浮世絵版画は、摺られて200年近くの年月が経過していますので、
経年変化による古色によって、
その画趣は一段と輝きを増しています。
歌川広重画 「東海道五十三次」(保永堂版)
オリジナル版の画像でご鑑賞ください。
(藤枝~白須賀)
広重 「東海道五十三次」 藤枝・人馬継立
宿場の問屋場風景を俯瞰したこの絵は、風俗画として見ごたえがあります。
人馬の様子などが克明に描かれていて当時がしのばれます。
広重 「東海道五十三次」 嶋田・大井川駿岸
嶋田宿と金谷宿の間に横たわる大河・大井川は渡河の最難所でした。
大河を大きくあらわすために、遠くから俯瞰した絵ですが、
大名行列の一行や、川越人夫達の様子が生き生きと描かれています。
広重 「東海道五十三次」 金谷・大井川遠岸
遠くの山裾に金谷の宿をのぞんで、渡河の様子です。
米粒のような人影ですが、こちらも生き生きと表現されています。
広大な風景のなかで、蟻の行列のような人のいとなみです。
広重 「東海道五十三次」 日坂・佐夜ノ中山
金谷から佐夜中山を通って遠州日坂に入る。
佐夜中山の伝説の石「夜啼石」を中央に据え、坂道を誇張して描いています。
青い富士が北斎の富嶽図のようです。
広重 「東海道五十三次」 掛川・秋葉山遠望
掛川宿の外れにある二瀬川にかかる土橋。手前が秋葉街道。
秋葉山のくっきりとした山容を背景にして、
遠州の空っ風のなか、子供達が凧揚げを楽しんでいます。
広重 「東海道五十三次」 袋井・出茶屋ノ図
掛川から袋井宿の辺りは、田圃のなかを松並木の街道がつづきます。
道ばたの木陰で旅人にお茶をふるまう出茶屋。
白くたなびく薪の煙がのどかです。
広重 「東海道五十三次」 見附・天竜川図
見附宿(今の磐田市)を出ると天竜川にさしかかる。
天竜川は流れが深く速いために舟で渡った。
前景と川霧にかすむ後景を、木版画技術で摺り分けて、川幅のひろさを表現しています。
広重 「東海道五十三次」 浜松・冬枯ノ図
天竜川を渡ると街道はまた海に近づく。
一面に広がる冬枯れの松林の向こうに、城を構えた浜松の宿。
冬の野末、焚き火を囲む人たちは寒そうです。。
広重 「東海道五十三次」 舞坂・今切真景
舞坂は浜名湖の湖畔にある宿場町。
浜名湖と海とをつなぐ今切あたりの風景ですが、実景とは違うようです。
ここからまた、道は海景を眺めてつづきます。
広重 「東海道五十三次」 荒井・渡舟ノ図
舞坂から浜名湖を舟で渡って西岸の荒井の宿場に向う。
対岸に荒井(新居)関の舟着場が見えます。
広重 「東海道五十三次」 白須賀・汐見阪図
荒井宿から汐見阪の丘陵地を越えて白須賀の宿に入る。
海沿いに広がる松林と、遠州灘の眺めが美しいところです。
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