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教育正常化への意欲はあるの?--福岡県議会文教委員会を傍聴して

2006年06月21日 | Weblog
一昨日、福岡県議会文教委員会を傍聴してきました。午前11時からの開会ということだったので、議会事務局に電話すると、まだ始まっておらず、開会は午後2時すぎからだとの返事。

 どうもいろいろ水面下であるようだと直感し、適当に食事を済ませ、県議会へ行きました。

 警戒厳重な県議会は、過去、傍聴者から県知事が暴行されたということがあって要所要所に警備員を配置して睨みを効かせています。

 正直言ってあまり一般の人は近寄りがたい雰囲気があります。

 じつは委員会開催にあわせて「教育の政治的中立性を確保し、教育の正常化を促進することに関する陳情」を市民団体として提出していました。

以下、要旨と項目を御紹介します。

教育の政治的中立性を確保し、教育の正常化を促進することに関する陳情

1.要旨 
 教育は国家百年の大計といわれますが、わが国を担う青少年を育てるということは、日本の未来にかかわる重要な問題です。しかし、近年、学力低下や少年犯罪など教育を取り巻く諸問題が噴出しています。今国会に提出された与党教育基本法改正案は、自民党内に異論も多く、与党の合意を優先させたため不十分な感を否めないものの、戦後60年間アメリカ占領軍のもとでつくられた教育基本法改正への道を踏み出したことは評価できるものです。           

 かつて福岡県の教育現場においては長期にわたり対立とそれによる混乱が続いてまいりました。公正中立であるべき学校教育が、偏ったイデオロギーを持つ教職員団体やその支援勢力によって歪められてきたことが大きな原因でした。多くの県民の願いを受けて議会・行政・民間一体となって正常化に取り組まれた結果、全国でも群を抜いていたストライキや反対闘争も影を潜めました。
 
 ところが平成2年に文部官僚出身の県教委の幹部が「教育正常化は終わった」と発言し、大きな波紋を呼んだことがありました。たしかに表面的には労使紛争は影を潜めたものの、今なお一部の県立学校や多くの義務教育諸学校においては依然として旧態依然とした不正常な慣習・慣行が行われているといわれており、現状維持にとどまらず更なる教育正常化が急がれるところと認識しています。つきましては、不正常な慣行、タブーを排除して本県の教育正常化を促進することを以下のとおり求めるものです。

2.理由
1、児童の権利に関する条約を曲解し、児童・生徒を政治闘争に巻き込まないこと 
2、男女混合名簿を全廃し、ジェンダーフリーなる行き過ぎた男女平等教育を行わないこと
3、積極的に「心のノート」を活用し、道徳教育において愛国心の涵養に努めること
4、教職員団体との不透明な書面協定をすべて破棄すること
5、人権・同和教育において政治的中立性を守り、特定の団体と癒着しないこと

 内容は、理由のなかで項目別に書いてありますが、日教組問題を真正面から捉え、保守派としておそらく初めて同和教育についても言及しました。

 地域にもよりますが、運動団体と教職員・PTAが「差別の現実に学ぶ」ということで学習会を開いているなどしています。
 
 本来は特定の団体とのみこうした学習を行うのは、行政の中立性、教育の中立性を侵すのではないかと思います。どこの団体とも幅広く学びあうことが豊かな教育をつくっていくことにつながるのではないでしょうか。

 今までのように天皇制は差別を生むとか多くの国民が受け入れている国旗・国歌は侵略戦争のシンボルといった主張では多くの人の心を掴むことは難しいと思います。

 御存知のように福岡県は解放同盟の影響力が各界各層に及んでいて、公職についている人は、おかしいと思うことがあっても運動体の主張や行動に対して批判的な言動を行うことができませんでした。

 同和対策事業に絡む利権が問題視されて司直の手が伸びた大阪とは、また違う独特の空気をもっているのが福岡県の状況です。

 唯一、共産党だけは、毎議会のように同和対策事業の終結、同和教育の是正を主張していましたが、議会で多数の支持を得られず無視され続けてきました。

 そこに昨年はネット有志の皆様と連携し、人権擁護法案と連動した人権救済の県条例反対を展開し、ブレーキをかけました。

 県知事もこの動きに慌て、10月19日の記者会見で「条例は考えていない」と答えざる得ませんでした。

 共産党以外の多くの県民・国民は新たな人権侵害を生みかねない法案には慎重、反対だという意思を同対局、運動体に認識させることができたのは福岡県の人権行政史上、大きな前進だったと思います。

