Salsa する?

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「ボクたちは みんな大人になれなかった」爪痕に戸惑う、愛しのバレンタイン

2020-09-26 11:40:12 | 


◇ 燃え殻 小説『ボクたちは みんな大人になれなかった 』◇

燃え殻さんの物語りは、孤高・・・な読後感で占められた。
二十代の瑞々しい恋というのとは遠く、恋人だった人のモノスゴイ熱量の爪痕を、
今もただただ慈しいと感じ続けている。

彼の社会生活は、暖簾に腕押し的な透明人間なのに、、
この恋物語りだけは、
手垢のついていない聖域だと。。独白しているように感じた。

誰に?
恋人だった人に・・・

未だに、燃え殻さんの柔らかい部分で、
生きてくエネルギーとなり発酵し続ける恋人の爪痕。。

彼女の言葉や振る舞いが、クッキリとした爪痕になり、
彼の一部となって<燃え殻さん>を、今も圧倒している。。

実年齢が40代半ばでも、青年のままの部分を抱えながら、
とっくに終わっている恋に、、想いを断ち切れない心を反芻している。
そこには、
20代の時と同じ想いか、それ以上強い想いが、そこかしこに居座っていた。

ワタシは、何とも表現できないため息を深く吐いた。
こんなに強い爪痕を残せる初恋に・・・
だって、
初恋は、決してハッピーエンドではないからさ。
そして
自分の初恋らしきものが、痛すぎた・・・ことを改めて想ったのも確かだった。

◇ チェット・ベイカー「愛しのバレンタイン」 ◇

「ボクたちは みんな大人になれなかった」中で、
燃え殻さんが彼女の事を夢中で話していると、
周りの人には
『よっぽど美人だったんだろうねぇ』と訊かれると、
彼女のことを
間違いなくブスだった。
彼女の良さを分かるのは自分だけだとも思っていた、と書かれていた。。

まるで、
チェット・ベイカー「愛しのバレンタイン」の歌そのものだった。
(曲がリンクしてあるよ🎵ドキドキする曲ですから~)

聞き手のクソツマラナイ言葉の『よっぽど美人だったんだろうねぇ』は、
夢中で話しをしていた時間が、不毛な時間だった、、と、
なぜか、、読み手のワタシが不貞腐れた。

想い続ける心の深さを
顔の美醜や造形をモノサシにする幼稚な言葉は、うんざりだった。

愛おしいと思う根っこには、

 良い匂いの言葉や

 虚を突かれる行動力

 ドキッとする視点

 自分が相手に突き動かされた瞬間の横顔だったりするからだ。

一生残る爪痕とは、ちいさな感動が塊になって、心を締め付けるのだと思う。

おのれの初恋の惨敗は、
自分の美醜への思い込みや、相手に好かれたい一心の自分無くしだった。
相手にヒドイ!!と思ったあの時、
「君なんか、痔になればイイのに!!!」くらい切り返せたら、
どんなに後味が良かったのだろう。。と。

だから
この本は、色んな人の想いを掘り起こした一冊だと思う。

💛帯表紙 韓国ドラマ「私のIDはカンナム美人」💛

何度も何度も観返すしてるドキドキなドラマ。
これも
「愛しのバレンタイン」そのもののデス。

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透明人間その① 長生きは最大の復讐ですから、、/燃え殻 

2020-09-04 10:56:58 | 

今頃なんだけど、燃え殻さんの本を買った。
紙の本が売れない今、重版し続けているという。
が、
今時の人であり、Twitterで有名な一般人だとも知らず、
なんの情報もないのに、手に取った本で、
その衝動は、
〈燃え殻〉という著者の名前にンッ!と脳みそのセンサーが本能で反応したからだった。

