以前から言われてたとされる、双極と統失の 似 た と こ ろ 。
一番わかりやすいのが調子の波の部分。
双極には躁状態と鬱状態が、統失には陽性症状と陰性症状が波のように現れるとされる。
双極と統失とでは影響範囲が異なるところがあったり、波の出方も個人差が大きいところはあるのだけれども、根源的な意味では両者は似ていると思われているようだ。
一方、「うつ病の鬱」は「双極などの鬱」とは背景の原理が違うらしい。
なので、使用薬も違っていて、双極の鬱においては、うつ病の鬱とは違い原則抗うつ剤が使えない…と言うよりは非推奨となっている。
つまり、鬱は症状であって、その原因は「うつ病」も含めていくつもあると言うことなのだろう。
例えで言うと、頭痛がするのはなぜ？みたいな…
（頭が痛くなる原因というのはいろいろあるんだよな…。不安が強いと身体症状が全て癌のせいじゃないか？とか不安になったりすることもあるけど…ね）
もちろん、原因を一つに絞る必要も無いと思う。双極にだって双極による鬱と共に一般的な原理による鬱が合併してややこしくなってる人もいるかもしれないし、もしかしたら双極と統失の間みたいな人もいるかもしれない。
なんでこう言うことを書いているのかと言うと………
去年の終わり頃、ある研究発表がネットに出まして…
「複数の精神疾患に共通する大脳白質の異常を発見―統合失調症と双極性障害に共通の異常」日本医療研究開発機構など
以前から双極と統失では「遺伝子的にも何か似た傾向があるぞ…」とか言われてたのだけれども、今回の発表はMRIの画像からも共通項が見えてきたというところが画期的かな…
特に私が注目したのは、双曲も統失も脳の比較的深いところにある「脳弓」に何だかの異変があるというところ
「脳弓」は海馬などと共に記憶に関係した部位と言われていて、昔から、それらなどを通る「Papez回路」と名付けられた脳内の信号ルートが知られている。それが記憶以外にも何か役割があるのかどうかまでは恐らく分かってはいないと思うのだけれども、場所柄たぶん他にも重要な役割があるんじゃないかなぁと思う。物事には直接的な役割と間接的な役割があるだろうからね…
この「脳弓」の異常は、双極と統失にどんな影響を与えているのだろう？と思っちゃうよね…どうなんだろう…
波の症状との関係が気になるかなぁ…
何かのバランス調整にも関係してそうな気がする「脳弓」付近…
（勝手に思ってるだけだけど…汗）
今回の研究のMRIでわかるとされる異常は、説明によると、情報伝達の効率が分かったり、神経繊維を保護する髄鞘（ずいしょう）の障害などが分かるのだと言う。
髄鞘の障害が起こると水漏れ水道管のようになってしまい情報がうまく伝達出来なくなるらしい。
この障害が起こる理由として先の遺伝子の問題やら色々言われているのだけれども、少なくとも細胞レベルで何か問題が起きてるのは確からしい。
やや前に出たブルーバックス「もうひとつの脳」（R・ダグラス・フィールズ）と言う本には、脳の神経細胞以外の細胞、グリア細胞についてわかりやすく説明されていて、その中には髄鞘の話や、統失を始め脳のグリア細胞の異常が引き起こしてるのではないかとされている病気についての考察がいろいろ載っている。精神医学の黒歴史もさらっと書いてあるので、少し気分が悪くなるところもあるのだけれども、神経細胞とそれを取り巻く細胞との関係は色々奥深い所があるなと思った。
…実は私、ある系統の記憶が昔から悪くて、それが何から来るのかなぁと気になっていたことがある。記憶に関係する「脳弓」の働きに何らかの問題が起こってるのだとすれば納得もいくような気がするんだけど…どうなんだろうなぁ…
今回の研究は鉤状束、脳梁体、帯状束、脳弓しか見てなさそうだから、もっと観測範囲が広がると、もっと多くの事がわかってくるかもしれない
最近は東京慈恵会医科大学の近藤一博教授らのメンバーが「うつ病はヘルペスウイルスの影響」が大きいとする話も有力になってきていて…、先の遺伝子やMRIの話、脳神経細胞以外の脳細胞の話と合わせてどう発展していくのか興味はあるよね…
と言うか…いつか治る病気になって欲しい
昔から話題になる、精神の病が、生活能力や、人格の形成、心の成長にどこまで関係してるのか（私は）分からない。 けれども脳の細胞レベルで何か不調が起きてるのであれば、環境差や個人差はあったとしても、いろいろ不利な要素にはなってるはずだし、脳の細胞なんてどうでも良いなんて考える人は今も昔もいないと思う
ただ、脳の細胞…それに絶望してしまう社会ではなく、病気が少しずつ理解され新しい人がより良く成長でき、既存の人も一歩一歩救われる社会になって欲しいなとは思った…
長文読んでくださり ありがとうございます…(^◇^;)