建物の「階」はイタリア語ではpianoです。もちろん、楽器のpiano(ピアノ)と同じ語です。どう繋がるのでしょう。
楽器のpianoはもともとpianoforteと呼ばれていました。頭のpianoは「(音が)弱い」、forteは「強い」の意味で、言葉としては「弱強」です。それぞれ、楽譜の指示記号でおなじみでしょう。これは、ピアノ以前の主要な鍵盤楽器であったチェンバロがあまり「弱強」を表現できなかったのに対して、pianoforteはそれが可能であったためについた名です。
そのpianoは英語のplain(平原)と同系で、「平らな→なめらかな→弱い」と変化したようです。「なめらか」と「弱い」の関係が不思議に思われるかもしれませんが、英語のslightは英語に入った14世紀頃には「なめらかな」の意味だったのですが、16世紀には「わずかな」の意味を持つようになりました。「なめらか」なものは、物足りないのか、「不足」へ繋がるようです。「力不足」であれば「弱い」ので、「なめらかな→弱い」の変化も理解できるでしょう。ちなみに、plane(飛行機)もplainと同系で、鳥が滑空のとき翼を「水平」に広げることから来ています。そして、イギリス英語の「階」はflatで、この語は本来「平らな」の意味ですから、同じく「平らな」の意味を持つpianoがイタリア語で「階」になることになんの不思議もありません。
さて、英語のflatは同じく英語のplace, plantと同系で、もともと「踏みつけて平らにした」のような意味のようです。「場所」のplaceはそれでわかりますが、「植物」のplantが「平ら」から来ているのは、「苗木の段階でそれらの周囲を踏みつけて平らにした」ことから、そこに根付かせたもの(=植物)を指すようになったからのようです。また、英語で「階」はfloorでも表せますが、こちらは上のpianoと同系の語です。
英語にplanという語があり、「計画」の意味で用いられますが、「平面図、設計図」の意味もあります。そして、イタリア語のpianoにも「設計図」の意味があります。すべてが「平面」つながりで考えられるのですが、英語のplanが、上で扱ったflatとfloorのどちらと同系かは議論があるようです。ともに「広げる、平面」などの意味を持っていますから、ずっと根本のところで繋がっているのかもしれません。
楽器のpianoはもともとpianoforteと呼ばれていました。頭のpianoは「(音が)弱い」、forteは「強い」の意味で、言葉としては「弱強」です。それぞれ、楽譜の指示記号でおなじみでしょう。これは、ピアノ以前の主要な鍵盤楽器であったチェンバロがあまり「弱強」を表現できなかったのに対して、pianoforteはそれが可能であったためについた名です。
そのpianoは英語のplain(平原)と同系で、「平らな→なめらかな→弱い」と変化したようです。「なめらか」と「弱い」の関係が不思議に思われるかもしれませんが、英語のslightは英語に入った14世紀頃には「なめらかな」の意味だったのですが、16世紀には「わずかな」の意味を持つようになりました。「なめらか」なものは、物足りないのか、「不足」へ繋がるようです。「力不足」であれば「弱い」ので、「なめらかな→弱い」の変化も理解できるでしょう。ちなみに、plane(飛行機)もplainと同系で、鳥が滑空のとき翼を「水平」に広げることから来ています。そして、イギリス英語の「階」はflatで、この語は本来「平らな」の意味ですから、同じく「平らな」の意味を持つpianoがイタリア語で「階」になることになんの不思議もありません。
さて、英語のflatは同じく英語のplace, plantと同系で、もともと「踏みつけて平らにした」のような意味のようです。「場所」のplaceはそれでわかりますが、「植物」のplantが「平ら」から来ているのは、「苗木の段階でそれらの周囲を踏みつけて平らにした」ことから、そこに根付かせたもの(=植物)を指すようになったからのようです。また、英語で「階」はfloorでも表せますが、こちらは上のpianoと同系の語です。
英語にplanという語があり、「計画」の意味で用いられますが、「平面図、設計図」の意味もあります。そして、イタリア語のpianoにも「設計図」の意味があります。すべてが「平面」つながりで考えられるのですが、英語のplanが、上で扱ったflatとfloorのどちらと同系かは議論があるようです。ともに「広げる、平面」などの意味を持っていますから、ずっと根本のところで繋がっているのかもしれません。