ぐるぐる・ぶらぶら

歌舞伎と映画と美術と読書の感想

気になる本 2013/01/28-03

2013-01-29 22:42:08 | 気になる本

2013/02/01-03

嗅覚と匂い・香りの産業利用最前線/古賀良彦/38,640円/エヌ・ティー・エス
     嗅覚、匂い、香りを利用した、高付加価値商品開発の必須情報を集約。商品開発と
     香料の選択法および生活の質の改善について記すとともに、分子メカニズムに関する
     先端的研究、心身両面の匂いの影響の評価法も収録する。

ソーシャル時代のブランドコミュニティ戦略
つながる、発信する、共に創るためのプラットフォーム構築法/小西 圭介/1,890円/ダイヤモンド社
     ソーシャルメディア革命を詳しく掘り下げ、生活者主導のメディアが台頭する時代に、
     企業が新たな手段で顧客との関係を構築し、価値を創造する取り組みを進めていく
     ブランドコミュニティ戦略について解説する。

佛教藝術 東洋美術と考古学の研究誌 326号(2013年1月号)
立体『維摩詰経』としての龍門石窟賓陽中洞ほか/佛教藝術學會/3,360円/毎日新聞社
     「立体『維摩詰経』としての龍門石窟賓陽中洞」「法隆寺金堂木製天蓋(西の間・
     中の間・東の間)の年輪年代調査」ほかの論考を収録。

2013/01/31

ドナルド・キーン著作集 第6巻 能・文楽・歌舞伎/ドナルド・キーン/3,150円/新潮社
     誰よりも日本文学を深く究めた著者の70年に及ぶ執筆活動のエッセンスを集成。
     第6巻は、能・文楽・歌舞伎といった日本の古典芸能について独自の視点から綴った
     論考のほか、「私の日本文学逍遙 古典をめぐって」も収録。
http://www.shinchosha.co.jp/book/647106/

円朝全集 第2巻/三遊亭 円朝/8,820円/岩波書店

かな古筆名跡便覧 和様の美/福井 淳哉/1,890円/淡交社
     平安時代から室町時代までの間に書写された主要な「かな古筆」300種以上を
     取り上げて解説する。ほか、和様の書と仮名、古筆切についての論考、
     原色図版17点、主要古筆手鑑一覧などを収録。

すぐわかるヨーロッパの装飾文様 美と象徴の世界を旅する/鶴岡 真弓/2,100円/東京美術
     ヨーロッパ伝統の「文様」と「象徴」に彩られた装飾を4つの時代に区分し、
     起源と歴史的展開の両面からヴィジュアルに読み解く。さらに神話、歴史、復興
     という観点から光を当て、現在にどのように活用されているかも示す。
http://www.tokyo-bijutsu.co.jp/?act=book&op=detail&bid=257

エロスの庭 愛の園の文化史/ミヒャエル・ニーダーマイヤー/5,250円/三元社
     人類にとっての根源的メタファーのひとつ、庭。豊饒崇拝や楽園イメージと結びつき、
     性愛の舞台となってきた庭園の文化史を、先史時代から現代まで、文学や美術との
     関連とともにひもとく。

2013/01/30

仏教は宇宙をどう見たか アビダルマ仏教の科学的世界観/佐々木 閑/1,890円/化学同人
     仏教の思想を体系的にまとめた「アビダルマコーシャ」。その「仏教的世界観の
     客観的叙述」を考察し、釈迦が考えたこの世界のあり方を読み解く。現代科学に
     似ているようで全く異なる世界観を示し、仏教と科学の接点を考える書。

スマリヤン記号論理学/高橋昌一郎 (監訳)、川辺治之 (訳)/2,520円

2013/01/29

江戸の献立/福田 浩、松下 幸子、松井 今朝子/1,680円/新潮社
     水戸黄門の宴会料理、作家・馬琴の昼餐など、史実に残る江戸の献立12組を
     料理店「なべ家」主人が正確に再現。当時の食卓についての鼎談、エッセイなども
     収録する。レシピ付き。『小説新潮』連載に書下ろしを加え書籍化。

