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版画ギャラリー 浮世絵版画 広重・北斎・歌麿


◆ 版画の魅力をお楽しみ下さい ◆
  

浮世絵版画 広重「東海道五十三次」ー(1)

2008年09月04日 | 浮世絵版画 広重「東海道五十三次」

浮世絵版画は、摺られて200年近くの年月が経過していますので、
 経年変化による古色によって、
その画趣は一段と輝きを増しています。
                                            

歌川広重画 「東海道五十三次」(保永堂版)
オリジナル版の画像でご鑑賞ください。
(日本橋~箱根)

                               

 

 広重 「東海道五十三次」 日本橋・朝之景
左右に開かれた大木戸を前景にして、
お江戸日本橋七ツ立ち(朝立ち)の大名行列と、行き交う町人たちの様子です。
朝焼けに浮かぶ背景の町並みも丁寧に描かれています。

 



 広重 「東海道五十三次」 品川・日之出
手前は八つ山下の街道、左手に袖ヶ浦のひらかれた海。
朝焼けのもと、大名行列を見送る品川宿と、出船入り船の活気ある風景です。

 

 

  広重 「東海道五十三次」 川崎・六郷渡舟
手前は六郷川(多摩川)、対岸は川崎宿。
遠くに白雪の富士山を眺めて渡る渡し舟の様子です。
  

  

 

 広重 「東海道五十三次」 神奈川・台之景
海沿いの丘陵地にあった神奈川宿。坂の向こうは横浜村。
遠くに磯子、金沢をのぞんで、漁船が行き交う港の風景が広がっています。

 

 

 広重 「東海道五十三次」 保土ヶ谷・新町橋
江戸を出て最初の宿泊地であった保土ヶ谷の宿。手前は新町橋。
たくさんの旅篭が並んでいたようです。
のどかな田園風景を背景にして、行き交う街道の賑わいを描いています。
 

 

 

 広重 「東海道五十三次」 戸塚・元町別道
戸塚宿は「かまくら道」との分岐点。
柏尾川にかかっていた吉田橋と、餅菓子で有名だった茶店「こめや」。
趣のある人物描写と、丁寧に描かれた遠景が印象的です。

 

 

 広重 「東海道五十三次」 藤沢・遊行寺
遠景が遊行寺。橋は藤沢橋、鳥居は江ノ島弁天の第一鳥居。
この街道は、遊行寺,江ノ島弁天、大山神社詣での人々や東海道、鎌倉道の
旅人が行き交った。

 

 

 広重 「東海道五十三次」 平塚・縄手道
平坦な相模平野の水田風景に、こんもりとした高麗山と富士山の白い稜線。
縄手道(あぜ道)沿いに絶妙に配された松並木が、後ろの風景をひきたてています。

 

 

 広重 「東海道五十三次」 大磯・虎ヶ雨
大粒の雨模様。松並木がつづく大磯宿の手前 。
右は高麗山の麓、左手には相模灘の白い水平線。
「虎ヶ雨」は、ここ大磯の悲恋伝説のひと虎御前の涙雨なのでしょうか。

 

 

  広重 「東海道五十三次」 小田原・酒匂川
東海道の難所のひとつ、酒匂川の川渡しの様子です。
遠くに、箱根の山並みを背景にして小田原の宿場町が広がっています。
当時の人たちの旅の苦労がしのばれます。

 

 

  広重 「東海道五十三次」 箱根・湖水図
芦ノ湖の湖畔から、駒ケ岳、双子山の山裾を縫って街道が通っています。
青々と一望にひろがる湖面。遠くに白雪の富士。
岩肌の色使いがあざやかです。
 

  

 

 

 


浮世絵版画 広重「東海道五十三次」-(2)

2008年09月03日 | 浮世絵版画 広重「東海道五十三次」

浮世絵版画は、摺られて200年近くの年月が経過していますので、
 経年変化による古色によって、
その画趣は一段と輝きを増しています。
                                            

歌川広重画 「東海道五十三次」(保永堂版)
オリジナル版の画像でご鑑賞ください。
(三島~岡部)
                               

 

 

