ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

【映画】日本で一番悪い奴ら

2016-06-26 20:33:46 | 映画

おもろうて、やがて××しき。(XXはいくつかある)。

どうしてそうなるの?っていう転がり具合なのだけれど、実話ベース。
どれくらい脚色しているのだろう、とWikiを見てみた。
"事件"そのものは、かなり現実から題材を引いているようだ。

綾野剛演じる諸星の成り行き、脚本と演技、説得力がある。
(ヤクザキャラへの変貌はちょっと急だったけど。)

一人の男の中に混在する、単純さ(傍目には暴走キャラ←ブラックな笑い
を誘う)、あんがい人を信じちゃう純情、組織帰属と強烈な承認欲求。
そういう男のドラマとして見るもよし。

序盤は、諸星があくまで個人で引き起こしているのが、
中盤以降は組織やチーム、人が組み合わさった時に生じる"非常識事態"の
生成過程が顕れてきて、それは決して特異なことではないということも
薄々察せられて、空恐ろしさもある。
実話ベースの事件をあてものに、個人が着火して組織が暴走する様を
比喩的に描いているようにも見えたりもする。

中村獅童、YOUNG DAIS、植野行雄とのやりとり、ツッコミリズムが爽快。

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公式サイト:http://www.nichiwaru.com/

(2016.6.26)


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【映画】TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ

2016-06-26 01:16:22 | 映画

楽しみましてん。
劇場内は笑い度高かったです。

ロックチューン満載。弾き比べとかけっこうマジ。

地獄のシビアな日々(わかりやすい)。
ギャグ明快。
青少年の試練のノリはライト(前向きだ)。
小ネタ(たまに際どい)とキャラ捻りを随所に盛り盛り。

獅童さん、どこに出てくるんだろうと思ったら…(笑)。

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公式サイト:http://tooyoungtodie.jp/

(2016.6.25)


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気になる本 2016/06/20-26

2016-06-24 22:55:28 | 気になる本

2016/06/25

ユリイカ 2016年7月号 ニッポンの妖怪文化/1,404円/青土社
http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791703104

現代思想 2016年7月号 報道のリアル/1,404円/青土社
http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791713240

「小鉢の料理」大全 魅力のお通し・前菜・酒の肴に仕立てる/大田 忠道/3,024円/旭屋出版
http://www.asahiya-jp.com/NEW/index.html

命がけで行ってきた知られざる日本の秘境 旅行ガイドには載っていない本当の秘境の面白さがわかる!
 /鹿取茂雄/842円/彩図社
http://www.saiz.co.jp/saizhtml/bookisbn.php?i=4-8013-0161-0

脳を知る・創る・守る・育む 17 音楽と脳/脳の世紀推進会議/1,296円/クバプロ
http://www.kuba.co.jp/syoseki/detail.php?no=3305

安らかな生死 尊重死のすすめ/大谷 英樹/1,296円/文芸社
http://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/new/

2016/06/24

グッド・マス ギークのための数・論理・計算機科学
  /Mark C.Chu‐Carroll/2,808円/オーム社
http://shop.ohmsha.co.jp/shopdetail/000000004647/

奴隷船の歴史/マーカス・レディカー/7,344円/みすず書房
http://www.msz.co.jp/topics/07892/

ヒトはどこまで進化するのか/エドワード・O.ウィルソン/2,160円/亜紀書房
http://www.akishobo.com/book/detail.html?id=774&st=1

2016/06/23

インド人の謎/拓 徹/929円/星海社 星海社新書
http://ji-sedai.jp/book/publication/indojin.html

フライパンで山ごはん シンプル・簡単なレシピ90/1,296円/山と溪谷社
http://www.yamakei.co.jp/products/2815043490.html

未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI
  /岩貞るみこ/1,296円/講談社
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062201148

Q思考 シンプルな問いで本質をつかむ思考法/ウォーレン・バーガー
  /1,728円/ダイヤモンド社
http://www.diamond.co.jp/book/9784478023426.html

その島のひとたちは、ひとの話をきかない 精神科医、「自殺希少地域」を行く
  /森川すいめい/1,512円/青土社
http://www.seidosha.co.jp/index.php?9784791769315

アックス Vol.111 つげ義春氏に訊く 特集安部愼一/999円/青林工藝舎
http://www.seirinkogeisha.com/ax/424-9.html