 しかし、条例はなくても、すでに人権・同和教育はあらゆる領域で推進されており、学校の道徳教育でも「人権の視点」が重要だとして、文部科学省が平成13年に全国の小中学校に配布した「心のノート」は骨抜きにされてしまっています。

 また、学校においてジェンダーフリー教育が蔓延し、久留米市では公然とジェンダーフリーな社会にするため頑張りましょうなどと誘導するチェック表が教育委員会が作成した副読本に存在することが市議会で問題になり、削除されるという事態も起こっています。

■平成16年9月7日西日本新聞県総合版



■のまりんの部屋:久留米市教委 ここにもあった副読本
小学生用  巧妙・周到なる思想誘導
http://www5f.biglobe.ne.jp/~constanze/nomarin221.html

 愛国心についても、平成14年に福岡市が愛国心評価を盛り込んだ通知表を使用していたことに対して、福岡県弁護士会が警告書を出し、在日コリアン団体や一部マスコミが揺さぶりをかけ、指導要領が無視されるという状況になってしまっています。

 福岡県の教育正常化は進んでいるなどといっても、それは他県との比較の問題であって、日教組との妥協で勤務評定がなされていなかったのは氷山の一角で、表面化していない問題が様々存在しています。

 話を文教委員会に戻しますが、請願もほとんど意見もつけず採決を行い、陳情は配布された資料をパラパラみて、質疑も意見もつけずスルーしました。

 あらかじめ裏で今日はどうしようこうしようと話がなされていることを平場でセレモニーとして行うのが普通なので、予想どおりでしたが、驚いたのは、委員会室の一番後列の傍聴席で周りは県教委の職員だらけのなかで様子を見ていると、ある県議は肘をついて居並ぶ県教委幹部に睨みを利かせるような態度をとり、またある県議は審議中にもかかわらず遠慮なくタバコをスパスパ。

 対称的に教育委員会の幹部、部課長級以下の職員は神妙な面持ちで様子をみている姿が滑稽ですらありました。

 初めての文教委員会の傍聴でしたが、こういう雰囲気の中で重要な県の教育政策・予算を決定していくとは呆れました。もっと真剣に議論してほしいと思いました。

 教育もですが、県議会の正常化も必要だなとつくずく実感した一日でした。

■福岡県議会へ「教育正常化」に正面から取り組んでほしい
との意見を県議会に“文教委員会”宛でどしどしお願いします。

議会事務局調査課
〒812-8574 福岡市博多区東公園7-7
TEL 092-643-3832
e-mail:gchosa2@pref.fukuoka.lg.jp

■議会ホームページ
http://www.gikai.pref.fukuoka.jp/
★福岡県議会 委員会名簿
http://www.gikai.pref.fukuoka.jp/frame03.htm

※県政クラブは旧社会党と旧民社党が合体した民主・社民系の会派
緑友会は農政連という自民党支持の政治団体系の会派で保守系

北九州市ジェンダーの視点で読む読書感想文コンクールに抗議を

2006年06月11日 | Weblog
北九州市立男女共同参画センター“ムーブ”が主催する「第4回ジェンダーの視点で読む読書感想文コンクール」が6月20日から10月20日まで作品募集をしています。

■ムーブ↓
http://www.kix.or.jp/move_we/gen_kan2006.htm

「月刊ムーブ」というニュースレターでも紹介されています。

 対象は全国の小中学生だそうです。

小学生下学年 部門800字程度
小学生高学年 1200字程度
中学生  2000字程度

 課題図書はムーブが選定してある本からか、学校で使用する国語の教科書からジェンダーの視点で考えることができる作品を選んで感想文を書くのだそうです。

 ムーブに電話し、選定図書の中身その他についてFAXを送ってもらいました。北九州市教育委員会と福岡県教育委員会も名義後援をしています。

 福岡県内すべての小中学校に募集要領が送付されるそうです。県外には報道機関を通して呼びかけるそうです。今日の段階では市町村教育委員会などに文書は送付されていません。

