地方の商工会議所に勤める中小企業診断士のブログ 「お酒と読書と、中小企業支援の話」

田舎の商工会議所が行う中小企業・小規模事業者への支援。そのリアル。息抜きに楽しむお酒と読書の話。

もっと親身に考えろという反省

2024-03-01 09:28:00 | 中小企業診断士・伴走支援
昨日の相談者は、1年前にレストランをオープンさせた起業者。
地元の有名なお医者とタイアップしたお店で、医院の横にある医師所有の店舗。厨房設備等は相談者が借入で700万円ほど投入。
地元野菜を使った医療関係者監修メニュー。
あえなく、3月で撤退となります
でも、店は続くようです。医師が新しいシェフを雇って継続される
医師にとっては店舗貸しが飲食直営に変わる
(相談者の厨房設備は医師が買い取り)
相談者も、隣町の居抜き物件で6月から飲食業をリスタートします
計算してみたら初期投資のうち400万円は丸損💦

相談者が医師に雇われた従業員だったなら、こんな結末にはなってなかったと思います。
メニューや休みや何もかも自由はなくて、まるで雇われシェフみたいな扱いなのに、身分だけは個人事業主💦厨房設備に700万円払って、毎月家賃18万円払って…
(相談者サイドの視点からですけれど)

相談者はオープン前からその医師の物ごとの進め方に違和感を持たれていました
医師の不動産で飲食業を始めるか否か悩まれていました
でも、そこで背中を押してしまったのは実は私でした💦
建物も用意してもらえて、医師監修メニューという特長も得られて、医院患者という少なくない潜在顧客も得られる…
悪くない話だと思ったのです
得るものは確かに得られました
でも払う代償がこんなとは想像できませんでした
たぶん得ることが多すぎた?
お店を形作るものに相談者固有のものが少なすぎた?
医師の個性の前に構成部品のようにコモディティ化した?

相談者の頭は危険信号を受信していた。だから躊躇っていた。その医師をよく知らない私は背中を押した。相談者は決断した。駄目だった。
相談者はもちろん文句ひとつ言いませんが、私なりに反省しなければならない事案だと思っています







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