2016/06/21

レッドチーム思考 組織の中に「最後の反対者」を飼う/ミカ・ゼンコ/2,052円/文藝春秋
http://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163904771

遺伝子組み換えのねじ曲げられた真実 私たちはどのように騙されてきたのか?
  /スティーブン・M.ドルーカー/3,456円/日経BP社
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P51450.html

2016/06/20

大人の少女マンガ手帖 オカルト・怪奇ロマン/『このマンガがすごい!』編集部/1,058円/宝島社
http://tkj.jp/book/?cd=02564901

野戦病院でヒトラーに何があったのか 闇の二十八日間、催眠治療とその結果/ベルンハルト・ホルストマン/2,700円/草思社
http://www.soshisha.com/book_search/detail/1_2210.html

メディアの怪人徳間康快/佐高信/778円/講談社+α文庫
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062816755


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【読書】サラサラの組織

2016-06-21 23:05:39 | 読書記録

勤め先の研修資料に、ほんの1行、本文引用と、野中さんの名前が
出ていた。響く一文だった。気になって読んでみた。

よくできた本だなぁ、という印象。

組織変革の要素が分かりやすくひととおり網羅されている。
ストーリー仕立ての導入部に、最初少し面食らったけれど、面白い。

2008年12月の刊行だから、既に7年半。でも古さはない。

むしろそんなに以前から言われていることを、企業の多くはおそらく
実践し切れていないだろう。

ケースとして取り上げられている企業は、この頃から既に地力を蓄え
始めていたのだろう。いかに継続するかを課題として述べていたりする
けれど、多くは今もって元気な気がする。

この差は大きい。

-----
サラサラの組織 あなたの会社を気持ちいい組織に変える、七つの知恵
野村 恭彦 共著
ダイヤモンド社 2008/12
http://www.diamond.co.jp/book/9784478007877.html

(2016.6.18)


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【映画】シチズンフォー スノーデンの暴露

2016-06-19 16:08:51 | 映画

本作は、諜報機関の暴走と内部告発者、という(マスコミがよくやる
ような)ステレオタイプのドラマ仕立てに見えることを慎重に避けて、
本質的な問題を"暴露"している。

カメラ(ローラ)は、記者(グレン)によるスノーデンからの聞き取りや、
公開に際しての極めてデリケートな要素の相談を軸に、"暴露"の
準備段階からその後までを追う。

常に緊張がつきまとう。

情報通信のプロではない記者に対する説明、の形で、すなわちかなり
噛み砕いて語られる盗聴・監視の実態。開いた口が塞がらない。

スノーデンを援護する人々や、スノーデン以前に戦っていた人々に
共通する視点は、国家権力によるプライヴァシーの侵害がもたらす
自由の抑圧への対抗である。

そういう健全な対抗力があることがUSの強さだと思うのだけれど、
それをあらゆる手段でねじ伏せようとする国家権力が透けて見える。
監督の危機意識はその辺りにもあるのではないだろうか。

スノーデンが語る "以前のインターネットは自由であり、誰もが
意見を表明できる場だった" という話。
「インターネット・ガバナンス」に書かれていた懸念を思い出した。

恐れが、自由を抑圧しようとしているのかも知れない。

-----
公式サイト:http://gaga.ne.jp/citizenfour/

(2016.6.19)

以下雑感。

良し悪しは別として、NSAがそこまで"やっちゃった"雰囲気が頭に
浮かんだりした。

想像:
 9.11の発生を看過したという大きな失敗の責めを受けたCIAが、
 再発は絶対にならん、とNSAに指示を飛ばす。
 テロリストの潜伏は巧妙。全部のデータを洗わないと・・・
 「データの中身を全部"意識"するわけじゃないし、アラートが
 出たところだけ見るのだから問題ないでしょ(技術者と官僚)」