 
広重 「東海道五十三次」 三島・朝霧
東海道と下田街道の分岐点、三島神社の鳥居前。
中央の旅人の一群と、朝霧にかすむ人影や鳥居との対比など、
木版画の摺りの技術を生かした秀作です。

 

 

  広重 「東海道五十三次」 沼津・黄昏図
狩野川沿いの川堤を沼津宿に向って急ぐ旅人たち。
木陰に隠れた大きな夕月が、 たそがれ時の旅愁をさそいます。

 

 

    広重 「東海道五十三次」 原・朝之富士
原の宿を出て浮島ヶ原に入ると、手前の愛鷹山に隠れていた白雪の霊峰が、
朝日に稜線を輝かせて偉容をあらわします。
前景の人物とつがいの鶴は芝居の一場面のようです。
 

 

 

 広重 「東海道五十三次」 吉原・左富士
駿河湾沿いの吉原、田子の浦に近い一帯の水田風景のなかを
曲がりくねった松並木の道がつづきます。
右手に見えていた富士が、ときおり左手に見えていたのでしょうか。
 

 

 

 

 広重 「東海道五十三次」 蒲原・夜之雪
富士川を渡って西に向うと蒲原宿に入ります。
このあたりは雪も少なく、このような地形も見当たらないようです。
「五十三次」中の傑作とされている作品です。

 

 広重 「東海道五十三次」 蒲原・夜之雪
上の作品の異版です。
風景画家・広重の情感溢れる雪景色をご鑑賞ください。

 

 

 広重 「東海道五十三次」 由井・薩多嶺
この辺りは、山が海に迫っていて、難所とされていたところですが、
山の中腹を切り開いて街道が通されました。薩多峠です。
峠から眺める一望の駿河湾と白雪の霊峰は秀逸です。

 

 

 広重 「東海道五十三次」 興津・興津川
薩多峠を下ると眺望が開けて、駿河湾沿いに松林がひろがります。
道中風俗として、興津川を渡る力士の旅姿が描かれています。
  

 

 

 広重 「東海道五十三次」 江尻・三保遠望
江尻(今の清水)の町並みと三保の松原に囲まれた港・湾内の様子です。
実景とは違うようですが、遥かに点々とつながる白帆が印象的です。
 

 

 

  広重 「東海道五十三次」 府中・安倍川
府中は今の静岡市。賎機山を背にした町並みは霞がかかっているようです。
西に流れる安倍川の川越の様子が克明に描かれています。
寒い時期にはどのようにして渡ったのでしょうか。

 

 

  広重 「東海道五十三次」 丸子・名物茶店
安倍川を渡ると、街道は海沿いを離れて丸子の宿に向う。
時は早春、芭蕉の句「梅若葉まり子の宿のとろろ汁」を思いおこさせる名物茶屋。
当時の茶店の様子を実感できそうな情景です。

 

  

 広重 「東海道五十三次」 岡部・宇津之山
丸子を出ると道は険しくなり、宇津之山の峠道を通って岡部宿に入る。
渓流沿いにつながる宇津谷峠は、「伊勢物語」や芝居にもあらわされていて、
深山幽谷の趣があります。

 

 

 

 


浮世絵版画 広重「東海道五十三次」-(3)

2008年09月02日 | 浮世絵版画 広重「東海道五十三次」

浮世絵版画は、摺られて200年近くの年月が経過していますので、
 経年変化による古色によって、
その画趣は一段と輝きを増しています。
                                            

歌川広重画 「東海道五十三次」(保永堂版)
オリジナル版の画像でご鑑賞ください。
(藤枝~白須賀)
                               

 

 

 
広重 「東海道五十三次」 藤枝・人馬継立
 宿場の問屋場風景を俯瞰したこの絵は、風俗画として見ごたえがあります。
人馬の様子などが克明に描かれていて当時がしのばれます。

 

 

  広重 「東海道五十三次」 嶋田・大井川駿岸
嶋田宿と金谷宿の間に横たわる大河・大井川は渡河の最難所でした。
大河を大きくあらわすために、遠くから俯瞰した絵ですが、
大名行列の一行や、川越人夫達の様子が生き生きと描かれています。

