読書の秋だからという訳でもないが、書棚から二人の写真家の文庫本を取り出してまた読む。1冊は大西みつぐさんの「下町純情カメラ」、もう1冊は原康さんの「小さな旅の写真ノート」。
以前から興味のあった内容の本で、単に美しい風景とかきれいな花とかをテーマにせず、日常のありふれた情景を撮り続けていることに興味を持っているからだ。
初めてカメラを手にしてから50数年になるが、最初のうちは家族を撮ったり、旅行したりした時の記念写真を撮ったりが多かった。
そのうち写真集団に入って、リバーサルカラーフィルムによる自然写真やポートレートなども手掛けるようになり、写真ジャンルの幅が広がっていった。アマチュアカメラマンの誰もが辿る道である。
最終的には仏像写真家めざして全国行脚、とくに地方の古寺古仏を撮り続けて十数年、仏像写真の個展も数回開いて写真集も自家製本しているが、あらためて二人の写真家に刺激されて、何気ない下町の風景や近場のお散歩風景を、あてもなく自由気ままに撮ってみたくなった。
大西さんの「下町純情カメラ」は、東京の下町といわれる向島や北千住、門前仲町、谷中界隈、立石、砂町など、今は見られない昔懐かしい生活風景を撮り歩いている。
原さんの「小さな旅の写真ノート」は、前作「お散歩写真のススメ」の続編みたいなもので、そんな遠くに行かなくても、意外なほど近くに自然と人の様々な光景がみられるところに着目して撮っている。
仏像写真家を自称して、お寺の風景や仏像を撮影してばかりしていたが、ここで一区切りつけたいと最近思うようになった。74歳となって気力・体力のあるうちに、残したい写真の整理と製本に時間をかけることが第一だが、新たな撮影は二人の写真家のように、自由気ままに散歩がてらの撮影もしてみたい。
重いカメラをリュックに詰めて、撮影旅行をするようなことはせず、小さなリュックにコンパクトカメラと最小限の品物を入れて、気軽な小さな旅に出よう。
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