 大トラブル後の行き過ぎた再発防止策、国家権力に限らず、
 どんな組織でもそういうことをやりかねない…。

さておき。

データは全部保存されている。
過去に遡って、後付けで被疑者を「検索」することもできる。

一定条件に対する一致から、その人物が不適切な行為をしていた
という仮説に基づいて、対抗措置を起動する可能性への懸念。

…今は、そこが自動化されていないからまだいい。
対抗措置を起動するまでの間、たとえ恣意的な力が働いたりするに
せよ、人的な意思決定が何段か入っているのだから。

AIが入って、意思決定の何段かが自動化されたらどうなんだろう。
そういう"嫌な予感"もこの映画から受け取った。

「そう簡単に自動化しないでしょ」?
技術者は、時に、純粋に目的達成に邁進する。達成度の高さに陶酔する。
システムの向こうにいる「人」を忘れて。

組織が、目的の与え方を間違えれば、そうなる可能性は常にあるだろう。


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【読書】馬を飛ばそう

2016-06-15 23:24:09 | 読書記録

主題はシンプル。
創造は、降ってきたり天が与えたりしないよ、ということ。

歴史的にスゴイと言われている発見、発明、イノベーション、
そのレベルに至った経緯を様々取り上げていて、そっちの方が興味深い。

繰り返し、続けることが、そこに至る道であること。
一人で行うものではないこと。

"偉大な人"の功績の裏に、差別によって日陰に追いやられた人があること。
かつての誤った論理が、今なお人々に自らの創造性を否定させていること。
などなど。

-----
馬を飛ばそう IoT提唱者が教える偉大なアイデアのつくり方
ケヴィン・アシュトン 著
日経BP社 2015/12
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P51350.html

脚注も面白そうなのだけど。
電書だとパラ見がしにくいのが難点だなぁ。

(2016.6.12)


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気になる本 2016/06/13-19

2016-06-15 22:31:58 | 気になる本

2016/06/17

モノから見たアイヌ文化史/関根 達人/2,052円/吉川弘文館
http://www.yoshikawa-k.co.jp/book/b227422.html

重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち/ジャンナ・レヴィン/1,728円/早川書房
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013261/

人類進化の謎を解き明かす/ロビン・ダンバー/2,484円/インターシフト
http://www.intershift.jp/w_zinrui.html

イノベーション・ドライバーズ IoT時代をリードする競争力構築の方法
  /氏家 豊/3,240円/白桃書房
http://www.hakutou.co.jp/book/b238478.html

死ってなんだろう。死はすべての終わりなの?  10代の哲学さんぽ
  /フランソワーズ・ダステュール/1,404円/岩崎書店
http://www.iwasakishoten.co.jp/book/b222771.html

天文キャラクター図鑑 宇宙の不思議がまるごとよくわかる!/渡部 潤一/1,620円/日本図書センター
http://www.nihontosho.co.jp/2016/06/post-617.html

マルクス最後の旅/ハンス・ユルゲン・クリスマンスキ/2,592円/太田出版
http://www.ohtabooks.com/publish/2016/06/17143224.html

オカルト 現れるモノ、隠れるモノ、見たいモノ/森達也/778円/角川文庫
http://www.kadokawa.co.jp/bunko/bk_detail.php?pcd=321512000034

ルポ父親たちの葛藤 仕事と家庭の両立は夢なのか/おおた としまさ/940円/PHPビジネス新書
http://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-83068-1

女性活躍の推進 資生堂が実践するダイバーシティ経営と働き方改革/山極 清子/1,728円/経団連出版

2016/06/16

ウソはバレる 「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング
  /イタマール・サイモンソン/1,944円/ダイヤモンド社
http://www.diamond.co.jp/book/9784478026786.html

人工知能は敵か味方か パートナー、主人、奴隷−人間と機械の関係を決める転換点
  /ジョン・マルコフ/2,376円/日経BP社
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P51410.html

AI時代の勝者と敗者 機械に奪われる仕事、生き残る仕事
  /トーマス・H.ダベンポート/2,268円/日経BP社
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P51620.html

アフターライフ 亡き兄が伝えた死後世界の実在、そこで起こること
  /アニー・ケイガン/1,728円/ダイヤモンド社
http://www.diamond.co.jp/book/9784478039281.html

世界の巨匠ティニ・ミウラの手造り豪華本1990-2015/ティニ・ミウラ/19,440円/勉誠出版
http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&cPath=1&products_id=100616

放鷹文化と社寺縁起 白鳥・鷹・鍛冶/福田 晃/9,180円/三弥井書店
http://www.miyaishoten.co.jp/main/003/3-2/houyoubunka.html

日本で老いて死ぬということ 2025年、老人「医療・介護」崩壊で何が起こるか
/朝日新聞迫る2025ショック取材班/1,512円/朝日新聞出版
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=18159

