2021年9月17日現在、首相官邸や厚生労働省によると、新型コロナウイルスのワクチン接種は、総人口の53.1%、6720万人が2回完了しているとのことです。
人口の半分以上!自分の職場では、7割強が、ワクチン接種済みです。
さて、今回は、ずっと疑問だった、
『新型コロナ用のワクチンにより体内で産生されたスパイクたんぱく質は、体外に排出されるか?』
について、ネットで検索してみました。・・・・が、・・・・パッと探したものの、情報が、出てきません、、、、、。
しょうがないので、自分で、生体内でどんなことが起こりえるか推測してみることにしました。
とある医薬品は、ほとんどが尿中や糞便中に排出されるものの、ほんの少し、唾液にも排出されることが知られています。その唾液が、しゃべって、飛沫となれば、そこに、その医薬品が含まれて、「体外に排出」という形になります。
新型コロナウイルス自体は、体内で増殖して、唾液や気道分泌液や鼻汁にもでてきて、飛沫となって、体外に排出されることは、もう有名だと思います。
では、新型コロナ用のワクチンにより体内で産生されたスパイクたんぱく質は?
体内で、作られた後、どうなっているのでしょうか。
ちなみに、「ワクチン打った人から、スパイクたんぱくがでてくるはずがない」と断言している人が、ネット上でいましたが、「ないことを証明する」って、とても難しいのですよね、、、。
サンプルを採取して、測定してみたくとも、少量だと、検出できない可能性も高いので、「本当にない」は、証明が難しいものです。断言している人は、どんなデータを見て、断言しているのだろうか、、、ナゾです。
また、「ワクチン打った人から、スパイクたんぱくが体外に排出される」とネット上で言っている人が、実際にワクチン打った人の汗や唾液(唾液に入っていれば、飛沫に入っていることになり、ウイルスと同じく、体外に排出されることになります)を検査したデータを提示してくれているかというと、それもなく、日本語サイトを見た限りでは、見つからず、です。
実際、ワクチン打った人から、唾液や汗や呼気を接取して、測定するには、検査技術を開発しなきゃいけないだろうし、そういうのはお金かかるし、今、国は、基礎研究にお金だしてくれにくいしで、まあ、なかなか、取り上げてくれなさそうです。
そこで、「排出される可能性はあるか、ないか」を、今調べられる限りの知識でもって、検討してみます。
まず、ワクチンは、体のどこまで、行き届くか。ワクチンから作られるスパイクタンパク質は、体のどこまで行き届くか。を、考えてみます。
今(2021年9月現在)使われているワクチンは、自己の体に、新型コロナウイルスの表面にあるスパイクたんぱく部分に似せた(株が違うと、多少、違いもあるでしょう)スパイクたんぱく質を作らせ、そのスパイクたんぱく質対して、自己の免疫に、抗体を作らせる、というものだそうです。
ちなみに、ワクチンは、うった腕と脇のリンパ(免疫をガンガン作ってくれる)だけでなく、全身(頭部は、血液脳関門がブロックするかも?しかし、mRNAを脂質コーティングしてあったり、安全なウイルスに抗体を作らせる情報を持たせて送りこんだりしているので、頭部にも、行き届きそうな気がします)に、ゆきわたるようです。
(とりあえず、ファイザーのは、ファイザーの資料に、「うった周辺に一番多く存在するが、そこ以外にも、肝臓にも行くし、ほんの少しだが、脾臓、腎臓、卵巣にもワクチンが届いているようだ」という意味合いの試験結果があったので、血液のあるところには、全て届くと予想します。世界の文献を調べれば、きっと、詳しくわかると思いますが、、、どなたか、調べていただけると嬉しい、、、、。)
そして、作り出されるスパイクたんぱく質は全身に存在することになりそうです。
(少なくとも、脳以外は全身を巡ると予想されます。脳内でも理論上、ワクチンが脳内に届いていれば、脳内でスパイクたんぱく質を作ることができるので、体から脳へ循環しなくても、脳内に存在すると予想されます。免疫は全身に存在しますから。)
では、ワクチンが作りだす、スパイクたんぱく質は、どのくらいの期間作られ続けるのか、や、どのくらいの間、体内を巡っているのか?というと、これがまた、データが探せない!!!(2024年4月8日時点では、どうやら長いと3か月~半年近く、スパイクタンパク質は、体内で作られ続ける人がいる、ということが分かってきました。)
