朝三暮四
2014-11-27 | 時事
選挙の争点が、小泉内閣以来、二者択一になってしまった。「選択の技術」というアメリカの哲学者だか心理学者がものした本に、人は選択肢が多くなると、選べないと書いてあった。今回もいつの間にか争点が決められていて、現下の未解決の藷問題は棚上げである。女性活用と言ったが、その法案は今国会で通過しなかった。幼子を抱えた女性は余計な仕事をするなということかしらん。産む機械になんかにならず、働く道具と成れといったのかしらん。福島の原発もどうなっているのか。地面を凍結させて地下水を止めるなんて荒唐無稽なことを考えたが、うまくいかないらしい。その間、汚染水は垂れ流し、それだけならまだしも、現場の作業員の被爆線量の総量とやらも時々刻々上がっていると聞いた。彼らが居らねば枕を高くして眠れまいにと思うが諸兄はいかがか。仮設住宅では老朽化が進み、壁の隅やら床の間にカビがはえ、為に気管障害を起こしている被災者もいると言う。そういえば、復興予算の6割以上が手付かずで金融機関に眠っているとも聞いた。この春から、白色申告に対して、帳簿なるものをつけよという指示もあった。これは、一般人には馴染みがないが、会計士、税理士の間では当たり前である。勧告はホームページに掲載して終わりとも聞いた。知らぬ間に勝手にいろいろな事が決まっている。それでいて肝心要のことは決まらない。
何とかノミックスとやらで景気が上向けば、税収が増える。トリクルダウンで、下々にもお金が廻ると言ったが、一向に回って来ない。企業に減税して、利益が社員に回るかと思えば、滞蔵して終わりである。伊丹監督がマルサの女2で描いた三国連太郎演じる宗教家と同じである。思えばウィンウィンとかトリクルダウンとかは海の彼方、米国から来た言葉であった。かの国の言葉なら眉に唾して謹聴すべしである。マークトウェインの佳作「跳び蛙」を読めば、ペテン、イカサマがどれだけ文化として根付いているかわかるはずである。残念ながら、世の人々全員がマークトウェインを読んでいるとは限らないし、ましてやエリート呼ばれる人間が文学作品なぞ目を向けていることなぞ、今の日本では絶望的なのであるまいか。
このたびの選挙では、増税を延期するか否かである。延期するがゆくゆくは消費税を上げるという。上げねば国が成り立たないという、賢人の考えた事だから本当だろうというのは昔の事である。賢人の考えた原発は事故を起こした、稼働せずば電力不足に成る、計画停電で消費量を抑制すると言った、やってみてわかったのは停電ご無用であった。企業が外国へ逃げて行くと言って、企業は逃げていかなった。既に企業は海外に移転していた。これだけ日本にサラリーマンがいて自社のみならず取引先の会社が海外にあると知らない人はいようか。もしかしたら、海外に拠点を置かないマスコミだけが知らないのかもしれない。
今回の選挙で消費税値上げが見送られたら、日本は古典をなくしたと小生は思う。今回の仕儀を古人は朝三暮四と呼んだ。
何とかノミックスとやらで景気が上向けば、税収が増える。トリクルダウンで、下々にもお金が廻ると言ったが、一向に回って来ない。企業に減税して、利益が社員に回るかと思えば、滞蔵して終わりである。伊丹監督がマルサの女2で描いた三国連太郎演じる宗教家と同じである。思えばウィンウィンとかトリクルダウンとかは海の彼方、米国から来た言葉であった。かの国の言葉なら眉に唾して謹聴すべしである。マークトウェインの佳作「跳び蛙」を読めば、ペテン、イカサマがどれだけ文化として根付いているかわかるはずである。残念ながら、世の人々全員がマークトウェインを読んでいるとは限らないし、ましてやエリート呼ばれる人間が文学作品なぞ目を向けていることなぞ、今の日本では絶望的なのであるまいか。
このたびの選挙では、増税を延期するか否かである。延期するがゆくゆくは消費税を上げるという。上げねば国が成り立たないという、賢人の考えた事だから本当だろうというのは昔の事である。賢人の考えた原発は事故を起こした、稼働せずば電力不足に成る、計画停電で消費量を抑制すると言った、やってみてわかったのは停電ご無用であった。企業が外国へ逃げて行くと言って、企業は逃げていかなった。既に企業は海外に移転していた。これだけ日本にサラリーマンがいて自社のみならず取引先の会社が海外にあると知らない人はいようか。もしかしたら、海外に拠点を置かないマスコミだけが知らないのかもしれない。
今回の選挙で消費税値上げが見送られたら、日本は古典をなくしたと小生は思う。今回の仕儀を古人は朝三暮四と呼んだ。