近松浄瑠璃の史的研究 作者近松の軌跡/井上勝志/9,450円/和泉書院
     近松の諸作の意義を浄瑠璃史の中で捉え、作者活動の軌跡を京坂興行界との関わり
     のうちに定位。

強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く/大栗 博司/924円/幻冬舎
     宇宙に働いている「強い力」と「弱い力」。その発見は、ヒッグス粒子の魔法に
     よって覆い隠された、自然界の美しい法則を明らかにする営みでもあった。
     やさしくロマンあふれる語り口で宇宙創成の謎に迫る、知的冒険の書。

山村における事業展開と共有林の機能/西野 寿章/7,035円/原書房
     明治以降の日本の山村に存在してきた共有林について、地域開発に係わる事業展開
     に際しての山村の共有林の利活用の歴史的分析や山村社会の社会経済的な外部イン
     パクトへの対応の分析等から、その機能を時系列的に明らかにする。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【展覧会】白隠展

2013-01-27 00:54:13 | アート・文化

bunkamuraにて。

独学で、他からの影響を受けずに画風を確立した、という前知識と、
代表作の中でもユーモラスな作品の印象が強かったので、絵的には
ヘタウマなのかと思っていたが(すみません)、違った。

若い頃、30代で描かれた達磨や、入り口近くにあった方の蓮池観音の
下部に描かれた寒山拾得など定番モチーフを見ると、高度な画力を
身につけたお方であることが分かる。

そこから数十年を経て晩年、60代~80代に、禅宗の教えを拡げるために
多く描かれた闊達な作品群。
布袋やすたすた坊主など、この上なくユーモラスでシンプル。

力強くためらいのない書跡。
しかし、「北野天満宮」っていうのは…どういうシチュエーションで
書かれたのであろうか。冗談入ってるんじゃないか。
それとも当時は「北野天満宮」の権威ゆえありがたみがあったのか。

私たちがただただ美術作品として美しさや可笑しさを受け取ってしまう
のは、白隠の意図したところには一歩足りないのだろうと思うと、
少し申し訳ない気分も。
当時の人々は描かれたなかみ、教訓、教えを、感受性で受ける美・笑の
要素と一体で受け取れたのだろうか。
右脳と左脳を一緒に働かせられないのは現代だからなのか。

(2013.1.26)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画】ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q

2013-01-27 00:51:06 | 映画

なんだろうなぁ。

とにかく戦闘シーンの映像がすんばらしい。
リアルを描くCGではなく、アーティスティックなCGの使い方。
うねり・膨張・波紋・炸裂…etc、無機物が有機的な挙動を見せる
ところなんか、ゾクゾクする。
構図もアート。モダンアートのオブジェのような構図がいくつも
描き込まれている。
クール。

謎かけ、アナロジー、暗喩、が多用されているのだろうと思うが、
(私は)解けなすぎて楽しめるところまでは至らず。

女性陣がみんなしなやかに強くて素敵。

シンジ君はね、苛っときます。(監督の狙い通り?)
何って、独りよがりも独りよがり、一番苛々するのは、全然人の
話を聞かない、他人を推し量るという気配が全くないところ。
そのキャラ造形、徹底的。

<巨神兵東京に現わる 劇場版 G>

東京都現代美術館で、映像を観た後にメイキングに関連する展示を
見ていたので、劇場で再会した今回はまた違った楽しみ方となった。
たまたま見た映画館が渋谷にあったことも臨場感プラス。

モノローグの内容が、厭世にも諦念にも希望にもなり切れないところが、
今回も、どうしても、スッと入ってはこなかった。
それはこのショートムービーに限らずエヴァ本編もそうだけど…。

(2013.1.26)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画】アルゴ

2013-01-27 00:49:13 | 映画

実話に基づいているというから凄い。
USってこういうところが半端ない。やっちゃうんだもの。

映画としては、心理劇的な要素と物理的なスリルをふんだんに入れて
見ごたえがあった。手に汗握る。

現実は色々あったんだろうな。
それを考えるとコンパクトに都合よくまとまっている感、ややあり。
救出にかかわった人々に善意・正義心が、拘束する側に非人間性が、
拘束されていた6人にエゴが、それぞれ偏って描かれている。

(2013.1.26)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画】テッド

2013-01-24 22:08:32 | 映画

クマが可愛い成りしてハチャメチャ、大騒ぎ、笑った!
ジョンとの格闘なんてもう!

