goo blog サービス終了のお知らせ 

ただ今修行中!言いたい放題ブログ!

30歳で転職を決意し、やりたいことが見つかり、遅まきながら起業を志ざす。目下IT企業で修行中!

クリシン研修終了!

2006-12-23 06:03:45 | Weblog

木曜日でグロービスの3ヶ月にわたるクリティカルシンキング研修が終了。久しぶりに歯ごたえのある勉強をしたという感想。学習での気付きも多かった。(最後のレポートはあれだけ頑張ったのに答えが少しずれていたのはショックだったけど。)会社のお金で受けさせてもらったものなので、是非仕事でアウトプットが出るようにしたい。

Ⅰ・スキルにおける振り返りと気付き

(1).イシュー(課題・論じるべきポイント)への意識=問題解決ではよく論じられる議論だが、研修ではついつい忘れていたり、イシューの捉え方がずれていたり。(戦略を論じなければならないところに理念の話が混同されている。そもそもイシューとして捉えるべきか否かの判断等)

(2).考えるとは「解釈を加える」「分解する」ということ、=ピラミッドストラクチャーで「考える」というのは、「事実を単に寄せ集めて話をする。」ということではなく、事実から、「自分なりの考えを解釈する。そしてその解釈があっているのではないか?という事象を更に加える。」という作業の連続だということを学んだ。(要するに帰納法・演繹法のことなのだが、ケーススタディーを数多くこなすとだいぶコツが掴めるようになった。)ロジックツリーでは「MECEに分解する=(これもよく言われる理論)」という作業を数多く行ったが、メンバーそれぞれで色々な切り口が見つかるものだということがよく分かる。

(3).フレームワーク思考=「分解する」ということにおいて、①「フレームワーク」を数多く持つこと②フレームワークを作り出すコツというものが存在することが分かった。①においては、事業戦略の3C、マーケティングの4P、国際戦略を考える上でのPEST等が一般的②しかしより大事なのは、既存のフレームワークを数多く学ぶことではなく、自分でフレームワークをその時に応じて作れる能力が大事。そのコツは「結果に至るまでのプロセス」で分ける(代表的なのが、営業プロセス・開発設計プロセスなど)「結果を出すための要素で分ける(代表的なものが、利益=売上-コスト、売上=顧客単価×顧客数など)「場所で分ける」「時間(時代)で分ける」「人で分ける」「何らかのアウトプットの特徴で分ける」など、いくつかの視点を持つことが大事。そして何よりも大事なのが、その時に応じて、感度の良いフレームワークを選ぶことだ。

(4).カテゴリー分けをする際に横のレベル感をあわせる=2つの視点でチェックする必要性があり。①分解の階層の抽象度(もしくは具体度)があっているか②インプットとアウトプット(原因と結果)、事実と解釈が混同されていないか等

(5).因果関係を意識する=その際に、因果関係の情報を一旦疑ってみることが大事。(第三因子が存在しないか?因果関係が逆になっていないか?隠れた前提があり、その前提は覆せるのではないか等)「因果の構造図」という思考ツールは大変役に立った。

(6).問題解決のステップを意識する=問題解決のステップとして、①解決すべき課題・あるべき姿を明確にする(組織においては、共有化されやすいように数値的な目標を明文化するほうがよい。そしてそれが達成されれば、経営理念・組織目的が達成されると皆がイメージできるものがベストだ。)②どこが悪いのか(WHEREのロジックツリー:現実世界では財務分析・数値分析から入る場合が多い。解決するべき箇所を明確にして焦点を絞る。)③なぜ悪いのか(WHYのロジックツリー:考えられる原因をより幅広く、列挙する。)④因果関係を明確にする(因果の構造図:意義としては解決するべき原因の中で一番改善感度の良いと思われる箇所を明確にすることによって、後ほどの対策を絞れる。)⑤どうすればよくなるのか(HOWのロジックツリー:改善感度の良い箇所を明確にした上でいくつかの対策オプションを考える。)⑥対策オプションの中で、選ぶ基準を明確にして共有する。(時間・コスト・実現可能性・副作用の有無・皆のモチベーション等)

仕事をしていてよく「問題解決をしろ」と言われることが多いが、上記の①~⑥の中でどの段階までは明確になっていて、共有されているのか?ということを常に意識して、明確になっていない箇所からステップを踏んで問題解決をすることが肝要。(意外と出来ていない場合が多い。組織全体で多いのは、①が明確になっておらず、皆の認識がバラバラなために、議論をしていてもまとまらないケース、管理者レベルでいうと、②が明確になっておらず、話や対策が抽象的なケース、③において、仮説思考的に原因を特定して、その後の対策が外れてしまうケースが多いこと④⑤においては、根本的な原因を捉えておらず、取った対策が対処療法的で作業量だけが増えてしまうケース、もしくは副作用が出てしまうケース⑥においては、もっと良い方法があるのに見落としてしまうケースが現場でよく見受けられる。)