コレが
村上春樹氏と見れば、
間違いなくラビリンスであり、読みだすとノンストップの事態を予想するし、

村田沙耶香さんならば、
思わぬ衝撃とドロッとしたブラックホールの怖さに備え、精神状態がベストな時を選ぶ。

そう
作家によっては
心の構え方がそれぞれあるはずだった。

それが
〈燃え殻〉。。って、なんなのさ。。
ただただ、なんで〈燃え殻〉なのか、知りたくなった。


そしたら、ホントに〈燃え殻〉という言葉がしっくりと合っていた。

ワタシに禅問答のような言葉と
静かな世界に潜む人の強烈なラブレターを見せつけられた。

◇透明人間の気持ち、、『すべて忘れてしまうから』◇

<燃え殻>さんは、透明人間の気持ちが分かる人だ。

 いじめ、、

 忖度を強いられる瞬間

 絶体絶命のとき

 川の流れのように生きることに疲れた・・・あの時

 無かったことにして、忘れる・・・放置したグレイゾーンの部分

味わったことのある場面を思い出した。
自分に優しくすることも、面倒になる虚無感。。

読んでいると、この人も大変だったんだな、、と思いつつ、
もの凄く透明人間に徹してる燃え殻さんは、
誰の手にも負えない強い部分を作りつつあった。

一つ一つの過去の出来事は、ポイポイ手放し、
唯一手放さないことだけは、しっかり離さないで護っている。

そういう人だからか、教訓めいいた言葉は一つもない。
いや、一つだけ私が強烈に引っかかった言葉があった。

彼のツイッターのダイレクトメールに届く
「死にたい」というメッセージへの返信だった。

  誰より長生きしてください。

    長生きって最大の復讐です。

ワタシは頭がバカになりそうだった、、
この言葉に振り回されている、今も。。。。。。

       つづく


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ショーケン 心を尽くす美学② お遍路の悟り。。

2020-04-25 14:07:12 | 


この9年間、ショーケンの事をポツンポツンと5つも書いてきた。
そして、今回で6つ目。

映画「約束」に始まり、
ドラマ「太陽にほえろ!」「傷だらけの天使」「前略おふくろ様」と大ヒットを飛ばし。
あふれ出る、瑞々しい感性を惜しみなく放っていたのが、若き日のショーケン。

だが、
薬、暴力事件、、と黒々とした暗雲に自らが取り込まれ、
気がついたら<あの人は、今。。>に。

だが、<あの人は、今。。>では終わらなかった。
1995年のドラマ「外科医柊又三郎」で観たショーケンは、別人のような印象、、へ。

そこには
母の死、過去への懺悔から、1993年四国八十八箇所のお遍路を決行。
1400~1600㎞を37日間で敢行。
このお遍路が、ショーケンのくすんだ人生に一矢を放った。

それは、
10代から芸能界に身を置く彼にとって、
人の温かさと無償の愛を知る大事な転機になった。

でも今時、
四国巡礼八十八箇所のお遍路と云われても、、ピンとこないさね・・・
なので、
チョットだけ図解で見てみよう!

◇四国八十八箇所巡りとお遍路さん◇


お遍路は、基本は歩き。
全行程は、二カ月弱が目安。

北海道テレビ「水曜どうでしょう」でも、お遍路編でやっていたが、
なにせ大泉洋のあの感じのせいか、車で移動というのもあり、
霊験あらたか、、という言葉とは無縁な、ゲーム感覚の踏破。
テレビの前の私は
「ふーーん お遍路さんって案外簡単に廻れるんだなぁ~」と思っていたら、
全然違っていた!!

独白本「ショーケン」に描かれていたお遍路は、
人の心根を変えるほどの威力があると知った。

そして不思議だったのは、
現代なのに、なぜ江戸中期のような出で立ちの白装束で、お遍路するのか、、
ショーケンの最初のお遍路は、ジーパンにTシャツという出で立ち。
この姿を見た住民が、
『白装束で行かないと困った時、助けてもらえないよ」と助言。

そして後々、
彼は、この白装束の偉大な効果と深い意味を身をもって経験する。


お遍路の道のりは、実は獣道も多く、迷ったりした場合などは、
途中で人家があれば泊めてくれたり、温かい食事をふるまってくれる。
そして、先に歩いてたお遍路さんとも顔見知りになり、
見知らぬ人のお遍路に来た事情に、耳を傾けるようになる。

そこには、
社会的地位も男女の垣根を超えたナニカ見えない信頼感が生まれ、
励ましあいながらこの苦行を続ける。

ショーケンも例外ではなく、
地元民の家に泊めて貰ったり、
手作りおにぎりや
突然、ジュース代として100円を持ってきたり、
お小遣いとして1000円渡されたりと。。
見知らぬ人の温かさと深い慈しみに、
彼の心は、人を受け入れることに心地よさを感じ、
静かで平らな気持ちを味わう。