なので、調べて、推測してみます。
ファイザーやモデルナのmRNAワクチンのmRNAは、数日で体内から消えていくようです。(アストラゼネカのベクターワクチンの場合はまだ知らべておりません。)
そもそも、作られる抗体って、どんなもの?調べます。
抗体は免疫グロブリン(γ-グロブリン)というたんぱく質だそうです。IgG、IgA、IgM など、5種類あります。
● IgMは、5個のサブユニットからなり(5量体)、分子量約90万の大きな抗体。初感染時、最初にグッと増えて対応し、その時の情報により、再感染時用に、IgGが、作りだされる。分子量が大きいので、胎盤から胎児に移行することはない。IgMの半減期は約5日。
● IgAは、分子量17万で、2量体の形(分子量34万)で、分子量が小さいので、胎盤から胎児に移行することができる。IgMが対応したあと、わりとすぐに追って作りだされる。唾液、鼻汁、気道粘液、消化管分泌、乳汁、の中に、目や鼻、腸内といった全身の粘膜表面に存在し、ヘルパーT細胞から、「これを排除して!」と指令がくると、たくさん産生されて、病原体に取り付いて、動きにくくさせる。そして、侵入を拒み便で排出するか、または、マクロファージ(白血球のうちの1つで、病原体を食べて分解してくれる)に食べてもらう。半減期は約5日。
● IgGは、分子量15万で、分子量が小さいので、胎盤から胎児に移行することができる。IgMが対応したあと、ちょっとしてから、IgMが消えたあとも、長め(インフルエンザウイルスなら2~3か月だが、麻疹のように何十年のタイプもある)に存在し、相手を覚えておき、再感染時に対応できるようにしておく。血中で最も多く存在し、免疫グロブリンの約80%を占める。半減期は、サブクラスによって異なり7~23日にわたる。
● IgEは、分子量19万で、即時型アレルギーに関与。感染への防御的役割は低い。(花粉症や気管支喘息、アトピー性皮膚炎などに関与。)➡これは、今回は関係なさそうです。
ここまでは、わかりました。
ワクチンによって体内で作られたスパイクたんぱく質に対して、抗体が作られるからには、この抗体が、スパイクタンパク質を抗原・異物として認識して、抗原を捕まえて悪さができないようにし、あとは、捕まえたスパイクタンパク質を、貪食細胞(キラーT細胞やNK(ナチュラルキラー)細胞やマクロファージ)が食べていく(取り込まれて、分解される)と考えられます。
つまり、ワクチンによって作られたスパイクたんぱく質は、貪食細胞に取り込まれ、分解されていく。
しかし、ウイルスも、初期は、分解されるスピードより、増殖するウイルスの方が多いから、唾液や鼻水にウイルスが含まれていくわけで、スパイクたんぱく質も、作られ始めた初期や、初期の量が多い時ほど、貪食のスピードがしばらく追いつかない可能性はある。それでも、IgMができて、更にIgGの量が十分に上がってくる頃には、ほぼ貪食しつくされていると思われます。
十分な抗体が出来上がるのは10日~2週間。というわけで、つまり、産生されたスパイクタンパク質は、遅くとも、10~2週間くらいで、貪食され分解されつくして、体内から消えるように思えます。(早ければ、数日~1週間くらい?作られるスパイクたんぱく質の量が、少なすぎると、ちゃんと抗体が出来上がらない気もします。)(2024年4月8日時点では、そもそも、スパイクタンパク質が3か月~半年近く、作り続けられている(又は残っている)ことが分かってきました。脳内にもです。)
※余談ですが、ワクチンにより作り出す、「新型コロナ用スパイクたんぱく質に対するIgG抗体」は、今の新型コロナのワクチンの場合、少なくとも数か月は全身にしっかり存在するようです。(ちなみに、抗体が減っても、メモリーB細胞やメモリーT細胞が、いて覚えていてくれれば、また抗原(スパイクタンパク質)がやってきた時、再度、抗体を作り始めてくれるそうです。)
とりあえず、
「遅くとも、産生されたスパイクタンパク質は、10~2週間くらいで、分解され終わるであろう」
ここまできました。
次は、「この間、体外に排出されるか?」です。道のりが長い!