Ⅱ・現場での活用方法の留意点

(1)クリティカルシンキング(論理的・複眼的思考)の長所はきちんとステップを踏めば、ある程度、誰もが良質な問題解決が出来るということ(但し、それぞれの段階における事象の捉え方「フレームワークの選ぶセンス・作り方と分解の仕方」については、個人差が出る。この部分においてはどれだけ知識があるか?知識の量に左右されることが多い。だからこそ、多くの人間の知識を活用するということで議論をしながら進めるほうが好ましい場合が多い。)短所は、時間がかかるということだ。

(2)問題解決手法において、論理的思考の対極にあり、人材教育業界で、最近流行のスキルが仮説思考。(仮説検証)。こちらはトライアルアンドエラーを繰り返すことにより、結果として問題解決をしてしまうという手法だ。(そしてトライアルアンドエラーの集積が経験となり、次第に問題解決のスピードが速まっていくというロジック。)クリティカルシンキングの問題解決ステップにおいては、①②が明確になっていれば、③以降は仮説思考の考え方で問題解決を進めても良いかもしれない。長所はスピードが速まるということ、短所は失敗する可能性がどうしてもクリティカルシンキング的な問題解決手法よりも大きくなってしまうということだ。

(3)ケースバイケースに応じて、クリティカルシンキング的な問題解決手法を用いるのか?仮説思考的な問題解決手法を用いるのか?ということは決めたほうが良い、

クリティカルシンキング的な問題解決手法を用いたほうが良い問題:①課題とどの部分が悪いのか?が明確に共有されていない問題(少なくとも課題とどの部分が悪いのかということはロジックツリーで分析したほうが良い。)②重要度が高く、緊急度の低い問題③失敗が許されないケースもしくは失敗するとダメージが大きい問題

仮説思考的な問題解決手法を用いたほうが良い問題:①課題とどの部分が悪いのか?ということが明確に共有されており、かつスピードが求められる問題②重要度が低く、緊急度が高い問題③失敗をしても、ダメージが少ない問題④成功する要因が解決策を出す質ではなく、解決策を出す時期(スピード)が大きいと思われる問題

(4)問題解決議論の留意点:メンバー全体で前述した①~⑥のどの部分が明確になっており、かつ共有されているかを見極めた上で、議論を進行する。②予めクリティカルシンキング的に問題解決を進めるのか?仮説思考的に問題解決を進めるのか?ということを決めておく。この際、会議の時間ありきで決めるのではなく、あくまで問題の質で決める。(現場でよく見受けられるのは、会議時間を短くしたい、速く問題解決をしたいという手段が先に立って、仮設思考的に問題解決を進めるべきではないのに進めてしまうケースがある。会議時間は問題解決の手法に応じてセットするべき。クリティカルシンキング的に進めなければならない問題ならば、会議時間を予め長く取るとか、それでも会議時間を短縮したいのであれば、議論に入る前に考えておいて欲しいことを予習させるなどの工夫が必要。)③共有する意味で、必ずホワイトボードや模造紙を使って、明文化する。図表化する④極力色々な視点でフレームワークが出てくるように、多くの人間に発言させる

Ⅲ・関連して身につけたほうが良いと思ったスキル・知識

①仮説思考=問題解決手法においては、クリティカルシンキング的問題解決手法を学んでいることが前提。それを身につけておらず、「スピードが大事だ!」という論理のもと、仮説思考を学ぶのは、失敗が多くなることから好ましくない。しかし、クリティカルシンキング的な問題解決手法を知った上で、「スピード」を求めるのであれば、仮説思考を学ぶのは、良いスキル。

②アカウンティング=問題解決手法において、「どこが悪いのか?」ということには、必ず数値分析が入ってくる。経営者とより上位の管理者になると、戦略を決定しなければならないことが多く、その際に必ず財務分析が入ってくる。そのためにもアカウンティングは学んでおく必要がある。

③マーケティング・経営戦略=問題解決手法において、「なぜ悪いのか?」「どのようにすれば良いのか?」ということを考える上で、マーケティング的・経営戦略的発想を学んでおく必要がある。

④ビジネスファシリテーション=問題解決手法において、皆で議論をする際に、時間をうまくコントロールし、かつ皆に多く発言をさせ、その上でまとめる必要性がある。これが出来ない場合、会議の時間が必要以上に長引いたり、組織として無理やり議論を急いで、問題解決が掘り下げられない可能性がある。

⑤プレゼンテーション=問題解決を組織に浸透させる上で、プレゼンテーションスキルが必要。

クリティカルシンキング・論理的問題解決手法は、人材教育業界では、知識教育を除く教育カリキュラムとしては、一番はじめにもってられるケースが多い。受けてみてその理由がよく分かった。現場で徹底的に活用したい。



最新の画像もっと見る