ブラックジョーク、シモネタが満載なのだが、クマがやってるから
あんまり嫌な感じにならない。
あの、もこもことした二頭身は何をやっても可愛い。CG上手いし。

見た目がキュートな上に、中身は、下品なだけじゃなく、(クマだから
立派な社会人ではないことへの苦悩が全然ないこともあり)思い切りが
よくて肝が据わっている"男"なんである。テッドがセレブな美女たちと
ウマイことやってきたのは、よく分かる気がする。

魂が宿ったクマのぬいぐるみとの友情(腐れ縁)と恋人の間で揺れる
いい歳した男の、人生の転機の物語である、という言い方もできる。

70~80年代あたりを中心とした様々な映画へのオマージュが詰め込まれた
一作でもある。
オマージュってのが少しヒネてて、おちょくりが入ってるのだが、
冷笑的なものではなく、愛情がこもっている。

(ちなみにおちょくりの幾つかは、本歌ではもっともらしい虚構で凌いでた
部分をリアルに考えたらこうでしょ、という展開に変換してる。)

この映画自体、E.T.への愛が産み出したんじゃないかという気すらする。

そしてこれは、善なるダメダメ人間への賛歌なんじゃないかとも思う。
ダメダメへの温かなまなざしを感じるのだ。

(2013.1.23)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画】LOOPER ルーパー

2013-01-24 22:04:52 | 映画

観てよかったし、もう1回観てもいいと思った。

見事な構成と、気持ちが動かされるストーリー。
クールだしスリリング、フィルムノアール+レトロSF。
少し苦いけど爽やかな後味。

ジョゼフ・ゴードン=レヴィットとブルース・ウィリスが同一人物で
あることに案外違和感がなかったのは演出の上手さだろうか。

 ⇒(追記)と思ったら特殊メイクの効果なんですね。
  2人のブルース・ウィリスを作り出した特殊メイクの舞台裏(日経トレンディネット)
  http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20130115/1046885/ 

タイムトラベルの使い方は確かに斬新。
ちょっとツッコミ入れたいところはありましたが。
そんなこと気にする必要を感じないのはレトロ(ある種B級)であることを
上手く押し出していたから。気分良く劇中世界に浸れた。

SFで未来を描く場合、背景から小道具まで完全に作り込む場合と、
日常にちょっとだけ未来要素を入れて撮る低予算型の手法があるが、
本作はハイブリッドで、その塩梅がちょうどいい感じ。
作り込み要素である、タイムマシンやラッパ銃のレトロ感もいいし、
農場の広大な畑(とうきび?)の使い方も素敵。

(2013.1.22)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

気になる本 2013/01/21-27

2013-01-23 00:41:08 | 気になる本

2013/01/26

日本の伝統染織事典/中江 克己/2,940円
     日本各地に残る伝統的な「染め物」「織り物」。その技術や、成り立ちと展開、
     そして現況まで、風土にマッチした個性的な伝統産業を詳細に紹介する。染め織り
     用語小事典、染め織りの略史など参考資料も収録。

世界を先駆ける日本のイノベーター 新規事業創出へ工学知を創造する8人/垂井 康夫、赤城 三男/1,890円/オーム社
     量子ドットデバイスの提案と実現、リチウムイオン電池の基本構造の確立、
     デジタルカメラの手ぶれ補正技術などの発明…。電子・情報分野において、
     世界を先駆ける日本のイノベーター8人を紹介する。

