日々・ひび・ひひっ!

五行歌(一呼吸で読める長さを一行とした五行の歌)に関する話題を中心とした、稲田準子(いなだっち)の日々のこと。

表情筋固まってましたわ。

2006年04月19日 | お仕事な日々
企画商品の中に、3000円でドレスを着て、写真を撮る、というのがある。もちろん、髪のセットも簡単な化粧も含まれている。

結婚式を挙げなかった人や、
ドレスをもう一度着て見たいという年配の女性が対象で。

で、となりの部署の方のお客さんで、
その申し込みがあり、
それに同行して、
さらに私もドレスを着て、
プレゼン用の写真を撮っておけ、ということになった。

ものすごく、気疲れをしているから(昨日の日記参照)、
ゴージャスな服を着て、発散!!
……と、切り替わってくれたらよかったんだけど、
そういうことでは、発散できないんだよなぁ。

お人形さんになることでは……ね。

煮るなり焼くなり、どーにでもしておくれ!
と、かろうじて開き直るのが精一杯。

     ★

ドレスは、
新しいデザインのものがどんどん取り入れられるので、
(ちなみに今は神田うのデザインのものが流行っているらしい)
ちょっとだけ型落ちしたものを再利用している。
カクテルドレスから、ウェディングドレスまで、
色とりどりに置いてある。

私はまぁ、これといって、主張はなかったが、
カクテルドレスは
水商売をすると着る可能性があるのではないか
(いや、絶対しないと思うし、着ないだろうけど・笑)
と思い、
今後どんどん着る可能性が先細りするであろう
ウェディングドレスにした。
(ちなみに今は純白よりもオフホワイトが流行っているらしい)

最初、『ボ』が、
リボンがいっぱいついた、かわいい系のものを勧めたが、
『ボ』が勧めるなら、やだ、と思い、
他のを見てまわったが、

レースが沢山入っているようなのは、
たとえ「白」といえども、
とても濃いように思え、
そのコテコテ感は好ましくなく、
結局、『ボ』が勧めたとおりの、
あっさりとしたリボンばかりの、
比較的シンプルなものを選んだ。

軽く屈辱(笑)

上着などは脱ぐけれど、
スカートなどは来たまんま、
上からドレスを着る。

着ながら、お客さんの娘さんの
ドレス選びも気にする。

Aさんは、販売の仕事を過去にしていたことと、
元々こういうことが、好きならしい。

ドレスを決めたお客さんの娘さんに対して、
チョーカーをはじめとする髪飾りとか、
ネックレスとか、イヤリングとか、
コーディネートの勧め方が手慣れている。
担当の女性の営業の人より上手かった。

そして、横で聞けば聞くほど、
「……あたしって、こういうセンスないし、
ジコチューだから、人をノセルの、苦手なんだよな~……」
と、Aさんに感嘆しながらも、
自分がいずれするであろう仕事に、
やや不安感がよぎった。

お客さんの娘さんの、
メイクアップが終わり、
さて、次は、私の番。

     ★

思ったのだが、
ドレスにビラビラのレースなどがある場合は、
それに対抗して、
キラキラ光るアクセじゃないと、
負けちゃう気がする。

しかし、私のドレスのように、
ドレスの生地の質感が生えるものは、
キラキラ光るアクセをつけると
アンバランスになる。

したがって、
「チョーカーをつけたい」と思っても、
キラキラして浮いてしまうので、
白い花のコサージュっぽい髪飾りだったし、
「あぁ、このキラキラネックレス!」と思っても、
シンプルな真珠のものになった。

なるほど、なるほど、としばし勉強。

髪型も、クルクルパーマのウィッグを
片方につけたりして、
好きではない割りに、しばしその気になっていく。

     ★

で、なんとなく、
アクセをはじめとするものを、
コーディネートするのって、
五行歌の推敲作業に、感覚が似ていると
思えてきた。

自分の知っている日本語を、
思い(ドレス)に合わせて付け替える。

ひとつのこと(私の場合は五行歌だけど)
をしっかり深める作業を、
普段からしていると、
他のものの理解も早くなるんだな。

そうすると、
構造をあっという間に見破ることが出来て、
不安感は削減される。

持っているそもそもの素質を変えることは出来ない。
だが、後天的に吸収しなければならないもののための
粘りとか踏ん張りは持てる。

自分なりの納得のゴールを設定できるからだ。

あとは、その粘りに対して費やす時間を、
無駄と思うかどうかだけだ。

そして、そこに正しいも間違いもない。
自分に対するこだわりだけでいい。

達成しても、挫折しても、
納得のラインを重要視して、
きっぱりと生きていくほうが、
意外と他人にかける迷惑も、
最小限に押さえられる気がする。

うじうじと、決めかねたり、
行動を起こしてから揺れたりするのが、
一番迷惑をかけるんだと思う。

人は、意外と自由なのだ。

Aさんのようには、
興味を持ってやれないかもしれないが、
ある程度のところまでは、
経験を積めばなんとかなるかな、と、
不安を少し除去した。

五行歌のおかげで、意外と早い切り替え。

     ★

そして、出来上がりの姿を鏡で見る。
残念ながら、メガネを外した状態で(笑)

その感想は、
「……ん?ちょっと前に、松田聖子が、こんな格好してなかったっけ??」
だった(笑)

まぁ、似てようが、似ているまいが、
こういうことで、私は、
悦に浸れない、ナルシになれない体質であることを、
改めて確信した。

写真を撮る。

寝不足だったのと、暗い気持ちだったのとで、
心の底から笑えないのに加えて、
眼が悪いせいか、
カメラのほうを見ると
眼を細めてしまうので、目つきが悪くなり、
カメラマンさんが困ってしまっていた。ははは。

それにしても、本当に、最近笑っていないんだと、
痛感した。

顔の筋肉が、上手く操れなくなっていた。
すごく怖かった。
こんなところからも、奪われていくんだな。

とにかく精一杯、
目は驚いているように大きく開け、
口は口角を上げ、
顔の上半身と下半身をめちゃくちゃにして(笑)
笑顔を作った。

その後は、
プレゼン用のスナップ写真作りのため、
こじんまりとした披露宴会場で、
ポーズをとる。
心はすっかり、蛭子能収。てれてれ。

カメラマンが『ボ』だっただけに、
余計に笑いがひきつった(笑)

     ★

着替えが終わって、
デジカメでとったスナップを見せてもらう。

あぁ、本当に、
ゴージャスなものが似合わない人だわ。私は。
Aさんと『ボ』には一定の評価がもらえたが、
こういうものの他者評価と自己評価って、
一致しないよな(笑)

『ボ』が
「まぁ、俺のカメラマンとしての腕がいいからな」
と言ったので、
「モデルが完璧ですからね」と言い返したかったが、
冗談でも言えなかったので、
「最近のデジカメの性能は素晴らしいですね」と
路線を変更して言い返した。

『ボ』そこで無口。

おいおい。
ツッコミを忘れるんじゃねーよ。
このくらいの会話のキャッチボールをしろよ。

このくらいのユーモアで、ひくなよ。
あんたの下ネタのほうが、よっぽど幼稚でひくんだよ。
と、胸の中で毒があふれる(笑)

やっぱりこの日の一日の締めは、
表情筋が固まることで終わった。

ますますドレスが似合わない方向へ、
自分が流れていく。ひぇ~(笑)

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