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Feelin' Groovy 11

I have MY books.

なんだか傑作な終わり方

2008-03-10 | 
久しぶりに何度も読み返したい終わり方の小説を読んだ。
なんだか傑作な気がする。


  私は歩道を歩く。(中略)いたるところに木の葉が散っている。
  溝の中にまで落ちている。目につくところ木の葉の山だらけだ。
  歩を運ぶと、そのそばからはらはらと木の葉が降ってくる。
  木の葉の中に靴を突っ込まないでは一歩だって前に進めない。
  誰かが手を打たなくてはならない。
  誰かが熊手をもってきて、きちんと片付けなくちゃ。
      (『象』より「親密さ」レイモンド・カーヴァー著
                  村上春樹訳 中央公論新社)


目の前の課題をやっとの思いで片付けても
その次に片付けなければならない課題がまたあって。
でも結局生きていくためにはそれを避けられず、
その中へ踏み出していかなくてはならない。
いくらやっても終わりがないのではないか、
という不安にかられながら。

そんな感じを受けました。


  分け入つても分け入つても青い山
           (種田山頭火)

を思い出す。

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