ドナルド・マッケイグ著
大西 央士訳
集英社刊
★★★
【story】
ルイスの愛犬ボーダーコリーのノップは、
クリスマスの午後に、雌のアライグマ猟犬に
誘われるまま農場の外へ・・・。
牧羊犬競技大会のチャンピオンだった
ノップは、ライバル飼い主の、酒場での
つぶやき(350ドル)が原因で、犬泥棒の
兄弟に捕まってしまう。
消えたノップの行方を、懸命に捜し求めるルイス。
だが、ルイスにも、ノップにも、
苛酷な運命が待ちうけていた…。
著者は、元コピーライターで
スリラー小説も発表しています。
1984年にアメリカで発表された本書は、
ベストセラーになりました。
93年に出版した新作は、ボーダーコリー
についての、ノンフィクションです。
「おめでたそうにくるっと持ち上がった」
ノップの尻尾 を見てみたいです。
先日、お散歩中のボーダーコリーに出逢いました。
良く行くお店の近くなので、また逢えるか楽しみです。
食事風景も退屈に感じません。
気難しい、義父ルイスをもてあます、娘婿の
マークの様子には、共感を持てます。
スティンクと子付きの雌牛の死闘には
哀しみを憶えます。
ノップは、シュープリーム・チャンピオン
シップに優勝した、伝説のスコットランド犬、
ウィストン・キャップの孫でした。
5000ドルの買い手があった犬です。
ルイスの長年のライバルだった、
ダグ・ホワイトノー・・・。
ルイスはポップ・ボトム競技会で優勝した事から、
ダグ・ホワイトノーの恨みをかってしまいます。
テキサスの野生の羊を追えるなら、
私も、牧羊犬になりたいです。
ドーベルマンの皮は、アザラシに・・・
ジャーマンシェパードの毛皮は
オオカミの毛皮に・・・
セッターの毛皮は、キツネの毛皮に・・・
考えたくありませんが、ノップにも
危険が迫ります。
ノップが、T・T・レインズの車に同乗、
して、サリー・ギャップを出た時が、
一番、ほっとしました。
マークとルイスのチームワークの悪さも
手伝って、捜索は遅々として、進みません。
牧場の羊の世話を、ひと冬休んで、
ノップの捜索に費やした
ルイスの執念には、脱帽します。
ノップは、ダグ・ホワイトノーからの
電話で、(動物収容所での)
薬殺の危機を乗り切ります。
乱暴者が、意外な所で、ノップに親切
だったりします。
海外連続ドラマにありそうな内容です。
ノップの乗った車が、ルイスの車と
何度もすれ違うシーンでは、
ドラマなら、お茶の間で歓声が
上がる所でしょう。
ふたりで、ノップを捜す事で、
マークとルイスは、仲良くなります。
ルイスは、マークの存在を認めるのです。
ノップを助けた人々は、みんな
幸せになりました。
スティンクは、いためた足を
かばいながらも、羊を追う事で、
トライアルに出られる程に回復し・・・
これで、アライグマ猟犬が生きていれば、
ノップの垂れた耳以外は、全て、元通りでした。
そして、旅の途中で、ノップは意外な相手と
恋に落ち、家庭を築くのです。
ランキングに参加しております。
いつも有難うございます。