まず、スパイクタンパク質は、たんぱく質です。では、血中には、常にたんぱく質が流れており、それらは、
体外に排出されているか?です。
調べました。まず、血液中のたんぱく質が、唾液や汗にでてくるか、です。
血液中に存在するたんぱく質「血漿タンパク質」の中では、アルブミンという糖たんぱく質がメインなのですが、そのアルブミンの分子量は約6万。そして、抗体は、たんぱく質とのこと。血液中に一番存在する抗体の、IgG抗体の分子量は約15万。スパイクたんぱく質の分子量は18万。IgAは、分子量17万で、2量体の形(分子量34万)で存在。このIgAは、腸管内だけでなく、ありとあらゆる粘膜上に分泌されているとのことで、唾液にも分泌されています。
インフルエンザウイルスもコロナウイルスも、飛沫に乗って、他者に感染するので、これらは唾液にも分布しているわけで、IgAも、唾液に乗って、飛沫に含まれると考えます。
そんなわけで、分子量34万の糖たんぱく質であるIgA抗体が唾液にでるのだから、分子量18万のスパイクタンパク質も、唾液にでてきて、飛沫に含まれる可能性は、ある、と思うのです。まだ、「可能性がある」というだけですけど。
ちなみに、コロナウイルスの重さは、1個で1×10のマイナス6乗ナノグラムくらいらしいんですが、スパイクたんぱく質は、分子量15万で、1個の質量150kDaであり、これを計算すると、だいたい、1個で、3×10のマイナス10乗ナノグラムなので、コロナウイルスに比べてとても小さくて軽いです。
そして、たんぱく質は、空気中で安定です。ドラックストアに、筋肉をつけたい人用に、プロテインの粉末が売っていますよね。つまり、あれは、たんぱく質の粉です。たんぱく質は、大量に、常温で、保管できるくらい、安定なのです。
小さくて軽くて安定だから、もし飛沫に含まれてたら、飛沫より、さらに細かいエアゾルとなって、空気感染並みに、ふよふよ遠くまで漂っていることができると想像します。
でも、それが、どのくらいの量なのか、は、ナゾです。
もし、市販の抗原検査キットが、ウイルスのスパイクたんぱく質をターゲットにしているのなら、
唾液にワクチン由来のスパイクたんぱく質が大量に含まれていれば、検査キットは陽性になるのではないか、と思うのですが、市販の抗原検査キットが、何をターゲットにした商品か、いまいち、わからず、使えず。
まあそれでも、身近に、これから、新型コロナワクチン接種する人がいたら、抗原検査を、2日目、3日目、10日目に、してみていただいて、ためしてみたいところです。
以上、スパイクタンパク質が、体外に排出されるかどうかは、「今は、まだわからない、言えない」でした。
ちなみに、私、理系ではありますが、4年制理系医療系大学を卒業して、だいぶ経つので、分子量と質量kDaと質量μgの換算など、初めて触れる知識もあり、調べるのに難渋いたしました、、、。
追記:
「ウイルスによる永久不妊・ワクチンによる永久不妊」はデマだとして(妊娠出産している方々がいるので)、「流産しやすくなる影響」のもデマだとして(変わらなかったと、報告が上がっているそうです)、「不妊になりやすくなる可能性がある」には、「絶対にある」とも「絶対にない」とも、まだ言えないはず。なぜなら、まだ、よくわからないはずなので。
疫学調査はこれからだと思います。
初期流産・流産自体は、実は、今も昔も、経験者は多く、日本は、ただでさえ出産の高齢化が進んでいるので、妊娠しにくい人も増えてるだろうし、流産の経験も、高頻度になってきているわけで、ワクチン接種やSARS-CoV-2感染によって、それらが増えるかどうかは、20代~30代前半の人に限って、今後、疫学調査をするか、又は、20~30代前半の人に限って、全世界的に疫学調査でもしない限りは、「まだ、わからない」が、正解だと思います。「可能性はない」とは、断言できないはずなので、「可能性はない」と断言する人は、知識不足又は調べ不足であり、信頼できない人と判断してよいでしょう。
ちなみに、ワクチン接種・非接種はさておいて、新型コロナ陽性の妊婦さんに、しっかり対応できる体制を作るのは、国と県と市町村の政治家の仕事ですから、早急に取り組んで欲しいところです。
最後に、個人で行うCOVID-19対処についての情報源として、以下のサイトが、とってもいいです。ウイルス学講座の教授なのに、「COVID-19の専門ではないので、言うべきではないかもしれませんが」と言っている、とても謙虚な感じが、かえって、信頼感を増します。ぜひ、のぞいてみてください。
↓
https://jikei-tropmed2.wixsite.com/covid-19/what-s-corona
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