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城北文芸 有馬八朗 小説

これから私が書いた小説をUPしてみようと思います。

大阪への旅

2025-05-31 16:07:13 | 日記

 台湾のメル友が和歌山の熊野古道を歩きに来るという話を聞き、帰り道に特急黒潮号で天王寺に来るので、私も新幹線で大阪に行き、大阪で数年ぶりに会うことになった。

 一ヶ月ほど前に新大阪近くのカプセルホテルを予約した。万博もあるし、インバウンドも増えているので、ホテルに空きがないと困ると思ったのである。新幹線日帰りも難しそうなので、一泊することにした。

 大阪に行く前日に親族の葬式が重なり、どうかと思ったが、前々からの予約でもあり、この日を逃すと、メル友にも当分会えないので、計画通り行くことにした。

 カプセルホテルに入って、いろいろと失敗したなと思った。宿泊料が安いのはよかったのだが、個室ではないので、フロントとの連絡用の電話もないし、携帯電話の使用も禁止であった。実は、メル友が次の日の朝にホテルに来て、落ち合うことになっていたのである。 フロントの脇にロビーもないのである。もちろん、ホテルの中には、デジタルキーを持っている人しか入れないのである。

 一応、メル友の携帯番号は知っていたので、本人に電話すればいいと思っていた。そこで、夜、カプセルの中から、メル友の携帯にショートメッセージを送ってみた。「メッセージ送信に失敗しました」と出てきた。私は人生が暗転しているのを感じた。

 次の日の朝、携帯に電話を試みるも、「この電話は現在使われていません」というメッセージが流れるのみだった。電話を変えたのかなと私は思った。こんなことは全然想定していなかった。

 仕方がないので、フロントの前で待つことにした。幸い、フロントの前にコーンの周りに円形ベンチがついたようなところがあったので、そこに座って待つことにした。朝ということだったが、時間の指定がなかったので、8時頃からずっと待ちました。9時半を過ぎて、さすがに、もし10時を過ぎても来なかったら、諦めて、一人で道頓堀に行って、グリコの写真を撮って帰ろうと思いました。

 しばらくすると、白髪になってはいましたが、見たことのある、小柄な女性が入ってきました。メル友でした。

 近くのマクドナルドでアップルパイとコーヒーを注文し、一時間ほど話しました。熊野古道は8日間も歩いたそうです。民泊に泊まり、外国人が大勢いて、交流したそうです。

 新宮市の2011年の水位8・27メートルの大水害を記念するアルミ製パネルの写真も見せてもらいました。新宮市で死者14名を記録したそうです。

 携帯電話は変えていないとのことで、私が国際電話の番号を最初に付け加えなかったために通じなかったことがわかりました。単なるドジでした。

 台湾と言えば、「台湾の有事は日本の有事だ」と声高に叫ぶ政治家が目立つ今日このごろなので、私は最後に、台湾の人たちはどう考えているのかと思い、彼女に、本当に中国と台湾が戦争になると思いますか、と尋ねてみました。

 彼女の答えはノーでした。戦争を煽ることで利益を得る人たちが言っていることだとの考えでした。中国も台湾の周辺の海域で軍事演習をしたり、脅かして台湾人の世論を変えようとしているようです。日本国憲法の「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」の項目がいかに大事かということがわかります。

 道頓堀に行こうと御堂筋線に乗ったのですが、道頓堀付近で、ラッシュアワーなみの込み方になり、離れ離れになってしまいました。メル友も10歳年下の友人と一緒に日本に来ているので、ここで別れても全然問題ないと思いました。