最初の御遍路さんの旅は、今までの人生の不安定さを大きく変えたキッカケだった。
そして、
俳優ショーケンとして、萩原敬三として、
<心を尽くす美学>を魅せてくれたと思っている。

◇お遍路さんは 確かにナニカを変える!!!◇

実は、お遍路さんに纏わる話しが一つある。
私が高校生の頃、
小さい時から通っていた家の裏にあった八百屋さん。
仲睦まじいご夫婦で営んでいて、仲の良さは有名だった。

でも運命とは皮肉なもので、
まだ50そこそこで、奥様はガンであっけなく亡くなられた。
深い哀しみで商いも閉じ、ご主人は四国へお遍路さんに向かった。

我が家の裏庭から見えるご夫婦の家は灯りがともることもなく、
四カ月が経ったある日。
突然の帰宅と同時に、裏庭で手を振るご主人の晴れやかな笑顔を見た。

そしてあくる日、
我が母に プロポーズしにやって来た。
幼いころからの馴染みの八百屋さんを「パパ」とは呼べない!!!と
困惑する私。。
そして、
母は一刀両断、にべもなく断った。
ご主人は、自宅と店を売却。
二度と会うことはなかった。

あの時は、奥さんがなくなったばかりなのに・・・と憤ったが、
今なら、なんとなく分かる気がする。
お遍路の四カ月、色んな感情を巡らせながら、哀しみを消化してきたのだと。
そして、
明るい未来を生きよう!と意を固めた。

だからか、何十年経っても<お遍路さん>と聞くと、このことを思い出してしまう。
長い長い道のり、
人の情に触れながら、
ただひたすら足を棒にして歩くことは、
世間体や、絡めとられていた感情を小さくしてくれるのだろう。

お遍路さんと聞くと、
なぜか胸がチクチクとする感覚に、いつか行ってみたいと思う。

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ショーケンのお遍路 ①どん底の美学

2020-03-31 18:29:23 | 

◇どん底の美学◇

NHK大河「元禄繚乱」は、五代将軍綱吉のショーケンが主役ではなく、
赤穂藩士の老中:大石内蔵助の中村勘九郎。

この当時(1994年~1999年)のショーケンからは、
若気の至り、、とか無軌道な空気感は消え、
独特な静かさと、ナニカを一心に想っている重さがあったと思う。

この時に出演した「元禄繚乱」で、その正体不明な重さを思う存分に出し切ろうとした。
台詞の稽古に、相手役としてアルバイトを雇い、
一字一句違わず身体に叩き込み、現場には一時間前にスタンバイ。
大河ドラマの一年間は、日常生活も綱吉に憑依たかのようだった。
実は、
二回目の離婚は、この凄まじい役者魂が破綻原因だったと。。

かつては、
定時に現場に入るのはカッコ悪い、、
その時の流れを見て、アドリブを入れ周りまで感化され、
何が起こるか分からないのが、ショーケンの作る作品だった。

そんなショーケンが、
自分が翻弄される立場になろうとは思わなかったのが「元禄繚乱」。
翻弄した御仁が、主役の中村勘九郎だった。

歌舞伎役者は、常に舞台でのぶっつけ本番のみ。
観客の空気を読み、
その都度変幻自在に演じる技量は、人並外れてずば抜けている。

ましてや天下の歌舞伎役者に、
出て戴いてる感が強い大河ドラマでは、
毎回違うバージョンで演じる大石内蔵助に、誰もNGなど出せるはずもなく、
流石のショーケンも目が点になったと、独白本「ショーケン」に書いている。。

中村勘九郎が究極の武士道を魅せ、ショーケンは全く真逆の最悪の将軍に徹した。
その冷徹な将軍は、共演者も怖がるほどの気配だったという。

中村勘九郎は名門のサラブレッドで、芸事に真っすぐ生きてきた役者。
一方、
ショーケンは10代でトップに上り詰め、役者でも大成功。
だが、
自分がやりたい事とやってる事のギャップを埋めようとすればするほど、
周りからは天邪鬼な役者として扱われる。
長く暗いトンネルをひたすら突き進んできた人の強さが、
独特な静かさと重みになった人ではないかと思う。

