地方の商工会議所に勤める中小企業診断士のブログ 「お酒と読書と、中小企業支援の話」

最近はほぼ読書ネタ💧
田舎の商工会議所が行う中小企業・小規模事業者への支援。そのリアル。息抜きに楽しむお酒と読書の話。

陽気な奥さんが走る!

2023-10-26 07:38:00 | 商工会議所
昨日は、持続化補助金の相談がありました。
最近、入会された方です。


60代の塗装業。下請け仕事が100%
寡黙な職人タイプの旦那さん(少し怖い)と、陽気で明るい奥さん(忍耐力高めw)。

ある日突然、旦那が下請け仕事を辞めてきた(笑)
これからは一般の人から直接仕事をもらうと。
奥さん「…どうやって?」
旦那「知らん。知り合いに声かける」
奥さん「…もらえそう?」
旦那「…」
奥さん「…」
旦那「商工会議所に聞いてこい」
奥さん「うちら入会してへんやん」
旦那「いいから聞いてこい」

奥さん来所。入会。
ホームページを作りたい。パソコンが欲しい。補助金はありませんか?
会計も手書きらしいので…
会計ソフト導入するなら、パソコン購入費用にも使える補助金があります。
…その後、IT導入支援事業者たちのイケズに遇い、あえなく断念💦奥さんくやしがる。

ホームページ作ってもそれだけでは注文は来ませんよね。チラシも作りましょう。
ポスティングは奥さんがパートの合間でやることに(笑)
これはうちの商工会議所独自の補助金でまかなう。伝えたいことを端的に盛り込んだチラシが出来上がる。
奥さんがチラシを撒く。パートの合間に。

旦那が専用の洗浄機が欲しいとのたまう。
奥さん走る。
持続化補助金しかないと心を決められる。ホームページも作れるかも!
会議所に駆け込む。
↑今、ココ


一般の方から直接受注を取って、下請から脱却。利益率やリスクへの柔軟性を優先する、よくある話です。もちろん、営業、集金、クレーム対応など仕事量も相当増えますが。

でも、支援者としては、ご本人(旦那さん)と話す機会が少ないのは辛いところです。
どうも技術はなかなかのモノをお持ちのようなので、近いうちにゆっくりお話をお聴きしたいと思います。





思い込みや先入観に囚われる。

2023-10-25 08:13:00 | 商工会議所
昨日は、起業塾を受講中の若い女性から、借入申込の相談を受けました。
エステ店をこれから改装して始められます。物件は決まっていて、あとは借りて工事して始めるという段階です。
まだ22歳。1千万の借金は怖くないですか?と聞いたら、「返済が終わる頃でもまだ20代だから 怖くなんかないですよ。借金はなるべく若いうちにしたほうがいいですよ」と。

私は最初この方を少し心配してました。
なぜなら、起業塾では遅刻が多く、
遅れて入ってきても席につかず、会場後ろで 仲良くなった人と関係のないおしゃべりをしてたり、
ヤンキー座りタバコ休憩中(笑)に講師から声かけられても無視したり…
不良少女感がすごいのです(笑)

創業計画書についてサポートしてほしいとの希望で昨日面談。
ですが、「書いてきたのを家に忘れた。どうしたらいい?」と(笑)
嫌な予感がよぎりました。
「ほんとに書いてきてたのかな…?」
と思ってしまいました。

でも、聴き取りして代理作成に入ると、伝えたい内容をしっかり言葉として話してくれて、あれ?すごいやん この方…となりました(笑)
特に創業の動機については、過去の今までの実体験がベースになった 心の入った真摯な動機を教えてくれました。

22才の女性にノックアウトされる 中年経営指導員(笑)

私はなるべく先入観を持たずに経営(創業)支援にあたっているつもりでいましたが、
でも、まだまだだと痛感しました。

今日も元気にがんばろー!






社長そのもの。油断してました。

2023-10-24 07:23:00 | 商工会議所
今日はマル経融資の審査会です。
1件だけですが、とても重い案件です。
資金はもう既にショートしています(笑)
個人資金投入で首の皮一枚みたいな状態。
直近決算は過去最高の好決算。それを見て油断してました。
後からもらった試算表(11ヶ月)が厳しかった。収益大幅悪化だけならまだしも、個人事業との間のやり取りで、資産も負債も経費も爆上がり💦
もともと、決算にも訳の分からない個人からの未収入金がすごい金額計上されていて、銀行さんがかなり嫌うやつです(笑)

ある極めて優秀な人格的にも素晴らしい先輩経営指導員さんの言葉に、「損益計算書は社長の成績表。貸借対照表は社長そのもの」という言葉がありまして、
今回まさにそれを実感させてもらったというところです。

でも、この会社に関してはどうも税理士の入れ知恵みたいですけどね…




マルガリータは強くて美味くて酔えるカクテル

2023-10-23 07:58:00 | 
同じマルガリータでも、店によって全然味が違う…
当たり前か😅

美味しいカクテルを作るのは才能。どんなに努力しても、上達するのは限りがある。と村上春樹の何かの小説に書いてたような(笑)

どんなに努力しても届かない。
その見えない壁。
その現実への思い。
意地。悔しさ。諦観。日常。蓄積。転換。幸せ。

…と全く脈絡なく勝手に想像の糸を伸ばしていって、
ふと視線を上げると、馴染みのバーテンダーが「ん?どした?」とこっちを見ていて むせました(笑)



創業塾もブランディングぞな

2023-10-22 08:24:00 | 商工会議所
創業塾4日目です。30名だれも脱落することなく後半戦に突入できました(家の用事や仕事でこの日だけ休むとかはありますけども)。
かなり高めの受講料を取ってますが、受講者は年々増加して嬉しい限りです。
でも、十数人だった頃の方が受講者同士も私もとても仲良くなれて、あのアットホームな雰囲気を懐かしく感じます。
(その頃は私もいっしょのシマに座って、いっしょにワークして共有してました)
それでも、やはり受講者が多いのは嬉しいことです。

他にもっと成功されてるところもありますが、いちおう記録のために、
創業塾の企画で、我ながら良かったと(現時点で)思っていることを書きます。

①講師の選定に妥協しなかったこと
②講師を信頼して、安易に代えなかったこと
③チラシに来たくなる要素を詰め込んだこと
④チラシの基本的なデザイン(パッと見のイメージ)を変えなかったこと
⑤チラシの文言は少しずつ変えて試してみたこと
⑥他の創業塾との差別化をしたこと
⑦地域色を出したこと
⑧塾のブランディングを講師の特性にあわせたこと
⑨期間中、職員もときどき前で話すこと
⑩期間中、受講者になるべく多くの方と話してもらえるように、班わけ(指定席)にこだわったこと

どれが功を奏したのか、それともたまたまなのか分かりませんが、引き続きいろいろ考えながら頑張っていきたいと思います。
私がいつまで担当するのか分かりませんが…