NPO法人行政再生ブログ

公的機関や非営利組織が抱える課題の解決を、経営と政策のプロフェッショナルが支援するNPO法人活動ブログ

新潟市の食と農のブランド戦略の報告から、地域再生の全体像が見えてきた!!

2008-08-27 09:42:50 | 行政再生
 7月24日、NPO法人行政再生の役員・会員が集まり、1年間の活動報告と今後の活動方針の議論を行った。参加者から最近の活動状況も報告された。私も東北の市町村を100箇所近く訪問し、さまざまな成功・失敗事例を紹介し、地域再生の困難さを訴えた。

そこで、副理事長の上山信一さんが、私の活動に役立てればとのご配慮で、新潟市都市政策研究所依頼による「食と農のブランド戦略」報告書およびコシヒカリで有名な新潟のコメ政策の課題について説明してくれる約束をしてくれた。そこで、本日8月25日、すでに公表されている報告書をもとに、戦略論から分析した農業政策の問題点と課題について説明してくれた。

はじめに、新潟市は政令都市ながら、農地比率が47%(新潟県16%、全国12%)と多いが、就農者比率5%、農業生産比率2%と、土地利用面では大きな課題が見えてきた。このため、コメ政策を産業論から検討したが、限界が露呈し、政策論として議論しなければならない結論に至ったことを強調していた。

また、農業でも、果実と野菜とコメでは、まったく経営実態と手法および課題が異なり、かつ、新潟市が誇りとする25品目の農産品で、①市場の見極め、②強みを決め準備、③素材の作りこみ、④商品化、⑤広告・販売・サービス、」の5つのステップから評価した結果、実力評価を受けた品目は、「くろさき茶豆」、「ルレクチェ」、「チューリップ」の3品のみであったことは、新潟市の関係者にはショックであったようだ。

財政構造が恒常的に赤字体質の地方自治体は、地域再生が最大の課題である。同時に、農業問題を解決しない限り、地域再生は実現しないことは、参加者全員の共通認識であった。まずは、自治体が抱える、第3セクター等の過剰債務をどう整理するかだ。そこで、事業再生コンサルティングを専門とする役員の一人が、貸し手責任として金融機関に債務の減免を含めたリスケを行わないと、過剰債務問題が再燃してしまうとの指摘は重要であった。

その上で、農産品のブランド化、温泉街の活性化の方法、行政・住民の参画のあり方等、NPO法人行政再生のメンバーの実際の経験に基づいた議論を得て、地域再生の具体的な方法論が、総合的に見えてきた。

次回は、自治体財政健全化法の適用が間違いない東北の首長から話を聞き、我々が地域再生・行政再生のためのアドバイスを行う研究会を行う。ここ2年近く研究会を重ねてきた「NPO法人行政再生」は、いよいよ活動が本格化することになる。

余談であるが、我々の仲間が、最近、首都圏自治体の外郭団体(財団法人)が指定管理者となった財団法人の業務内容につき、指定管理者として適正かとう事業評価業務を行った。これも、今後、注目を浴びる活動になろう。

以上

***********************************

元衆議院議員・公認会計士・税理士
若松 かねしげ

***********************************