2016/06/15

イレズミと日本人/山本 芳美/886円/平凡社 平凡社新書
http://www.heibonsha.co.jp/book/b226836.html

脳が壊れた/鈴木大介/821円/新潮社 新潮新書
http://www.shinchosha.co.jp/book/610673/

重力波は歌う アインシュタイン最後の宿題に挑んだ科学者たち
  /ジャンナ・レヴィン/1,728円/早川書房
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013261/

アルファ・ラルファ大通り 人類補完機構全短篇
  /コードウェイナー・スミス/1,296円/早川書房 ハヤカワ文庫 SF
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013249/

私が虫を食べるわけ/ダニエラ・マーティン/1,800円/飛鳥新社
http://www.asukashinsha.co.jp/book/b238126.html

隈取 大鳥順一郎押隈コレクション/西村 寛子/3,240円/New York Art
http://pub.maruzen.co.jp/shop/9784902437683.html

バイリンガルで楽しむ歌舞伎図鑑/君野倫子/2,052円/小学館
https://www.shogakukan.co.jp/books/09310843

日本刀の科学 武器としての合理性と機能美に科学で迫る /臺丸谷政志/1,080円/SBクリエイティブ サイエンス・アイ新書 科学
http://www.sbcr.jp/products/4797381573.html

2016/06/14

クオンタムユニバース 量子
  /ブライアン・コックス/2,376円/ディスカヴァー・トゥエンティワン
http://www.d21.co.jp/shop/isbn9784799319147

DevOps教科書/レン・バス/3,240円/日経BP社
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P85440.html

2016/06/13

心に静寂をつくる練習/吉田 典生/1,620円/WAVE出版
http://www.wave-publishers.co.jp/np/isbn/9784866210018/

日本、この決然たる孤独 国際社会を動かす「平和」という名の脅迫
  /西尾幹二/1,836円/徳間書店
http://www.tokuma.jp/bookinfo/9784198641689


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【映画】エクス・マキナ

2016-06-13 07:11:51 | 映画

この映画の真骨頂は、シンギュラリティに関する論点の1つについて、
起こりうるケースをエンタメ色豊かに視覚化している点だと思う。

人物は片手で数えられるほど。広大な自然、閉じた空間。
エヴァの人工っぽい仕草や表現から魅力的な美女への変化、
アリシア・ヴィキャンデル。
オスカー・アイザックはちょっと怪演入ってる。面白い人物造形。
ドーナル・グリーソンの戸惑いと過信。

私が幾つか読みかじっているAI本の中では「人工知能 人類最悪にして
最後の発明」に示されている"可能性"がイメージと近い。

人がどんなに気をつけても、人は感情があるしバイアスもあるし。
ASIは何とも思わない。「思わない」って表現も変ですね。
そもそも持っていないのだから。

サスペンスであり、警句でもある。

現実はこんなふうにドラマティックでなく、もっとあっさりと
人間が気づかぬうちに起こるのかもしれない。

-----
公式サイト:http://www.exmachina-movie.jp/

(2016.6.12)


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【映画】FAKE

2016-06-13 07:05:47 | 映画

あまりにマスコミが煽って取り上げるゴシップには「放っとけ」と思う。
アクセスすること自体がそれを助長するのも嫌だから、頭をもたげる
好奇心をなだめて、あえてチャンネルを合わせない、クリックしない。
この映画も、当初、劇場に行くつもりはなかった。

でも行っちゃった。
「すごい作品」という噂に、好奇心が勝ってしまったのである。

行ってよかったんだと思う。

映像が捉える光景は、様々な断片を突きつける。
本当のところどうだったかは、観た者の判断。いわゆるラスト12分。

でもそれより何より、自問自答がふと湧く。
「何でここで、これを観てるの?自分」

カメラが映す彼の行動に、言語に、あるいは他者とのやりとりに、
知らず知らず、疑惑と真実の境目を見極めようとする自分がいる。
やっぱり嘘?演技してる?でもこれは本心?・・・。

ドキュメンタリーがどう捉えるかへの知的好奇心?言い訳だ。私も野次馬。

誰かの真実を追うことを入り口に、自分に向き合わされる映画。

-----
公式サイト:http://fakemovie.jp/

(2016.6.12)