未来を創るリーダー10のスキル 不確実性の時代を生き抜く新たな人材の条件
/ボブ・ヨハンセン/2,100円/日本能率協会マネジメントセンター
     これからのグローバル社会が求めるリーダーシップの要件とは? 未知の未来を生き抜く
     ために必要な10のリーダーシップスキルを明確に定義し、その身につけ方から
     実践方法までを豊富な事例で解説する。

アートを生み出す七つの数学/牟田 淳/2,100円/オーム社
     美しいアート作品の中に潜む数学とは? 直感的に理解しにくい微分方程式を、
     微分方程式の解で描かれたアート作品とからめて数値的、視覚的に紹介することで、
     わかりやすく解説する。

脱しきたりのススメ/島田 裕巳/1,575円/毎日新聞社
     しきたりの背後に隠れている、人間の欲望。さあ、しきたりの化けの皮を?がそう
     ではないか! 結婚式からお中元、離婚、葬式まで、ニッポンのしきたりを鮮やかに
     斬る、博学卓識の痛快社会批評。『本の時間』連載を単行本化。

2013/01/24

皮膚感覚と人間のこころ/傳田 光洋/1,155円/新潮選書
     外界と直接触れ合う皮膚は、自己と他者を区別する重要な役割を担っている。
     脳からの指令を受ける一方で、自ら状態をモニターしながら独自の情報処理を行う
     皮膚の最新研究を通して、生命とこころの本質に迫る。

妖怪学の祖 井上圓了/菊地 章太/1,785円/角川選書
     明治時代、狐憑きなどの怪現象に合理的な道筋をつけることこそが哲学普及に
     つながると信じて奔走。開学した哲学館(現東洋大学)で妖怪学の講義を行い、
     日本各地で膨大な怪異談を収集した哲学者・井上圓了の評伝。

絞り染め大全 日本の絞り染めの歴史から技術まですべてがわかる/安藤 宏子/7,875円/誠文堂新光社
     杢目絞り、折り縫い絞り、日の出絞りなど、様々な日本の絞り染めの技法を工程写真
     で詳しく解説。江戸~昭和の全国各地の絞り染めの着物、藍染めについてなど、絞り
     染めに関わる情報も収録する。〔「日本の絞り技法 技法篇・資料篇」(日本放送出版
     協会 1992年刊)の改題,合本〕

2013/01/23

江戸期視覚文化の創造と歴史的展開 覗き眼鏡とのぞきからくり/板垣 俊一/7,140円/三弥井書店
     「外界」という新しい世界を日本にもたらした遠近法絵画と不可分の装置
     「覗き眼鏡」、浄瑠璃や歌舞伎など民衆文化と深く関わり芸能として広く
     親しまれた「のぞきからくり」。江戸時代に存在した3D映像のルーツに迫る。

共感する心の科学/串崎 真志/2,310円/風間書房
     人助けや利他的な行動を支える重要な土台である「共感」。基礎研究に焦点を
     あてて、人はどうして共感できるのか、あるいは共感できないのかという心の
     メカニズムを、さまざまな実験を紹介しながら考察する。

能を読む 1 翁と観阿弥/梅原 猛 監修 他/6,825円/角川学芸出版

希望の原理 第3巻 (白水iクラシックス)/エルンスト・ブロッホ/4,410円/白水社

2013/01/22

日本の型紙 ISE KATAGAMI/3,780円/パイインターナショナル
     三越伊勢丹所蔵の、さまざまな手法で手彫りされた日本古来の美しい伝統的な
     文様の伊勢型紙を多数掲載。型紙文様1600点をJPEG・PNG形式で
     収録したDVD-ROMと、文様をデザインしたふろしきを紹介する冊子付き。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【歌舞伎】夢市男達競 国立劇場 2013年1月

2013-01-20 20:45:13 | 歌舞伎

初春歌舞伎公演 河竹黙阿弥「櫓太鼓鳴音吉原」より尾上菊五郎監修
西行が猫頼豪が鼠「夢市男達競(ゆめのいちおとこだてくらべ)」

菊五郎一座による新春らしい娯楽作でした。
古典の見せ場をつぎはぎした感じの構成に、意外なキャスティング、
随所に仕込まれたネタ・演出、2役3役の役者さんたちの変化を楽しむ。

