あるサイトに「listeningのnを重ねないのは?」という質問が挙がっていて、それに対する答えは次のようになっています。
動詞の最後の文字を重ねてからingをつけるのは,単音節で語尾が<短母音+子音>の単語と,複音節で語尾が<アクセントのある短母音+子音>の単語です。
辞書では,見出しの単語表記がlis-ten, be-ginなど,音節と音節の間に「-」が入っています。
[単音節で語尾が<短母音+子音>の単語]最後の文字を重ねてingをつけます。
run+ing → running swim+ing → swimming
[複音節で語尾が<短母音+子音>の単語]語尾の<短母音+子音>の短母音にアクセントがあるか判断します。
<アクセントのある短母音+子音>の場合:最後の文字を重ねてingをつけます。
begin (be-gin):アクセントがginのiにあるので,nを重ねてingをつけます。→ beginning
<アクセントのない短母音+子音>の場合:最後の文字を重ねないでingをつけます。
listen (lis-ten):アクセントがlisのiにありtenのeにはないので,nを重ねないでingをつけます。→ listening
visit (vis-it)も同様にvisitingとなります。
http://chu.benesse.co.jp/qat/7406_e.html
私も中学か高校でこう教わりました。それではこの回答者は動詞look/luk/はどう説明するのでしょう。(発音記号は正確に表示されないので簡略化します)この語は「単音節で語尾が<短母音+子音>」です。でも誰もlookkingとは書きません。
また、listenも微妙で、回答者はこの語を「複音節」と考えているようですが、語尾のtenの部分には母音がなく、発音記号は/lísn/なので、「単音節」とも考えられます。回答者が同様の語として挙げているvisitは /vízit/なので「複音節」です。
結局この回答者(ならびに多くの英語教師)が勘違いしているのは、このルールが「発音の問題」と考えていることにあると私は思っています。「最後の文字を重ねて」とあるように、これは「綴り(つづり)の問題」なのです。
「短母音」という言葉が出てきましたが、私はこれは同じ発音の「単母音」と混同したのではないかと考えています。これは英語ではsingle vowelで「一つ母音字」のことです。何処かで誰かが「たんぼいん」という言葉を耳にして「短母音」と書いたのがこの間違ったルールの始まりではないか、と疑っています。
つまり、lookの場合は「母音字」がooと二個あるので、最後の子音字を重ねないのです。
そして、「複音節」語の場合にはアクセントが絡んできます。上で挙がったlistenの場合、母音字が最後から二つ目にありますが、そこにアクセントはないので、nは重なりません。
さて、今「綴りの問題である」と書きましたが子音に関してはこのルールを曲げます。たとえば、「ボクシング」のbox(殴る)ですが、もちろん誰もboxxingとは書きません。しかし、綴り字上は「母音字一つと子音字」です。これは、xが発音上は/ks/と二音になるからと言って逃げたいと思います。また「舟をこぐ」のrowですが、誰もrowwedとは書きません。最後のwを子音字と考えるかどうかは議論があるでしょうが、発音上は明らかに母音ですので、この場合には最後に子音がないから、と言って逃げたいと思います。
ということで、この段階で、上記のルールの改訂版を書いておきます。(必ずしも私の発明ではない)
ある動詞の最後の「子音」の前の「母音字」が一つで、そこにアクセントがあれば、ingを付して現在分詞(動名詞)を作る場合、最後の「子音字」を重ねる。
これは過去形を作る場合も同じなのですが、この改訂版でも例外があって、それはtravelです。辞書を見ると、次のようになっています。
travelling, traveling(現在分詞) travelled, traveled(過去形) travelled, traveled(過去分詞)
しかし、「改訂版」に従って綴って間違えるわけではないので、このままでいきたいと思います。
動詞の最後の文字を重ねてからingをつけるのは,単音節で語尾が<短母音+子音>の単語と,複音節で語尾が<アクセントのある短母音+子音>の単語です。
辞書では,見出しの単語表記がlis-ten, be-ginなど,音節と音節の間に「-」が入っています。
[単音節で語尾が<短母音+子音>の単語]最後の文字を重ねてingをつけます。
run+ing → running swim+ing → swimming
[複音節で語尾が<短母音+子音>の単語]語尾の<短母音+子音>の短母音にアクセントがあるか判断します。
<アクセントのある短母音+子音>の場合:最後の文字を重ねてingをつけます。
begin (be-gin):アクセントがginのiにあるので,nを重ねてingをつけます。→ beginning
<アクセントのない短母音+子音>の場合:最後の文字を重ねないでingをつけます。
listen (lis-ten):アクセントがlisのiにありtenのeにはないので,nを重ねないでingをつけます。→ listening
visit (vis-it)も同様にvisitingとなります。
http://chu.benesse.co.jp/qat/7406_e.html
私も中学か高校でこう教わりました。それではこの回答者は動詞look/luk/はどう説明するのでしょう。(発音記号は正確に表示されないので簡略化します)この語は「単音節で語尾が<短母音+子音>」です。でも誰もlookkingとは書きません。
また、listenも微妙で、回答者はこの語を「複音節」と考えているようですが、語尾のtenの部分には母音がなく、発音記号は/lísn/なので、「単音節」とも考えられます。回答者が同様の語として挙げているvisitは /vízit/なので「複音節」です。
結局この回答者(ならびに多くの英語教師)が勘違いしているのは、このルールが「発音の問題」と考えていることにあると私は思っています。「最後の文字を重ねて」とあるように、これは「綴り(つづり)の問題」なのです。
「短母音」という言葉が出てきましたが、私はこれは同じ発音の「単母音」と混同したのではないかと考えています。これは英語ではsingle vowelで「一つ母音字」のことです。何処かで誰かが「たんぼいん」という言葉を耳にして「短母音」と書いたのがこの間違ったルールの始まりではないか、と疑っています。
つまり、lookの場合は「母音字」がooと二個あるので、最後の子音字を重ねないのです。
そして、「複音節」語の場合にはアクセントが絡んできます。上で挙がったlistenの場合、母音字が最後から二つ目にありますが、そこにアクセントはないので、nは重なりません。
さて、今「綴りの問題である」と書きましたが子音に関してはこのルールを曲げます。たとえば、「ボクシング」のbox(殴る)ですが、もちろん誰もboxxingとは書きません。しかし、綴り字上は「母音字一つと子音字」です。これは、xが発音上は/ks/と二音になるからと言って逃げたいと思います。また「舟をこぐ」のrowですが、誰もrowwedとは書きません。最後のwを子音字と考えるかどうかは議論があるでしょうが、発音上は明らかに母音ですので、この場合には最後に子音がないから、と言って逃げたいと思います。
ということで、この段階で、上記のルールの改訂版を書いておきます。(必ずしも私の発明ではない)
ある動詞の最後の「子音」の前の「母音字」が一つで、そこにアクセントがあれば、ingを付して現在分詞(動名詞)を作る場合、最後の「子音字」を重ねる。
これは過去形を作る場合も同じなのですが、この改訂版でも例外があって、それはtravelです。辞書を見ると、次のようになっています。
travelling, traveling(現在分詞) travelled, traveled(過去形) travelled, traveled(過去分詞)
しかし、「改訂版」に従って綴って間違えるわけではないので、このままでいきたいと思います。