 他の都道府県の皆さんにとっても人事の話ではないと思います。

 北九州市教委に対して尋ねてみると、市の外郭団体のほうからきている、つまり市が主催なので後援したとのことです。ジェンダーフリーが否定された、使用されなくなったといっても現実はまだこういうことが公然と行われているのです。

 課題図書は、「みんなちがって・・」や「こまるなあ おとうさん」、「世界中のひまわり姫へー未来をひらく女性差別撤廃条約」、「サンタのおばさん」「クリスマスの魔術師」「生命科学者 中村圭子」などです。

チラシから引用、御紹介します。


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 さまざまな個性をもち自分らしく生きる登場人物を、みなさんはどう感じますか?
 私たちは今、一人ひとりの個性が尊重されて活かされる男女共同参画社会に向けて旅立ちました。
 さあ、みなさんも、登場人物たちと一緒に新しい男女の生き方の地図を感想文にして送ってください。

ジェンダー(Jender)とは?
男女の役割などに対する思い込みや期待によってつくりあげられた社会的性別のことをいいます。

●審査委員長:草谷桂子(児童文学者)
●審査委員:乗口真一郎(北九州市立大学特任教授)
      守田孝子(北九州国語教育研究会副会長)
      アーサー・ビナード(詩人)
      羽瀬川順子(参画センタームーブ所長)

ジェンダーの視点で読む読書感想文コンクールについて

「ジェンダー」とは、社会が男女に期待する「男らしさ」「女らしさ」「性役割」のことですが、そのジェンダーが絵本や物語の男女像に反映されているのです。
「ジェンダーの視点で読む」とは、その「男らしさ」「女らしさ」「性役割」を問い直すことであり、そのことを通じて、女性も男性も「自分らしく」生きることの大切さに気づくことを期待するものです。
このコンクールが一人ひとりの個性が尊重され、活かされる男女共同参画社会について考えるきっかけになることを願っています。

●賞金:最優秀賞(3部門から各1編)2万円分の図書券・記念品の盾/優秀賞(3部門から各1編)1万円分の図書券、記念品の盾/佳作(若干数)1編につき5千円の図書券・記念品の盾/協力校賞(若干数)各校に記念品の盾 ※積極的に取り組んだ学校に送られます

★各賞の発表は12月の予定です
★入賞作品は出版します。出版の際、一部修正をする場合もあります。

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 LOVE&BODY同様、保護者の方々にこの危険性を認識してもらい、差し止める手立てが必要だと思います。そのまま配布されたら“容認”したことになります。

 昨年の男女共同参画基本計画改定や各地の条例制定でも「ジェンダー」が事実上、ジェンダーフリーに解釈され、現場を混乱させているか問題になったにもかかわらず継続して事業を行う北九州市やその後援をしている北九州市教育委員会、福岡県教育委員会の見識は厳しく指弾されるべきと思います。

 全国の皆様からも北九州市参画センター、北九州市、北九州市教育委員会、福岡県教育委員会、NHK北九州放送局に対して抗議とコンクールの後援中止・事業見直しを求めるご意見を伝えていただけたらと思います。

 何卒よろしくお願い申し上げます。

■北九州市立男女共同参画センター“ムーブ”女性情報課(所長・担当課)
〒803-0814 北九州市小倉北区大手町11番4号
TEL.093-583-3939
FAX.093-583-5107
メール.move@move-kitakyu.jp

■北九州市長秘書室(末吉興一市長)
〒803-8501 北九州市小倉北区城内1番1号
電話:093-582-2127
FAX:093-562-0710
メール:hisho@mail2.city.kitakyushu.jp

■北九州市教育委員会(教育長宛)
教育委員会 総務部 企画課
〒803-8510 北九州市小倉北区大手町1番1号
電話:093-582-2357
FAX:093-581-5871
メール:kyou-kikaku@mail2.city.kitakyushu.jp

■福岡県教育委員会
生涯学習課(生涯学習課長)
社会教育班 092-643-3887
ファックス 092-641-2141
メール:kgikyo@pref.fukuoka.lg.jp

■県民の声(一番確実に知事・教育長まであげられます)
http://www.pref.fukuoka.lg.jp/somu/kensei.htm

■NHK北九州放送局
http://www.nhk.or.jp/kitakyushu/

※保守系県議会議員に県教委を追及してほしいと情報提供&意見をお願いします。
■福岡県議会全議員一覧
http://www.gikai.pref.fukuoka.jp/frame03.htm

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