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【歌舞伎】歌舞伎座 六月大歌舞伎 2016年6月

2016-06-12 00:58:08 | 歌舞伎

六月大歌舞伎
義経千本桜

舞台上の空気感がずっと高密度。
人物たちの感情の波の振幅を味わう。
-----

<第一部>

前半の銀平は爽やかめ、女房お柳の"空気読まない"お喋り。

少し不思議な雰囲気。空気がちょっと繊細なのかな。
一族の終末を予感しているようにも感じたり。

でも幽霊から大物浦へ、一転。重厚。

染五郎さんの知盛は重厚さを押し出し。 
猿之助さんの典侍の局の大きさと覚悟。 

猿弥さんの弁慶、右近さんの相模五郎(魚尽くし!)。
右近さんご子息タケルくんお目見得。ものおじしないねぇ。

御簾内の義太夫が多彩。

第一部の〆は所作事「時鳥花有里」。
梅玉さんの義経、余裕。
染五郎さんの傀儡師の技。


<第二部>

幸四郎さんのいがみの権太。強請での太さ。

松也さん小金吾の若侍の未熟と本気。
 
第二部の猿之助さんは、初々しいお里。
この方、こんなに娘が上手かったっけ?(失礼)、自然に"娘"。

若葉の内侍(高麗蔵さん)が、鮓屋に身をやつした維盛(染五郎さん)
を嘆くシーンがいいな。

(2016.6.11)


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【映画】マネーモンスター

2016-06-12 00:20:35 | 映画

先の読めない進行と緊迫感。
軽薄マネーTV番組の軽薄スターを演じるジョージ・クルーニー、
後半がオイシイ。TVクルーたちの普通さと意気地。

謎解きの流れがちょっと難か。
CCOの疑念の辺りやオフラインのくだりとか。

カイルの成り行き、キャンビーの悪びれなさ。痛烈な批判。
エンタメとしては派手さはそこそこ、じわっとくる後味。

-----
公式サイト:http://www.moneymonster.jp/

(2016.6.10)


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気になる本 2016/06/06-12

2016-06-09 22:52:42 | 気になる本

2016/06/10

世界植物神話/篠田 知和基/3,024円/八坂書房
http://www.yasakashobo.co.jp/books/detail.php?recordID=673

「怪異」の政治社会学 室町人の思考をさぐる/高谷 知佳/1,890円/講談社選書メチエ
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062586290

知能と人間の進歩 遺伝子に秘められた人類の可能性/ジェームズ・R.フリン/2,268円/新曜社
http://www.shin-yo-sha.co.jp/mokuroku/books/978-4-7885-1482-9.htm

なぜ近代は繁栄したのか 草の根が生みだすイノベーション/エドマンド・S.フェルプス/6,048円/みすず書房
http://www.msz.co.jp/book/detail/07961.html

2016/06/09

ハチスカ野生食材料理店/蜂須賀 公之/1,512円/小学館
http://shogakukan.co.jp/books/09366549

世界ぐるっとひとり旅、ひとりメシ紀行/西川治/864円/大和書房 だいわ文庫
http://www.daiwashobo.co.jp/

世界しあわせ紀行/エリック・ワイナー/1,188円/早川書房  ハヤカワ文庫NF
http://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000013251/

愉しき夜 ヨーロッパ最古の昔話集/ストラパローラ/3,456円/平凡社
http://www.heibonsha.co.jp/book/b226817.html

バスク料理大全 家庭料理、伝統料理の調理技術から食材、食文化まで。本場のレシピ100
  /作元 慎哉/3,024円/誠文堂新光社
http://www.seibundo-shinkosha.net/products/detail.php?product_id=5015

風水師が食い尽くす中国共産党/富坂 聰/864円/角川新書
http://shinsho.kadokawa.jp/product/p-321510000595/

日本の革新者たち 100人の未来創造と地方創生への挑戦/齊藤 義明/2,160円/ビー・エヌ・エヌ新社
http://www.bnn.co.jp/books/8142/

2016/06/08

ENIAC 現代計算技術のフロンティア/Thomas haigh/5,940円/共立出版
http://www.kyoritsu-pub.co.jp/bookdetail/9784320124004

ミステリ珍本全集 12 屍の記録/鷲尾三郎 著 日下三蔵 編/3,672円/戎光祥出版
http://www.ebisukosyo.co.jp/products/detail.php?product_id=253