  

 

    広重 「東海道五十三次」 金谷・大井川遠岸
遠くの山裾に金谷の宿をのぞんで、渡河の様子です。
米粒のような人影ですが、こちらも生き生きと表現されています。
広大な風景のなかで、蟻の行列のような人のいとなみです。

  

 

 広重 「東海道五十三次」 日坂・佐夜ノ中山
金谷から佐夜中山を通って遠州日坂に入る。
佐夜中山の伝説の石「夜啼石」を中央に据え、坂道を誇張して描いています。
青い富士が北斎の富嶽図のようです。
 

 

 

 広重 「東海道五十三次」 掛川・秋葉山遠望
 掛川宿の外れにある二瀬川にかかる土橋。手前が秋葉街道。
秋葉山のくっきりとした山容を背景にして、
遠州の空っ風のなか、子供達が凧揚げを楽しんでいます。

 

 

 広重 「東海道五十三次」 袋井・出茶屋ノ図
掛川から袋井宿の辺りは、田圃のなかを松並木の街道がつづきます。
道ばたの木陰で旅人にお茶をふるまう出茶屋。
白くたなびく薪の煙がのどかです。

 

 

 広重 「東海道五十三次」 見附・天竜川図
見附宿(今の磐田市)を出ると天竜川にさしかかる。
天竜川は流れが深く速いために舟で渡った。
前景と川霧にかすむ後景を、木版画技術で摺り分けて、川幅のひろさを表現しています。

 

 

 広重 「東海道五十三次」 浜松・冬枯ノ図
天竜川を渡ると街道はまた海に近づく。
一面に広がる冬枯れの松林の向こうに、城を構えた浜松の宿。
冬の野末、焚き火を囲む人たちは寒そうです。。

 

 

 広重 「東海道五十三次」 舞坂・今切真景
舞坂は浜名湖の湖畔にある宿場町。
浜名湖と海とをつなぐ今切あたりの風景ですが、実景とは違うようです。
ここからまた、道は海景を眺めてつづきます。
 

 

 

   広重 「東海道五十三次」 荒井・渡舟ノ図
舞坂から浜名湖を舟で渡って西岸の荒井の宿場に向う。
対岸に荒井(新居)関の舟着場が見えます。
 

 

 

   広重 「東海道五十三次」 白須賀・汐見阪図
荒井宿から汐見阪の丘陵地を越えて白須賀の宿に入る。
海沿いに広がる松林と、遠州灘の眺めが美しいところです。
 

  

 

 

 


浮世絵版画 広重「東海道五十三次」ー(4)

2008年09月02日 | 浮世絵版画 広重「東海道五十三次」

浮世絵版画は、摺られて200年近くの年月が経過していますので、
 経年変化による古色によって、
その画趣は一段と輝きを増しています。
                                            

歌川広重画 「東海道五十三次」(保永堂版)
オリジナル版の画像でご鑑賞ください。
(二川~四日市)
                               

 

 
広重 「東海道五十三次」 二川・猿ヶ馬場
白須賀から二川の間は、小松原のつづく平坦な台地で、
人家も少なくて寂しい所だったようです。
猿ヶ馬場の「名物かしわ餅」の茶屋と旅人の様子です。

 

 

   広重 「東海道五十三次」 吉田・豊川ノ橋
吉田(今の豊橋)は豊川のそばに開かれた城下町。
吉田城と、ゆったりと流れる川にかけられた豊川橋の風景です。
 

 

    広重 「東海道五十三次」 御油・旅人留女
街道の両側に家並みがつづく御油の宿。
夕暮れ時の旅篭屋の前 。一九の「膝栗毛」の一場面のようです。
 

  

 

  広重 「東海道五十三次」 赤坂・旅舎招婦ノ図
御油は旅篭屋の前、こちらは旅篭屋の中の様子です。
どちらも、情景が細やかに描かれています。

 

 

  広重 「東海道五十三次」 藤川・棒鼻ノ図
赤坂と岡崎の間、藤川宿の入口(棒鼻)。
幕府から朝廷に献上された献上馬の行列の様子です。
 

 

