日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

2008年3月の東大阪歌会

2008年03月02日 | 五行歌な日々
そんなこんなで、東大阪歌会です。4名。

歌、お披露目

     ★

       
       生まれた時代に
       刀はなかった
       すべてをやり終えたように
       国は惚(ほう)けていた
       だから海を渡った      北里英昭

       声に出したら
       取り乱しかねない
       だから
       文字にする
       これも自尊         ほしかわなお

       その香りは
       まさに笛の音
       水仙に
       海光が
       染みる           増田幸三

       瞼を閉じてても
       目まぐるしさが
       わかる
       新幹線の景色は
       浴びる感じだ        稲田準子


北里くんの歌は、
なんだか、幕末の頃を思わせるような、
司馬遼太郎の小説の一節を思わせるような、
って、話をしたら、
司馬遼太郎の『竜馬がいく』を読んでいて、
そこからインスパイアされたそうな。

しばし、司馬遼太郎について、いろいろ話す(まとめきれん……××)。

ほしかわさんの歌は、
「声」は話し言葉、「文字」は書き言葉だと思って読むと、
すーっと意味が通るかも。

実際に相手に向かって話してしまうと、
涙もろく、方向が変わっていく。
だから、文字(例えば日記)にする、ということ。
うぅ……。これも、ちょっと話をまとめきれません。
書いてみたけど、消しちゃった。
書けば書くほど、作者本人の意図からずれていく手ごたえだったので。
歌とだけ向き合って、なにか感じていただければ、十分なのではと。

増田さんの歌は、
海光(※作者の造語です。海のキラキラしたところ)が、
水仙の花びらに透明感を与えて、綺麗な歌。
香りを音として捉える、そういう五感のセンスにも注目です。

稲田の歌は、先週のAQ歌会へ行った
行きの新幹線での歌。
睡眠不足気味なので、
眠かったわけじゃないけれど、目を閉じた。
でも、その閉じた目の中に、
めまぐるしく光や影が差し込んでくる。
景色を見ようとしているわけでもないのに、
閉じた目が景色を感じ取っている。
しかもそれは、『見る』というより『浴びる』感じだった。
その不思議さを、詠ったもの。

すっすっすっと、歌会が進み、
時間が余ったので、
先週のAQ歌会へ行ったときの、
歌のプリントを見て、あれやこれやと、お話をする。

     ★

案内を送っている人には、
すでにお知らせしていることですが、
来月を最後に、
歌会を二ヶ月に1回のペースでやることにしました。

4月は通常通りの歌会で、
それ以降は、とりあえず、6月、8月ぐらいまでは、
実験的に、そういうペースで。

暫定的に終わるのか、継続的にそれでいくのかは、
実際やってから、本格的に決めようかと思っています。

また、二次会の席で、
(この、お酒の席で決まるのが、妙に私はおかしいです・笑)
話しをしているうちに、
4月から提出歌を、一首→二首に増やすことで、
話がまとまりました。
これも、8月ぐらいまでやってみて、その手ごたえで、
今後を決めていこうかと。

詳細をお知りになりたい方は、稲田までご連絡を。

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