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カメラと私 1

2014年04月30日 02時30分59秒 | ハチパパのひとり言

写歴ならぬカメラ歴50年を超える私、ただカメラが好きで撮り続けただけの私、他人様に自慢できるような写真はひとつもないが、カメラは私の人生の貴重な体験ツールである。

高校生時代からカメラには興味があった。最初は昭和35年(1960)発売のヤシカミニスターで、セレン露出計搭載の35ミリカメラ。レンズはヤシノン45mmF2.8の固定式で、シャッター速度は1~1/500秒。

その次に買ったのがハーフサイズのオリンパスペン。36枚撮りフィルムで72枚も撮影できた。何年か前フィルムを整理したときに、ネガを見てみたがハーフはハーフ、大きく引き伸ばすには適さない。ヤシカもオリンパスもモノクロ写真ばかりであるが、家族写真が懐かしい。

高校を卒業してすぐに銀行へ就職、給料を貯めて長年にわたり一眼レフを買い揃えていった。最初に買った一眼は、「世界のベストセラー」がキャッチフレーズのアサヒペンタックスSPである。交換レンズはスクリューマウントで、17ミリF4の魚眼レンズ、28ミリF3.5、50ミリF1.4の明るい標準レンズ、更に105ミリF2.8と135ミリF3.5の中望遠レンズを買い足していった。ボディはSLブラックもある。これらは今でもドライボックスのおかげで保存状態はすこぶるいい。

個々のカメラについては追々書いていくつもりであるが、これまで自由気ままにカメラ人生を歩んでこられたのは、家族のおかげであり、健康と安定した収入のおかげだと思っている。それより何よりカメラをこよなく愛してきたからと言えよう。

昨日たまたま書棚の文庫本、「下町純情カメラ」を捲っていて感じたことがある。この本は、東京の下町を撮り続けた写真家大西みつぐさんの著書で、日常と非日常の狭間に見え隠れするワンダーランドをテーマに、ひたすら町歩きをして撮っていたと書いてある。今では貴重な昭和の記録写真でもある。

カメラのおかげで国内外を飛び回り、美しい風景や様々な風俗、人間模様に巡り合えた。いま私は祈りの情景と信仰のかたちをテーマに仏像写真を撮り続けているが、この頃自分はやや固定観念に囚われて写真を撮っているのではないか、大西みつぐさんのように、自由に、気儘に、躊躇せずに、飾らずに撮れないかと思うのである。

ブログのハチの写真ひとつとっても、回りを片付けてきれいに撮ろうとしたり、外で風景風俗を撮るときも人を入れないようにしたり、電柱や電線、看板などを外してきれいなものだけ撮っていたりしていた。それはそれとして別に後悔するようなことでもないが、カメラは真実を写して初めて写真になるのだし、見えるものそのままに撮ることも必要だと思った。

いままで「カメラと私」について書いたことがあまりない。これから時々書いてみようと思う。カメラはいつも私のそばにあり、私の心の安らぎのツールとして大切にしている。



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