この時期のショーケンの数々のドラマに、
どん底を知る人の美学を感じるのは、私だけではないと思う。

◇赤穂浪士は、不憫だ・・・◇

浅野内匠頭の東山紀之 妻阿久利の宮沢りえ

当時の江戸っ子たちの間では、
赤穂浪士による藩主の仇討は、究極の武士道だともてはやされ大喝采。
あまりの大騒ぎに、幕府は民意を忖度せざる得なかった。
獄門台の晒し首ではなく、
武士として名誉の死<切腹>という御沙汰を下したほどだった。

それは
21世紀の現在でも、年末になると「赤穂浪士」が放映される。

いつも腑に落ちない、、

浅野内匠頭の懐の浅はかさ、、は・・・
家臣とその者たちの家族を巻き込んでの悲劇が、なんでイイのだ、、

将軍綱吉の<仇討禁止>は、
無駄に命を落とす武士道を信じ切っている武士たちへ、
その浅はかさを諫めた法律だった。。のにと、
毎年「赤穂浪士」の番宣を見ると、なんだかなぁ、、と思うのである。

   つづく。。。。。
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傷だらけの天使さま、、五代将軍徳川綱吉vsショーケン/朝井まかて「最悪の将軍」

2020-03-04 12:22:56 | 

二年前から、ずっーーーと気になってた本があった。
図書館では常に借りられ、棚に並ぶことがない本。
それが、朝井まかて「最悪の将軍」。
コロナウィルス大騒動で、人気本が遂に棚にお出ましになった。

二年越しで手にした本を抱え家に帰ると、
偶然にも、
左大臣が萩原健一の独白本「ショーケン」を持って帰って来た。

まさかこの二冊が、
俳優ショーケンの人生と、絡まるようにリンクしてくるなんて、
その時は思いもしなかった。

◇朝井まかて「最悪の将軍」◇


徳川幕府の長ーーーい歴史の中で、
歴史の教科書では<犬公方>と揶揄されたうえに、
歴代将軍の中でも、極めて小柄な135㎝の綱吉。

そんでもって私の脳みそには、
国推奨の歴史教科書に描かれた<しめ縄で飾られたお犬様の絵>と、
前代未聞の困った殿様風イメージが、ガッチリ洗脳されていた。
だが、
綱吉の行った政(まつりごと)は、最悪のイメージとは真逆の志しが根付いていた。
そこには、
綱吉の理想とする国民は、
<生きとし生けるものを大切にし、
武士は弱きものを守り、人として手本となるべく行いをすること>
儒教の理念を江戸に根づかせることで、
庶民も武士も安寧な暮らしを得られるはずだった。

こんな気高い志で為された政なのに、江戸っ子たちには眉を顰められる始末。

犬への対応を書かれた<お上の御触れ>に、あきれ果てる江戸っ子と
犬に危害を加えた者を、ただただ厳重に処罰するサラリーマン武士。

見本となるべき武士たちは、
戦国時代のように戦で活躍出来る場のない事に不満を持ち、
潔い散り方を望む者も多かった。
そのイライラや不満が庶民に向かい、理不尽な<切り捨てごめん>も横行。

一方、
国を統治する将軍も四代家綱辺りになると、
病弱からか、
政や決定権は「良きに計らえ。。」で政から遠ざかり、配下の老中のやりたい放題。
世継ぎの幼子も、次々と不運な結末を迎え、家綱も40歳で病死。

将軍になるはずのない館林藩主である弟の綱吉は、
死に際を彷徨う四代家綱の奇跡の一筆で、将軍となってしまう。
母の桂昌院(八百屋の娘 お玉)は<玉の輿>という言葉で揶揄された人物だが、
親子ともども強運だった。

そして
五代将軍綱吉の「最悪の将軍」と云われる人生が、幕を開ける。
志しの高さは、やればやるほど評判は落ち・・・
平和で豊かな世の中を目指すほど、冷酷非道と云われる。。
そして
朝井まかて「最悪の将軍」を読めば読むほど、切ない気持ちになった。
すべてが空回りし出すと、止まらない不運がそこにあった。

この複雑な綱吉を演じきった、、というよりも、憑依したのがショーケンだった。
そのことが独白本「ショーケン」に具に綴られていた。
これがまた、めちゃくちゃ面白くて切ないのよ。。。。。。。。

     助走のpart1から つづく

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