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少年鑑別所

2015年06月12日 10時50分13秒 | ハチパパのひとり言

少年事件が相次ぐ中、今月1日新少年法、新少年鑑別所法が施行された。法務省のHPには次のことが書かれている。

現行の旧少年院法は,昭和24年に施行されて以来,抜本的な見直しがなされておらず,在院者・在所者の権利義務関係や職員の権限が明確でないなどの不十分な点があったことから,これを全面的に改正し,少年院・少年鑑別所の機能を十分に発揮できるような法的基盤整備を図ったものです。

新たな法律のポイントは以下のとおりです。
 ・ 少年鑑別所について独立した法律を制定
 ・ 再非行防止に向けた取組の充実
  (矯正教育の基本的制度の法定化,社会復帰支援の実施,少年鑑別所の機能の強化)
 ・ 適切な処遇の実施
   (少年の権利義務関係・職員の権限の明確化,保健衛生・医療の充実,不服申立制度の整備)
 ・ 社会に開かれた施設運営の推進
  (施設運営の透明性の確保)

過日、非行少年の更生支援団体の一員として、横浜刑務所に隣接する横浜少年鑑別所を見学させてもらった。昭和24年に開設され、昭和47年に現在地に移転、15歳以上20歳未満の非行少年を年間700~800人収容している。

所長さんのお話を聞いていて、少年の更生のむずかしさを感じつつ、仕事とはいえ職員の方々のご苦労に敬服するばかりであった。

少年非行について、この時のお話を私のメモにはこう書いてある。

・非行が一般化                                                                                               ・集団化、2人以上の犯罪が50%以上                                                                                ・凶暴、粗暴化                                                                                          ・低年齢化

やっていいことと悪いことの境界が曖昧                                                                             ・情緒や社会性の未成熟                                                                                      ・自信と社会性に乏しく、集団の同調圧力に屈しやすい                                                                                            ・自立と自己責任の意識が乏しい

社会的絆、人間関係の希薄化、情報伝達手段の変化、コミュニケーションの変化など、社会全体の変化が少年たちを非行に走らせているとも言われている。

環境の変化に人間教育が対応出来ているか、大人と同じく子供も人間関係の関わりの中で成長していくわけで、家庭と学校などの環境、生活指導も大切なことは言うまでもない。

過日、横浜で起きた祖母・母親殺人事件のように、子供や孫にあまりうるさく言いすぎても、現実にこういう事件が起こると言い方を考えないといけなくなる。

高齢者の私たちが少年の頃とは時代が違うと言ってしまえばそれまでだが、いつの時代でも「強く正しく美しく生きる」ことは大切なことだし、子供たちにも人間の生きる知恵として体得してもらいたいと願うばかりである。

新少年鑑別所法に戻るが、新法のポイントのひとつに「社会に開かれた施設運営の推進」がある。鑑別所に併設された青少年相談センターでは、まさに地域に開かれた施設として、青少年に関する非行、進路、登校拒否、家庭内暴力などの悩みごとについて、臨床心理士などが相談に応じてくれている。 

自分の少年時代を振り返ってみる。親はしょっちゅうケンカばかりしていて、おふくろは耐えかねて時々家出していた家庭だった。そんな家庭に育った私の性格は決して明るいとはいえず、非行といえば非行なのだろうけど小学校まではよくケンカもした。

小学校2年のとき、鼻血を教室の床にいっぱい出したことも覚えているし、6年生のとき、学級委員と生活補導部長なのに、ケンカして担任に胸を小突かれて、ものすごく叱られたのを覚えている。今でも小学校のクラス会に出ると、私のわんぱく話が女性群から話題にされることがある。

また息子の話になるが、父子家庭20年、好き勝手して父親らしいことは何一つしてこなかったが、二人とも塾に行かなくても勉強してくれたし、サッカーなどのスポーツを通してぐれもせず、自立心の強い優しい人間に育ってくれた。運がよかったといえばそうかもしれないが、母のおかげであり、息子たちのおかげである。

昨年、少年審判に付添った二人の少年が、偶々父子家庭の子供だった。私が少年に最後にかけた言葉は、「いつかお父さんとゆっくり話が出来ることを願っているよ」「どんな場面に出会っても、自分を大切にしてね」というようなことだった。

 

 



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