日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

恥ずかしくないんですか?

2008年04月26日 | お仕事な日々
少しお客さんがひいた時、
品出しをしている、
アルバイトの女の子に話しかけた。

多分、高校生ぐらいだと思うけど、
もしかしたら、大学生かもしれない。

私が話しかけた内容に、完結に答えてくれた後、
唐突に、

「恥ずかしくないんですか?」

と聞かれ、面食らった。

「そんな大声を、こんなところで出すなんて、
めっちゃ恥ずかしくないですか?」

あぁ、そういうことか。

「いや、別に……。
どうせ、聞いてないでしょ?っていう開き直りもあるし」

「聞いてますよ!
意外に聞いてないようで、聞いてますって!」

あらま、ありがとう……って違うか(笑)

「海に向かって『バカヤロー!』のダサさよりは、
恥ずかしくないし、
普段の生活で、こんなに大声を出すって、ないでしょ?
声を出すこと自体、結構ストレス発散にもなるし……」

「海じゃなくてもダサいですよ!」

ぐ、ぐさっ……!(笑)

「全然知らない人の前で大声を出すなんて、もう~……!!」

私の仕事をしている姿が、
彼女にとって、ドンビキなのかと思うと、
逆に、微かに羞恥心が湧いてきたりした。

「自分が声を出す恥ずかしさよりも、
『あ、このお客さん、人として恥ずかしいな』って、
思うことの方に気持ちがいっちゃうんで、
ホントわが身については、考えてないですねぇ~」

と、答えると、

「あ、それはまぁ、ありますねぇ~。いますよねぇ~」

と、うなづいてくれて、
ようやく私との間に、一致点を見つけてくれたけど、
なんだかケムに巻いた気分だった(笑)。

     ★

「恥ずかしくないんですか?」

面食らったけど、直球でさわやかですらあるような、質問。

逆に思うけど、
恥ずかしくない仕事なんて、
あるのかな。

端から見ればわからないけれど、
やっている本人は、
見た目だとか、
人としてだとか、
なんらかの恥ずかしさを、
仕事に対して、
特に最初は必ず抱くような気がする。

恥ずかしさとは、長いトンネルのようなもの。

真っ暗闇だけど、
必ず、なんらかの形で抜け出す。

仕事をする上で、
その恥ずかしさが、
ずっと胸にあり続ければ、
とても惨めになり、
やめることでしか、
抜け出す術がない場合もあるけれど。

だが、
恥ずかしさはあるものとして、
対抗すべき何かを持てたら、
その人自身の魅力になったり、
成長になったり、
人の気持ちを理解する、
何かになったりも、する。

「開き直り」だって、
恥ずかしさがなくなった態度ではなく、
恥ずかしいけど、それに左右されるのはやめるという
思い方(大げさに言えば、覚悟とか決意)のことだしね。

恥ずかしい、恥ずかしいとばかりに、
縮こまっているのも、どうかと思うけど、
全く恥ずかしさがない人の方が、
私の中では、恥ずかしい。

冷静に、客観的に見れば、
恥ずかしいものを、
その仕事、
その人自身の魅力に思わせる為には、
どうしたらいいのか。

「恥ずかしくないんですか?」と、
端から聞かれようとも、
一生懸命、がむしゃらに、
頑張るしかないんじゃないのか。

でも、こんな単純なことに、
私はいつ気づいたっけ?

大分時間がかかったような気がする。

素朴な質問をぶつけてきた
あのアルバイトの女の子が、
このことに気づくのも、
きっと時間がかかるだろうな。

頑張ってください。

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