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村上春樹を英語で読む

なぜ、こう訳されているのかを考える。

「コラーゲン」と「コラージュ」

2015-04-21 14:52:52 | ことばの意味を実感する
「コラーゲン(collagen)」という言葉をとてもよく耳にするようになりました。「コラーゲンが多く入った食品を食べましょう」とか「コラーゲンを注入して美しくなる」などといった具合です。いったい何を入れているのでしょう。
 英語の頭のcollaは「膠(にかわ)」です。つづくgenは「…を生じる物質」です。生命を生み出す「遺伝子(gene)」ももちろん同系の言葉です。ということで「コラーゲン」は「にかわを生じるもの」です。ちなみにこのcollagenは漢語にすると「膠原」です。発音すると、「コラーゲン」と「コーゲン」。なんとなく似ていますね。音と意味の両方を生かした借入語かもしれません。ちなみに、「膠原病」という病気がありますが、「コラーゲン病」と言っても同じことになります。もちろん英語ではcollagen diseaseです。
 美術の用語の「コラージュ(collage)」のcollも「にかわ」で、「コラージュ」は「にかわでくっつけたもの」の意味です。このcollが入っている意外な語としてはprotocolがあります。訳語としては「外交儀礼」や「条約原案」などがありますが、言葉としてはprotoが「初めの(に)」の意味なので、「初めに貼り付けたもの」です。
「膠」の漢字は接着用の「のり」、ただし皮・腱・骨などを使って作る「のり」です。まさしく「にかわ」です。日本語の「にかわ」も「皮を煮」たものでしょう。すると「煮皮」という漢字の方がわかりやすいかもしれません。