英語版で読む日本人の知らない日本国憲法/畠山雄二/1,512円/KADOKAWA
http://www.kadokawa.co.jp/product/bk_detail.php?pcd=321602000215

2016/06/07

よくわかる高齢者心理学/佐藤 眞一/2,700円/ミネルヴァ書房
http://www.minervashobo.co.jp/book/b217895.html

認知症の語り 本人と家族による200のエピソード
  /健康と病いの語りディペックス・ジャパン/2,592円/日本看護協会出版会
http://www.jnapc.co.jp/products/detail.php?product_id=3437

ザ・クラウドファンディング/佐々木 敦也/1,944円/金融財政事情研究会
http://store.kinzai.jp/book/12880.html

ブロックチェーンの衝撃 ビットコイン、FinTechからIoTまで社会構造を覆す破壊的技術/ビットバンク株式会社/3,024円/日経BP社
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/254310.html

日本と世界のアニマルウェルフェア畜産 上巻 人も動物も満たされて生きる/松木 洋一/1,944円/養賢堂

ソーシャル化と放送メディア/日本民間放送連盟・研究所/3,132円/学文社

2016/06/06

ロボット・イン・ザ・ガーデン/デボラ・インストール/918円/小学館 小学館文庫
http://www.shogakukan.co.jp/books/09406237

「生と死」の21世紀宣言 Part7 少子化、超高齢化の中で「死を生きる」道を拓く
  /21世紀高野山医療フォーラム 編/1,728円/青海社
http://www1.tcn-catv.ne.jp/seikaisha/

国家を考えてみよう/橋本治/886円/筑摩書房 ちくまプリマー新書
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480689610/

企業文化 ダイバーシティと文化の仕組み 改訂版/E.H.シャイン/3,780円/白桃書房
http://www.hakutou.co.jp/book/b238184.html


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【映画】団地

2016-06-05 19:06:56 | 映画

けっこう好き。
ユルさとビビッドの同居。
星新一テイスト×団地ゴシップ×"自然と宇宙の深淵"。

この、超世俗とハイパー認知の間で、じんわり濃厚に味を出すのは
藤山直美と岸部一徳による山下夫婦。

藤山直美、"どんくさいは強い"と君子(大楠道代)が台詞に上らせる
よりも前に、観客はそれを感じ取っている。

漢方で丸薬を作るシーンが面白い。
「無心に料理していたら嫌なこと辛いことを忘れられる」っていう感覚と
近いかもなぁ。
人の手。湿気や温度への配慮が、服用する人への愛情と責任を感じさせる。

最後のほうテンポが伸びた感じが少し残念。

斉藤工演じる真城は登場早々、整ってるのに変調で可笑しい。

-----
公式サイト:http://danchi-movie.com/

"自然と宇宙の深淵"的なところに、阪本監督のイマジネーションが
映っている気がするし、現実とそれ以外について漢方を引き合いに
語る辺りとか、「そうそう」って思う人が結構いるんではないかな。

(2016.6.5)


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【映画】デッドプール

2016-06-02 00:11:21 | 映画

ありゃ!? ほっこりしたぞ。

アンチヒーローというよりも、どこまでもMyWayな主人公。
でも源泉がピュア。

戦闘はシャープで、ダイナミック。型がきれい。
残酷シーンがてんこ盛り。(子供は見ちゃダメ!)
たまに「うぇ」って思うけど、ちょっと爽快感があるのも確か。

ややマニアックな映画ネタやシモネタ、ブラックな笑い。

映画の日の水曜にわざわざ封切るっていうのは、どういう意図かなぁ
と思いながら観に行った。正直なところ駄作覚悟だった。
案外、後味、悪くない。…配給元の狙いにはまったか。

後から考えれば。
主人公は特殊部隊上がりの外れ者、彼女は娼婦。
アンチ道徳な設定だけど、マイノリティへの温かい眼差しとも取れる。
家主のおばあちゃんやバーの友達との関係なんかもいいのだ。

戦闘は、絵的に、子供心で作ってる感じだし。(ゆえに面白い)。
主人公の茶化しっぷりも子供っぽさがあるし。(ゆえに時に鋭い)。
エンディングのアニメーションとか。

これ、"カワイイ"の逆輸入ってやつ?

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公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/deadpool/

(2016.6.1)


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