 

 広重 「東海道五十三次」 岡崎・矢矧之橋
矢矧川に美しい弧を描くように架けられた矢矧之橋。
対岸は、岡崎の城下町と本宮山です。
 

 

 

 広重 「東海道五十三次」 池鯉鮒・首夏馬市
池鯉鮒宿(今の知立町)の馬市の様子です。
有名な馬市だったようですが、地名の由来が面白そうです。
 

 

 

   広重 「東海道五十三次」 鳴海・名物有松絞
鳴海は絞り染で栄えた宿場町。
街道筋には立派な店構えの商家が立ち並んでいたようです。
 

 

 

  広重 「東海道五十三次」 宮・熱田神事
宮は熱田神宮の門前町。
夜の馬追い神事の様子です。
 

 

 

  広重 「東海道五十三次」 桑名・七里渡口
宮から伊勢湾を舟で渡って、揖斐川の河口の城下町が桑名。
桑名城を前にして、帆を降ろし、七里の海路のおわりです。
 

 

 

   広重 「東海道五十三次」 四日市・三重川
四日市は三滝川(三重川)の河口の港町。
左手に宿場の家並みと帆柱が見えます。
よし原を吹き抜ける風の様子を巧みに描いています。
 

  

 

 

 


浮世絵版画 広重「東海道五十三次」ー(5)

2008年09月01日 | 浮世絵版画 広重「東海道五十三次」

浮世絵版画は、摺られて200年近くの年月が経過していますので、
 経年変化による古色によって、
その画趣は一段と輝きを増しています。
                                            

歌川広重画 「東海道五十三次」(保永堂版)
オリジナル版の画像でご鑑賞ください。
(石薬師~京師)
                               

 

 
広重 「東海道五十三次」 石薬師・石薬師寺
街道からはずれて、山懐に抱かれるように建つ石薬師寺(西福寺)。
夕暮れ時の寒村の風景が詩情を感じさせます。
 

 

 

  広重 「東海道五十三次」 庄野・白雨 
 庄野に限らず、どこにでもありそうな、にわか雨(白雨)の光景を見事に活写しています。
雨の様子や背景など、木版画の技術を巧みに生かして表現した名作です。

 

 

   広重 「東海道五十三次」 亀山・雪晴
薄紅から藍へと晴れ渡った空が、雪景色をきわだてています。
雪を踏みしめる音だけが聞こえてきそうです。
 

  

 

 広重 「東海道五十三次」 関・本陣早立
東海道と伊勢街道の分かれ道、関の宿。
大名が本陣を早立ちする様子です。
 

 

 

 広重 「東海道五十三次」 阪之下・筆捨嶺
鈴鹿峠にさしかかる手前、鈴鹿川の深い谷をはさんで眺めた
筆捨嶺(岩根山)の偉容です。

 

 

 広重 「東海道五十三次」 土山・春之雨
三重と近江の境、鈴鹿峠を下ると土山の宿。
杉木立に囲まれた田村神社と、春の長雨で水かさの増した田村川のようです。
 

 

 

   広重 「東海道五十三次」 水口・名物干瓢
街道は険しい峠道をすぎると、のどかな田園地帯が広がる近江路に入る。
明るい陽ざしのもとで、干瓢造りに励む人たちです。
 

 

 

   広重 「東海道五十三次」 石部・目川ノ里
石部宿の近くにあった目川ノ里。
菜飯と田楽で有名だった「いせや」の光景です。
ご当地名物の店が繁盛するのは、今も昔も同じようです。

 

 

    広重 「東海道五十三次」 草津・名物立場
草津宿は東海道と中山道の追分。
名物「うばがもち」屋の前、街道の賑わいが伝わってきます。
 

 

 

  広重 「東海道五十三次」 大津・走井茶店
大津は西の最後の宿場町。背景のうす青い山は逢坂山。
走井(湧き水の井戸)と、京の都に向かう牛車の列です。

 

 

 

  広重 「東海道五十三次」 京師・三条大橋
鴨川にかかる三条大橋。
東山三六峰を背にした京洛の家並みです。