まずはケレンたっぷりの序幕から始まり。左團次さん毛だらけだしー。

「夢の市郎兵衛」で菊五郎さんが「夢」とデカく染め抜かれた着流しや
戦闘モードのきらぴかな衣装で出てくるだけでもかなりのもの。
この舞台は、ちょっと斜めから「ひゃはは」と観るべし、とのメッセージ
と受け取りまして。

菊之助さんが力士・明石と新造・胡蝶。
力士、ええ!?…おお! いいぞー。ステキステキ。
胡蝶は、傾城・浮雲(時蔵さん)のかわいくケナゲな○○○(一応伏字)。
深見十三郎(松緑さん)を追って障子向こうに、ダッと(おおっ!)、
場面変わって台所(ほお)、そ、その衣装は、頭には…(えぇ!)、
とか、思わず声をあげ、笑いながら楽しんでしまう場面が次々と。
ちなみに筋的には真面目な場面です。

台所の道具の間で、殺陣のねずみさんたち、動きがすごく工夫されてます。
ぞろぞろちょろちょろ感が、パニック映画を観ているよう。

時蔵さんは、女房おすま、弁天さま、巴、傾城・浮雲と様々な役を
こなしておられて、衣装も色々、いずれもステキ。(楽しそう)
浮雲はちょっとクールビューティな感じ。(うっとり)

雪の下市郎兵衛内の場では松緑さんちの大河くんが大活躍。
長めの台詞もこなしつつ、一家の危機には健気に振舞います。
平成18年1月20日生まれ…ということは観た日は7歳のお誕生日
だったんだ。お誕生日おめでとう。いい演技でした。

メモ① 七福神
恵比寿=梅枝さん(!?)…赤い鯛抱えてかわいい。
大黒=萬次郎さん…最後に袋が飛んでたな。
布袋=亀蔵さん、福禄寿=亀寿さん、寿老人=亀三郎さん、楽しそう。
弁財天=時蔵さん、毘沙門天=松緑さん、…華やか。

メモ② 亀蔵さん ”積極型笑い”のキーポジションを押さえていました。
1つめ。「嫌な色の塀」に始まり、ぴりけん、電波搭、太鼓橋、みつ星(の料理屋)。
2つめ。袖を切られ、帯を切られ、着物が剥けたら…おや!

最後にメインキャスト一同でお年玉?を撒いて(飛ばない・・・)、大団円。

(2013.1.20)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【歌舞伎】新春浅草歌舞伎 第1部 2013年1月

2013-01-19 19:28:23 | 歌舞伎

昨年までの常連俳優陣が、襲名~座長への道を進み始めた今年の浅草、
チラシやポスターに写るリーダー格以外はフレッシュさんに入れ替わり。
楽しく拝見。

一、寿曽我対面

このキャスティングにあると工藤祐経・海老蔵さんが突出した貫禄。

両脇に八幡三郎・隼人さんと近江小藤太・種之助さん、さわやか。

曽我五郎は松也さん、元気炸裂!
曽我十郎は壱太郎さんがはんなりと。

小林朝比奈はおらず、妹・舞鶴を新悟さん。やわ&キリッと上品な姐さん。

工藤祐経の後ろに控える花魁がなんだかかわいいぞ。
化粧坂の少将・梅丸さん、舞妓さん人形のようだ。
大磯の虎・米吉さん、クールな少女っぽさ。
いずれも10代ですって。はぁぁ。

 

二、極付 幡随長兵衛

海老蔵さんの幡随長兵衛が思った以上に良かった。
長台詞も滑らかに、よく通る声が生きていました。
(工藤ではくぐもり気味なのが残念だったのですが)。
欲を言えば、最期の痙攣は工夫の余地ありか?

