八木乙吉

承認及決議事項

第一號議案
昭和九年上半期營業報告書、財産目錄、貸借對象表及損盒計算書承認ノ件

第二號議案
昭和〇年上半期利盒金處分ノ件

原案可決

以上

毎年上半期(1/1〜6/30)、下半期(7/1〜12/31)の2回にかけて行われていた川根電力索道株式會社の株主総会。今と変わらぬ様に、郵便にて株主の元に上記の様な内容の書簡が届けられた。






当時の會社経営状況や、停車場別の索道荷扱数や、品目別での数量も記載されている。


閑話休題