重鎮俳優さんが演じるのとはまた違った感じ。
侍の部分を多く残していて、腹の据わりは江戸っ子の気風ではなく、
長兵衛の個性なんだろうな、と。
浪人してからおそらく短い時間で、備えたリーダー性をもって
口入れ家業で一大徒党を組むに至ったのであろうと察せられました。

一家の面々もぴっちぴち。
唐犬権兵衛・亀鶴さんが、目下でありつつ対等な気概をよく表現していて
素敵でした。

愛之助さんの水野十郎左衛門、伊予守頼義の吉弥さんら
水野側のエラくてズルイ奴ら(?)を軽やかにぴたりと。

そういう意味では、長兵衛一家の若き熱血と、水野側の軽さが
総合的にはアンバランスではあった。

劇中劇を、市蔵さんらが楽しそうに演じておられました。

(2013.1.19)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

気になる本 2013/01/15-20

2013-01-16 01:58:41 | 気になる本

2013/01/19

橋本治という立ち止まり方 on the street where you live/橋本治/1,323円/朝日新聞出版

江戸の都市プランナー/小林信也著/2,310円/ 柏書房

顔を科学する 適応と障害の脳科学/山口 真美、柿木 隆介/4,830円/東京大学出版会

2013/01/17

日本文化のゆくえ/河合隼雄/1,302円/岩波現代文庫

宮本常一『忘れられた日本人』を読む/網野善彦/1,071円/岩波現代文庫

だれが原子をみたか/江沢 洋/1,491円/岩波現代文庫

母 老いに負けなかった人生/高野悦子/1,029円/岩波現代文庫

万葉集(1)/佐竹昭広、山田英雄ほか/1,134円/岩波現代文庫

2013/01/16

秘密結社イルミナティ入会講座 初級篇/アダム・ヴァイスハウプト/1,575円
     ヨーロッパ随一の秘密結社イルミナティの創始者アダム・ヴァイスハウプトの
     著作を抄訳して再編集。秘密結社への入会を希望する人に向けて、入会の心構え
     と儀式について詳しく綴る。

天ぷらの全仕事 てんぷら近藤の技と味/近藤 文夫/4,410円/柴田書店
     銀座「てんぷら近藤」の主人が、長年にわたって磨き上げてきた仕事のすべてを
     公開。衣の濃度や油の温度を見極める目安と、76種の天種それぞれの仕込みから
     揚げるまでの工程を、写真を用いてわかりやすく解説する。

脳科学革命 脳と人生の意味/ポール・サガード/4,410円/新曜社
     脳科学の進歩がもたらした革命とは? それは世界の認識にどのような変化を
     もたらすのか? 脳科学が知識や現実、道徳性、生きることの意味に関する哲学の
     根本的問題にとって重要であることを、広範に議論する。

2013/01/15

糸から布へ 編む・もじる・組む・交差する・織る技法/小林 桂子/3,990円/日貿出版社


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画・歌舞伎】<中村勘三郎 追悼上映>連獅子/らくだ

2013-01-15 00:06:34 | 歌舞伎

らくだ

 改めて観るとホントに良く出来た小品。
 三津五郎さんの遊び人っぷり、勘三郎さんの小心な紙屑屋~大トラ、
 彌十郎さんの女房おいくが意外とぴったり、亀蔵さんの死体っぷりが(笑)。
 いい座組だなぁ。

連獅子

 今、観ると、、
 例えば子たちを厳しく見据える親獅子の眼に、
 谷を駆け上がる子獅子らに、
 連獅子という舞踊劇を観ること以上の感情が起きてきてしまうのではあるが。

 それを上回る凄さがある。
 あのとき、舞台で見て震えた感じが蘇ってくる。

(2013.1.14)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画】レ・ミゼラブル

2013-01-14 23:44:57 | 映画

よく、できていると思います。
歌の入り方がいい。
歌が台詞のように役者のテンションと合わさって発せられるので
ミュージカルがあまり得意でない私でも、152分の長尺を弛まず見れました。

ラストで図らずも涙。
ストーリーの合理性とかじゃないんだな。
演出と音楽と演技の勝利。

個人的にはエボニーヌ一押し。
信念と行動に説得力がある役柄。

(2013.1.14)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【映画】(ゲキシネ)髑髏城の七人

2013-01-14 23:33:41 | 映画

大娯楽演劇!
迫力と笑いとかっこよさを楽しむ。

殺陣、そうとう凄い。
ワイヤーアクションしてる訳じゃないの知ってて観てるし、
あの入り組んだ立ち回りをこなしていく様に鳥肌が立ったり。

早乙女太一の剣さばきがとてもきれい。
小栗旬、森山未來もよくこなしてる。かっこいい。
森山未來は、ああいう太いキャラクターもいけるんだぁ。色々発見。

関八洲荒武者隊の合いっぷり。

小池栄子=極楽太夫は、後半に向かってどんどんいい女に。

舞台の情景演出にうまく映画手法を入れ込み、
カメラ撮影ならではのアップ、切り替えで役者の表情での表現を強化。
舞台の上演と、後から顔のアップを撮り直したりしているそうなので、
これは舞台的・舞台素材ではあるが、別の作品なのね。

捨之介の衣装すごい。
着流しに見えるけど、きものじゃないと思われる。動きにきれいについてくる。
太ももバーン(よくきれいに開くよね。柔軟)もきれいに映える。

高田聖子=贋鉄斎、むっちゃ、上手い。

ストーリーは、二名(ふたな)の重層がポイント。
好み的にはラブストーリーに落とさなくてもいいような気もしないでもない。

(2013.1.13)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

気になる本 2013/01/07-14

2013-01-10 01:37:21 | 気になる本

2013/01/11-14

テーマ別世界神話イメージ大百科/クリストファー・デル/9,975円/東洋書林
     東西の伝承譚を82のモティーフに分類して概説し、照応する著名絵画、
     秘画、部族芸術400余点を集載。智慧の実を食べた者どもの心裡に兆した、
     世界意思とも言える創造の躍動を直感的に俯瞰する視覚全書。

オートファジー 生命をささえる細胞の自己分解システム//5,250円/化学同人
     オートファジーを総合的に理解するために必要な情報を、最近の知見のみに
     とらわれることなく、これまで築き上げられてきた確固たる研究成果や、
     関連する実験方法の原理などを幅広く含めて提供する。

吉田神道の四百年 神と葵の近世史/井上 智勝/1,575円/講談社

酔っぱらい読本 続/吉行淳之介編、永井龍男ほか/1,365円/講談社

禁断の西洋官能美術史 200点の絵画・彫刻・版画で見る!/1,260円/宝島社

ひとりフラぶら散歩酒/大竹 聡/882円/光文社

本の声を聴け ブックディレクター幅允孝の仕事/高瀬 毅/1,943円/文藝春秋

2013/01/10

サイフォンの科学史 350年間の間違いの歴史と認識/宮地 祐司/1,890円/仮説社
     サイフォンの液体が動く原因を大気圧とする間違った考えはなぜ訂正されずに
     広まったのか。サイフォンの原理をめぐる科学の歴史を明らかにするとともに、
     サイフォンの原理を理解するための仮説実験授業の授業書も収録する。
     http://kasetusha.cart.fc2.com/

展望的記憶の自発的想起と無意図的想起/森田 泰介/5,775円/風間書房
     展望的記憶課題における自発的想起と無意図的想起の認知過程について検討することを
     通して、記憶が認知に与える未来への拡がりを下支えするメカニズムを解明する。

2013/01/09

「死ぬのが怖い」とはどういうことか
前野 隆司 (著)
税込価格:1,575円講談社

江戸吉原叢刊 第6巻 遊女評判記 6 安永~慶応/江戸吉原叢刊刊行会 (編)
/12,600円八木書店古書出版部
     元吉原・新吉原の遊女に関する史料を、原本の体裁を残しながら翻刻を行い、
     明治初年までの代表的な「吉原細見」を影印版として集成。第6巻では、
     安永から慶応年間までの遊女評判記を収める。索引を収録したCD-ROM付き。

宮本常一日本の年中行事/宮本 常一 (著)、田村 善次郎 (編)/2,940円/八坂書房
     青森・東京・奈良・広島・山口を例に取り、人々の生活、伝統、文化を考察。
     その土地ならではのもの、似通ったもの、食事や行動など、5つの地域を
     見較べることで見えてくる、日本の文化を紹介する。

コレクション・モダン都市文化 復刻 84 台湾のモダニズム
/和田 博文 (監修)、水谷 真紀 (編)/18,900円/ゆまに書房
     ダンスホール、カフェ、モダンガール、レビュー、デパート…。昭和初期に
     花開いたモダン都市文化の魅力が満載。詳細な年表も付したモダニズム研究の
     基本文献。第84巻は、「台湾勧業共進会案内」他を復刻収録。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【歌舞伎】壽 初春大歌舞伎 昼の部 新橋演舞場 2013年1月

2013-01-05 20:00:09 | 歌舞伎

華やか、晴れやか。

一、 寿式三番叟

ゆったりと寿ぎを楽しむ一幕。
翁・我當さん、重厚な装束が映える。かっこいいなぁ。
附千歳・進之介さん、五月人形のような、いいお顔。
三番叟・梅玉さんと千歳・魁春さんの合ってるがぴったり過ぎない息が
却って丁度いいのかな。

二、 菅原伝授手習鑑

三津五郎さんの血気と気迫、自信溢れる梅王丸。
七之助さんの桜丸、美少年。斉世親王と苅屋姫との件を悔やむ様子が痛々しい。

やがて板塀が左右に割れて吉田社の鳥居前。
杉王丸(巳之助さん)が現れる。赤っ面だがお勤めしっかりの真面目者。

この演目は、黒衣さんや大道具さんが表立って重要。
松王丸が肩衣になって烏帽子を外すところ、牛車から時平公が現れるところなど。
メモ:彌十郎さんの時平公、登場の場面。
   牛車の屋根が外され、牛車の裏で上手と下手から大道具さんが黒い幕を
   持って寄り、時平公が入る。牛車の側面が外されて時平公が車上に現れ、
   側面の正方形の板が菱状に足元を飾る。

座席的に、時平公の睨みに竦んで口惜しがるところが見れなくて残念。

雑感。
私の体調の所為か、この舞台、全体的に音が高かった?
俳優さんの台詞、義太夫、あーりゃー・そーりゃーの掛け声も。

三、 戻橋

福助さんの小百合はフェロモン系、本性露呈後の鬼女が大変力強い。

ちなみに個人的にこの演目、渡辺綱の心中がいまひとつ理解できないのです。
最初から怪しんでいる上に、水面の姿で鬼と気づいているのに、手を引いて歩いたり。

四、 傾城反魂香  四世中村雀右衛門一周忌追善狂言

おなじみの演目、ツボな配役で安心してハラハラと喜びを味わう一幕。

夜の部の七段目のお軽と平右衛門の兄妹が絶妙のコンビネーションでしたが、
昼の部ではども又・おとく夫婦でこれもまた絶妙。いい夫婦だなぁ。

又平・おとくはある種の愚かさがあると思う。真摯だけれど。XXバカ的な。
それでも愛すべき人物像と思わされ、挽回を共に喜ぶ観客の醍醐味。

手水鉢の「抜けたァ」の前の場面は少し短かったような。現代人にはこっちの方が良いです。
引っ込みは、以前観たのは歩き方指南だったと記憶、今回は"仲良し歩き"でした。

歌六さんの土佐将監の重厚、東蔵さんの北の方の柔らかさ、
歌昇さんの修理之助、驕りのない優秀な弟子っぷりがフレッシュ。

思い極めて最後の筆を取って自画像を描く、おとくが筆を借りに行くあたりで
三味線が「ベン」と入る、染みる。義太夫・三味線がたも鎮痛な表情で
ずっと間合いを見ている。
奇跡の後、ぱっと明るい空気になり下座が鳴り始めると、山台の上まで一緒に
緊迫感が解ける感じが何だか楽しかった。

(2013.1.5)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする